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新年あけましておめでとうございます。

旧年中は、本コラムをご愛読いただきましてありがとうございました。

本年も少しでも読者の皆様にお役に立てるよう、更新していきたいと思いますので、宜しくお願いいたします。

さて、本年の相場を展望するにあたり、本日は前編として、昨年の相場の振り返りから始めたいと思います。

 

◼︎昨年の相場まとめ

年間パフォーマンス:2014年終値321$   → 2015年終値424$   +32%

終値USD イベント
1月 大幅下落 年初来安値 215 一時200$割れ Ghash.IO(プール)業務停止 CoinTerra(マイニング機器)デフォルト
2月 小幅上昇 255 香港mycoin社の詐欺事件 460億円のビットコイン盗難の誤報
3月 横ばい 244 米国金利引き上げ観測 新興国通貨安
4月 横ばい 237 中国株式市場高騰 BTC-Eの相場急変動事件
5月 横ばい 229 米国の金利引き上げ観測 ギリシャ問題の発生
6月 上昇 263 一時300$突破 ギリシャのiMF返済問題 ギリシャ相場開始
7月 小幅上昇 284 ギリシャ問題決着 中国株式下落
8月 下落 2番底 231 マークカルプレス氏の逮捕 FATF勧告 元切り下げ bitfinex誤発注 XT問題 世界の株式市場暴落
9月 横ばい 237 スケーリングビットコイン#1 XT問題
10月 大幅上昇 315 中国スタンス変更 欧州VAT適用除外判決
11月 上昇 年初来高値 377 一時500$突破 銀嶺カード引き出し規制 MMMポンジスキーム
12月 上昇 425 米国金利引き上げ実施 スケーリングビットコイン#2

 

◼︎雑感

2015年の相場は、年間で+32%の上昇で、前年の−56%の下落を6割程度戻す格好となり、大雑把に前半は、前年の流れを引き継ぎ軟調な展開、後半はギリシャ問題、中国マネーフローの変化など、好材料が相次ぎ、良好な相場展開となった。

ビットコインは依然、好材料、悪材料が交錯している状態だが、ビットコインは着実にその足場を固めつつあり、2015年はイノベーター層の広がりを肌で感じることができるような、記念すべき1年だったと考えている。

 

世界では依然ビットコイン懐疑派・否定派が多い状況だが、その要素技術のひとつであるブロックチェーンテクノロジーに関しては一様に前向きな姿勢を見せており、世界の金融機関などは、一斉にこの分散台帳技術を自社ビジネスに取り込もうと取り組みを開始した。

これらの動きは、実はビットコインに対しても総じてポジティブな方向になると考えており、多くの人がブロックチェーンの研究を進めることで、逆にビットコイン(などのパブリックチェーン)の破壊力を認識することに繋がろう。

※筆者は、ブロックチェーン単体の効用を認めつつも、単体での利用(プライベートチェーンと呼ばれる類)は万能ではなく、ビットコインなどのパブリックな(トラストレスな)価値転送ネットワークにこそ、その革命の本質があると考えている。

 

現在ビットコインにおける世界の動きを見ると、その見方に強気、弱気の見方が交錯し、まさにアメリカの著名投資家ジョン・テンプルトンの格言「①相場は悲観の中に生まれ、②懐疑の中で育ち、③楽観の中で成熟し、④幸福感の中で消えて いく」の通り、今は②の状況である。

①はGOXの破綻時あたりであるが、多くのメディアが、その破綻をビットコインの破綻と誤認識、あるいは故意の誤報を行うことにより、世の中のほとんどの人が、その認識を誤っている。

相場は否定派が多くいればいるほど大きく育つのだが、筆者はこのような状況(ほとんどの人が革命的出来事を誤認識をしてる状況)は滅多にあることではなく、インターネット登場と同じく、10年〜20年に1度のチャンスと考えている。

相場が最も大きく育つのは、この③の過程だが、今は②が始まったばかりのタイミングだ。中途半端な知性派が否定している今のような状況は投資的には大いにチャンスといえよう。(もちろん、マークアンドリーセン氏や伊藤穰一氏など、本物の知性派は正しく認識している)

 

インターネットの場合、世界初のWEBサイトが登場したのが1991年、マス層への浸透が開始されたのがWINDOWS95が発売された1995年だが、ビットコインの場合、この中間あたり(1993年あたり?)に位置付けられると考えられ、おそらく、ここ数年のうちに③、つまり、アーリーアダプター層への浸透が始まる、なんらかのプロダクトの登場があり、一般コンシューマー層に浸透が開始されることとなろう。

