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インド政府は仮想通貨に対する規制のフレームワーク作成に取り組む一方、自国で管理できる仮想通貨の発行も協議している。もし自国の仮想通貨発行となれば、法定通貨であるインド・ルピー同様、インド中銀(RBI)の管理下に置かれる。

インドではビットコインのネットワークを利用した支払い方法が徐々に浸透している。Unocoinはインドの大手ビットコイン取引所で、支払仲介事業も展開しており、商店などで顧客が商品代金を支払う際のプラットフォームを提供している。同社報告によれば、顧客は30万人を超えたとのことだ。

インドでは昨年、1000ルピー札と500ルピー札の廃止が突如発表された。ATMなどが一時停止し、旧紙幣を新たな紙幣に交換しなければならなかった。旧紙幣廃止の影響は、市場に出回る80%の紙幣価値に上り混乱が広がった。

多くの給料は現金で支給されており、雇い主の現金が不足し、一時的に仕事に行けない人々が続出した。インド政府は現金で行われる経済活動はトラッキングや実態把握が難しいため、紙幣を排除し現金のデジタル化を目指していた。

ビットコインのような仮想通貨の最大のメリットは、非中央集権的にコンセンサス・ルールが決められていることだ。ビットコインは、2100万コインが供給の最大値で、マイニングによってのみ新規コインが発行される。またこのルール変更が簡単ではないところに価値がある。

その一方、各国中央銀行が管理する法定通貨は中央集権的に管理され、経済状況に応じてそのルールを変える。2008年の金融危機以来、各国中銀は量的緩和(QE)やゼロ金利やマイナス金利政策を実施し、それぞれの国の経済にお金を供給し続けてきた。また最近アメリカでは連邦債務上限の3ヶ月延期が決定され、政府の支出を抑える役割を果たしてはいない。中央集権管理下にある通貨は発行上限がなく、ある程度の制限はあるものの、事実上いくらでも発行できてしまう。

政府はインフレを起こすために、このような政策をとっている。物価が安定的に上がっていれば、消費を促すからだ。消費が増えれば経済がよくなり、税収も増えるという仕組みだ。物価の安定的な上昇は、未来に消費するより、今消費した方得だという心理を利用し消費を促す。さらに金利もほぼゼロであることから、貯金をするメリットも薄くなり、人々は無理に消費を強いられている状況だ。

物価の上昇はつまり、通貨の購買力の低下を意味する。ビットコインは自身が保持する通貨の購買力低下またはインフレ圧力に対してヘッジする力がある。このような通貨を使用する場合は、人々はもっと賢くお金を使うようになる。なぜならお金自体の購買力が上昇する可能性が高いからだ。例えば、2010年に1万ビットコインでピザを2枚買った人は今頃後悔していることだろう。

ビットコインのような非中央集権のメリットはルールの変更が容易でないことだが、デメリットでもある。セグウィット導入などのルール変更の際には、多くのノード参加者の賛同を得る必要があるからだ。これでは急な金融危機に直面した際は対応ができない。中央集権管理下の法定通貨などは、それに対応すべくQEのように通貨の発行量を増やすことが可能だ。しかしこの方法では正当な者が管理者であればいいが、悪い管理者であった場合、私利私欲のために経済がコントロールされる可能性がある。大雑把に言えば、日本では黒田日銀総裁、アメリカではFRBイェレン議長によって通貨の価値が左右される。

インド政府のように仮想通貨の発行を検討している国は多く存在する。しかし仮想通貨のどこに価値があるのかを理解し、またその価値を擬似しなければ仮想通貨を発行するメリットはない。仮想通貨の価値を疑似できなければ、それはただの紙幣のデジタル化で新たな電子マネーを発行することと変わらない。


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この記事を書いた人

真田雅幸
真田雅幸
decentralize システムに興味あり。仮想通貨リサーチャー。 大学で経済学を学び仮想通貨にフリーマーケットの可能性を見る。