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全米の弁護士で構成される統一州法委員会(ULC)は、2年間にわたるビットコイン州法を統一する作業を終了し、可決された最終法案を公開した。

米国では各州が個別に仮想通貨を規制しているため、州法間の整合性を求める声が上がっている。ULCはこうした事例で法的安定性を確保するために設置された非営利団体だ。実際にこのモデル法案を議決し州法とするかどうかは各州に委ねられる。

ULCの顧問を務める米国法曹協会のスティーブン・ミドルブルック氏は次のように語る。

多くの州が興味を示し、州法を制定せずにこの統一法案を待っている状態だ。この法案には積もり積もった需要がある。

法案作成にも関わったテキサス州、カリフォルニア州などが最初に採用するものとみられている。

モデル法案の内容は

同法案では、どの仮想通貨業務を送金事業とみなしライセンスを必要とするかをより明確に定義している。マイナー、ソフトウェアやウォレット開発者、キー復元サービス、ノード運用者などは、仮想通貨の授受に一部該当するため、これまで州法によってはグレーゾーンに当たり、各州の裁量に委ねられる場合があった。しかし同法案ではライセンス取得の必要がない。他人の仮想通貨をコントロール可能で、紛失・盗難の恐れのある事業だけが対象となるからだ。

また特徴として、ライセンスが3階層設定されている。個人や年間5,000ドル以下の規模である小規模事業者はライセンスが免除される。年間35,000ドル未満のスタートアップには「サンドボックス(砂場)」を提供し、一定条件を満たせば登録だけで暫定的に業務が開始できる。それ以上の規模の大企業はフルのライセンス申請が必要だ。

事業者は最低25,000ドルの資本を確保し、各州との合意や業務内容によってはそれ以上の資本を用意する必要がある。

なお、各州でライセンスを個々に取得する代わりに、どこかの州で取得すれば、同法案を採択した他の州でも簡単な申請で事業が可能となる。

反対意見も根強い

しかし、同法案に賛同する人たちばかりではない。

歴史的にみて同法案を全50州で採択するのは極めて困難のようだ。フィンテック関係の弁護士、キャロル・ファン・クレフ氏は、17年前に作成された送金事業者免許に関する統一法案を例にあげる。今回の法案と同じで、どこかの州でライセンスを取得すれば、他の州でも有効になるという内容だった。

17年前のこの統一法案は、現時点で10州しか採択しておらず、送金事業者免許の問題が解決したとはとても言えない。統一州法は万能薬ではないのです。

悲観論だけではない。同法案に対しては長きにわたり激しい反対運動が起きている。原因の一つは、同法案がニューヨーク州の悪名高き「ビットライセンス」に似ているからだ。2015年から施行されている同ライセンスは、巨額の申請費用や銀行ライセンスよりも厳しいといわれる取得条件によって、スタートアップばかりでなく大手取引所なども軒並みニューヨーク州から撤退させた前科がある。業界団体であるビットコイン・ファウンデーションの幹部、リュー・クラーセン氏は次のように語る。

ニューヨーク規制と同様の性格を持つこのモデル法案が採用されれば、全米におけるフィンテック産業の存在自体が危機にさらされるのは確実だ。

賛否両論が渦巻く統一法案。各州にどれだけ受け入れられるか、またフィンテック企業がどう反応するかが今後の焦点となるだろう。


coindesk
Uniform Regulation of Virtual Currency Business Act