この時は、もしかするとビットコインそのものでなく、消費者にわかりやすくするために、ビットコインに何らかのラップがされている状況になるかもしれないが、いずれにせよ、現時点ではビットコインのザ・ブロックチェーンが拡張される可能性(例えば、sidechainなど)が高いと見ており、つまりそれは、ビットコインの価値上昇につながっていくはずだ。

 

◼︎独眼流が振り返る2015年の4大相場イベント

 

第4位 ギリシャ問題(キプロスの再来)

2015年5月あたりから、ギリシャはIMFへの返済が困難になるのではとの憶測が出始め、世界の金融市場ではギリシャのユーロ圏離脱の話で持ちきりとなった。

ビットコインでは、ギリシャのユーロ圏離脱→ドラクマの採用→ドラクマの暴落→ビットコインへの逃避 という流れで、過去に起こったキプロス相場の連想による相場になったわけであるが、実際にはギリシャ国内にはビットコインの取引所がなく、多くの国民は手を打つ前に、預金封鎖が起こってしまった関係で、ビットコイン交換の実需は発生しなかった。

しかしながら、今後も発生するであろう通貨危機時には、ビットコンは退避通貨の選択肢の一つとなることが改めて認識された格好となり、投資家の脳裏には改めてビットコインの存在が刻まれたことであろう。

 

第3位 スケーラビリティ問題(ネットワーク存続の懸念)

2015年年初より、ビットコインのブロックサイズ問題が議論されるようになってきたが、9月12日・13日に、第1回目となる、ブロックサイズ問題解決に向けたワークションプがカナダ・モントリオール開催された。

ことの発端は、コアデベロッパーの、マイク・ハーン氏とギャビン・アンドレセン氏らによって開発された「Bitcoin XT」が8月15日リリースされたことによるが、その強行的な動きから、ビットコインネットワークがハードフォークにより分断されるのではと、懸念が広がった。

その後、12月6日・7日に香港にて、第2回のワークショプが開催され、現時点ではXT採用の可能性は限りなく低くなっており、代わりに複数の代替案が出てきているわけだが、本問題は引き続き本質的な課題として議論が継続するも、筆者は楽観視している。

 

第2位 ECJ  VAT適用除外判決(支払い手段として認める歴史的前例)

10月22日、欧州司法裁判所(ECJ)は、ビットコインの売買に係る付加価値税(VAT)の適用は除外されるべきであるとの判決を下した。

ECJの最終判決によれば、ビットコインの取引は付加価値税法135条1項(e)に当てはまるとのことで、つまり、硬貨や法定通貨、紙幣のような支払手段として定義されたということになる。

現在、世界でビットコインの定義が議論されている中、この判例ができた意味は非常に大きく、来年から始まる日本における法案化のプロセスでも大いに参考になるであろう。

日本も、蒸気自動車が発明された際のイギリスのようにならないことを切に願う。

 

第1位 中国マネーの変化(株式急騰・急落、銀聯カード規制、通貨切り下げ)

ビットコインの相場を語る上で、中国の動向が最もインパクトを与えることを再確信した1年であった。

2015年前半は、中国株式が急騰し、中国個人マネーは一斉に株式市場に流れ、ビットコイ相場は停滞を余儀なくされたが、後半は、一転、中国株式が急落し、ビットコインはその換金売りのあおりを受けて一時的に急落したわけであるが、このあたりが起点となり、ビットコイン相場は勢いを取り戻し始め、8月から実施された元の切り下げ、10月に実施された銀聯カードの引き出し規制の後押しもあり、年末の相場の上昇に拍車をかける格好となった。

ご存知と思うが、ビットコインは取引もマイニングもほぼ中国勢の動向に左右されていると言っても過言ではない。

ついつい米国の動向に目を奪われがちだが、ビットコインの相場においては、引き続き、中国がどのように動くかで左右されよう。

 


いかがでしたでしょうか。次回は後編として、2016年の相場の動向について考えてみたいと思います。

この記事を書いた人

独眼流
独眼流
さすらいの仮想通貨トレーダー。株式、FX、ヤフオクまで、トレードできるものならなんでも好物。安く買って、高く売るのが好き。