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米証券取引等監視委員会(SEC)は25日、「The DAO」で表されるDAOトークンが米国有価証券取引所法(1934年証券取引所法)の規制対象になる可能性があると発表した。「SEC Issues Investigative Report Concluding DAO Tokens, a Digital Asset, Were Securities」と題された報告書には、DAOトークンが証券の性質をもつ理由について、いくつかの着眼点が述べられた。

The DAOは中央の機関をおかない分散型投資ファンドとして昨年に登場したが、早々に大規模なハッキング事件により60億円相当を流出。イーサリアムをハードフォークさせる事態に至った。報告書によれば、SECはSlock.itを実質的な発行者とみなしその違法性を調査していたようだ。

大手金融機関で長年バーゼル規制等、リスク管理に携わった経験をもつ後藤あつし氏は、DAOトークンの実質的発行体および取引所が有価証券取引所規制対象となる点について以下の要点があると話す。

  1. DAOプロジェクトはファンドに近い性質があり、プロジェクトから、様々な投資先に投資が行われ、その利益配当がDAOへの投資家に分配される仕組みをもつ
  2. DAOプロジェクトは、自律的なDAO組織と言いつつも、運営者の強い関与があり、さらに個別投資先の選定は、キュレーターと呼ばれる役割の人が、一定の選別をして作成したホワイトリストが作成され、投資家は投票でその中から投資先を選ぶ
  3. 投資家は運営や投資先選定への自由度が少ないため、運営者による適切な運営、キュレーターによるホワイトリスト作成に、相当程度の期待をもつ
  4. 投資家は、投資先選定の投票権と、投資先からの利益配当権をもつ
  5. DAOトークンの購入は誰でも制限なく可能で、購入したトークンの二次流通市場での売却も可能
  6. 規制対象となる有価証券購入の払込は現金に限らず、仮想通貨等も対象になる

また、後藤氏は次のようにコメントする。

2の点で、ファンドマネージャーのいるファンド投資に仕組みが似ていること、4の点で、明確に投資家は利益配当への期待があることから個人的には単に仮想通貨の事前販売とは異なるファンド投資的な論点で語られています。利益配当のない、単なる仮想通貨のプリセールだけを行う場合、このペーパーだけからは規制対象有価証券になるのかも不明瞭です。日本においても利益配当を目的にDAOと似たような仕組みで行う場合、ファンド投資規制に該当するのではないでしょうか。

本報告書の内容はDAOトークンに限定されており、すべてのICOトークンに該当するわけではない。報告書はDAOトークンをクラウドファンディング契約と見做し、プリセールで販売されたトークンの経済的事実や実質的用途に基づき判断された。また、証券取引所法違反だけでなく、SECは未認可の取引に参加したとし、規制法上はDAOトークンの全参加者が証券法違反となる恐れがあると述べた。SECは、しかしながら「事実や状況を考慮するに、参加者への罰金や捜査は行わない」とし注意喚起を行うにとどまっている。


SEC.gov
Report of Investigation Pursuant to Section 21(a) of the Securities Exchange Act of 1934:The DAO(PDF)

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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