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2015年の幕開けとともに、ビットコインは早くもメインストリームと多くの接点をもつことに成功し、デファクトスタンダードとしての地位を確立しようとしている。ステルスで準備をしていたビットコインスタートアップ’21 inc‘は、アンドリーセン・ホロウィッツやピーター・ティールをはじめとする多くのVCから1.16億ドルの資金調達を実施し、歴代記録を塗り替えるラウンドを収めた。

1月には2012年から活動し、ウォレット、決済代行、交換所など幅広い事業を行っていたサンフランシスコベースのスタートアップ’Coinbase’が、米23州の認可を得た世界初の政府公認取引所をリリースするとともに、ニューヨーク証券取引所(NYSE)、BBVA、NTTドコモらから7,500万ドルの資金調達を実施した。NTTドコモのベンチャー部門が投資に参加したということについても驚きだが、NYSE(Crunchbase)が223年の歴史の中ではじめて投資を実行した企業がビットコイン関連事業だという事実は、歴史の転換点であるということを充分に感じさせる出来事だ。

2015年に入ってからのこのような動きは、シリコンバレー最前線のスーパースターによって牽引されており、彼らはビットコインのイメージ的な問題を一切気にせず、純粋にビットコインの背後にある革新的な技術の未来を見出した極めて前向きな流れであると言えよう。

成長に次ぐ成長

2015年現在までのビットコイン関連投資は、上記したふたつのビッグファンドに支えられ、既に2.22億ドルとなっている。これは、2014年にビットコイン関連企業に行われた投資の3分の2に達し、非常に早いペースとなっている。

2015年 企業 業種 投資額(M$) 累計(M$) ラウンド
1月1日 CoinOutlet 金融サービス 0.1 0.15 Seed
1月5日 GetGems 金融サービス 0.4 1 Seed
1月7日 LibertyX 金融サービス 0.4 0.4 Seed
1月12日 Airbitz インフラ 0.03 0.03 Seed
1月14日 BlockCypher インフラ 3.1 3.1 Seed
1月15日 Ciphrex ウォレット 0.5 0.8 First
1月20日 Coinbase 総合 75 106 Third
1月20日 Trustatom 金融サービス 0.1 0.1 Seed
1月22日 Anycoin Direct 取引所 0.56 0.56 Seed
1月27日 Colu インフラ 2.5 2.5 Seed
1月28日 BitFlyer 取引所 1.1 2.93 Seed
2月2日 Bonafide (Bonifide.io) 金融サービス 0.85 0.95 Seed
2月3日 KnCMiner マイニング 15 29 Second
2月3日 NeuCoin 金融サービス 2.25 2.25 Seed
2月3日 Ziftd 金融サービス 0.85 0.85 Seed
2月4日 HashRabbit インフラ 0.5 0.7 Seed
2月9日 BitPesa 決済プロバイダ 1.1 1.1 Second
2月19日 Ledger ウォレット 1.5 1.5 Seed
3月10日 21 Inc (21e6) ハードウェア 116 121.05 First
3月10日 ShapeShift 取引所 0.53 0.53 Seed

以下の図は、CoinDeskの統計資料を元に作成したグラフだ。
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2014年はQ3で一度落ち込んだものの、全体を通してみれば伸び続けていることは明らかだ。これはあくまでも希望的観測であるが、2013年から2014年にかけて、投資額は9600万ドルから3.3億ドルとなり、342%の成長を見せているため、可能性としては充分にあり得るだろう。

関連記事:CoinDeskが「State of Bitcoin 2015」を公開、67%の下落と342%の成長から見えるものとは

また、3月にはセカンドマーケット社のビットコイン投資信託(BIT : 銘柄コードGBTC)がFINRAの認定を受けOTCマーケットへの上場を果たし、世界中の機関投資家と接続された。

メインストリームへと近づく

しかし、ビットコインの広がりは投機的な面だけではない。一般消費者に向けたビットコイン販売ネットワークも着実に拡大している。ビットコイン売買専用ATM(通称BTM)は、現在世界中に368台あり、さらに、既存ATMでビットコイン売買できるソリューションもいくつかの企業が実行に移している。

韓国ベースのスタートアップCoinplugは、韓国全土7000のATMでビットコインの購入ができるサービスをリリースし、スペインベースのBTCPointもまた、銀行と提携し全国10,000台の銀行ATMでビットコインの換金ができるサービスをリリースした。また、現在、台湾、韓国、ブラジルではコンビニエンスストアでもビットコインを購入可能だ。

ビットコインは着実に、確実にマスへと近づいているし、近づいていかなければならない。ビットコインは本質的に、ネットワーク効果をもってしてその効用を最大限に得られるような、まさに通貨そのものとしての側面を持っている。今のところ、ビットコインは使える場所がない・買える場所がないなど、決済通貨といてはまだまだ使いにくいというのが現実だ。昨年1年でDELL、Expedia、Overstock、DISH、Microsoft、PayPalなど、大手企業が続々ビットコイン決済を採用しているにもかかわらず。

1.16億ドルを調達した21 incは元々、サトシナカモトが定義した魔法の数字21,000,000を表す21e6という名前を使っており、マイニング機器の開発販売を行っていた。21のCEOであるマシュー・ポーカー氏は、クアルコム社との提携に関し、マス向けのソリューション開発を目指すと述べている。

結局のところ、ビットコインの普及の鍵は一般消費者へのリーチだ。ポーカー氏はデータの暗号化を専門とするVoltage Security社を経営していたという前歴から、ハードウェア端末への組込みを専門としている人物である。1月にはIBMがADEPTという、ブロックチェイン+IoTの実証実験を行ったという背景もあり、21への期待感はコミュニティ全体を通してかなり高い。

ビットコインは刻一刻と進化しており、これまでも指数関数的に成長している。2015年を通じてビットコイン事業関連投資の累計が10億ドルを超えるという予想も、あながち間違いではないのかもしれない。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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