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MUFGを含む金融機関・決済プロバイダ10社が新たにRippleの決済ネットワークへの参加表明や、日本国内の仮想通貨取引所bitbank.ccを含む取引所6社が新たにXRP/JPYの取扱を開始するなど、今年3月から50倍にまで急騰したXRPの価格を反映するようにRipple Inc.の快進撃が続いている。

BTCNは、日本仮想通貨事業者協会での講演のために来日したRipple Inc.のCTO、ステファン・トーマス氏への独占インタビューに成功。Ripple, Inc.の狙いやプロダクト哲学、オフレジャー決済への取り組みについて詳しく聞いた。

来日したStephan Thomas CTO(Ripple)と、廣末紀之CEO(bitbank)

来日したStephan Thomas CTO(Ripple)と、廣末紀之CEO(bitbank)

Q:数あるブロックチェーンプロジェクトの中には失敗したと言われるプロジェクトもありますが、なぜRippleは他の銀行系プロジェクトと比べて早く動けているのでしょうか。

ステファン・トーマス氏(以下、ステファン):全体として銀行の意思決定は遅く、ブロックチェーン・プロジェクトも例に漏れず、銀行とはゆっくりと交渉を進めていくことになります。決定を一つ下すにも、2年はかかります。単純にいえば、我々の現在のポジションは、我々がそれだけ早くから銀行との交渉プロセスについていたということです。ご存知のとおり、Rippleは4年前から金融機関とのリレーションシップに取り組み、アナウンスメントを重ねてきました。

そして我々は、現実的なユースケースを明確に定義し、プロダクト開発に臨んできました。他のブロックチェーンは、どちらかといえば実験的な色合いが濃く、手探りで進められているように感じますが、我々の場合はまったく別のアプローチを採用しました。すなわち、当初から銀行決済、特にクロスボーダーペイメントなど、エンタープライズ向けのユースケースに焦点を当てていたということです。我々のフォーカスは当初からぶれずに、金融機関との交渉プロセスにおいても目的を明確にしてきました。これが私たちのスピード感につながっているのではないでしょうか。

Q:ベリーナイス。次の質問ですが、XRP Ledger (旧名:Ripple Consensus Ledger)はブロックチェーンなのでしょうか。より簡単な質問にするならば、Rippleは「ブロックチェーン」をどのように定義しているのでしょうか。日本でも度々議論が起こる話題なので、明確にしたいと思っています。

ステファン:とてもいい質問ですね。なぜなら、私もずっと考えてきたテーマだからです。緩い定義では、XRP Ledgerはブロックチェーンだと言えるでしょう。パブリックな分散型台帳、単一障害点がなく、単一のバリデーターだけが悪意を持ったとしても、システム全体を破壊することがありません。

とはいえ、XRP Ledgerがブロックチェーンと異なる指向を持つことも確かです。ひとつは、「ブロックのチェーン」であるか。トランザクションを前のグループ(ブロック)と比較検証し認証するのがブロックチェーンです。平易に説明するのが非常に難しいので技術詳細を割愛させていただきますが、XRP Ledgerはこうした「ブロックのチェーン」構造をとることはありません。そして我々の別のプロダクトであるInterledger Protocolは、ブロックチェーン・フレンドリーである一方、決してブロックチェーンではなく、価値交換の「プロトコル」と位置付けられます。したがって、我々のプロダクトがブロックチェーンかという問いの答えについて、我々はビジネス&マーケティングの観点からブロックチェーンという用語を用いるものの、広義ではブロックチェーンであり、狭義では必ずしも言葉通りのブロックチェーンではないということになるでしょう。

Q:XRPは定期的に市場放出されていますが、どのような企業がXRPを調達しているのでしょうか?

ステファン:Rippleは数々のアナウンスでも明らかにしている通り、保有するXRPを、健全なマーケットを構築することを目的に、流動性を向上させるために、マーケットメイカーへのインセンティブの支払いとして使っています。その他に、機関投資家が直接Rippleの子会社(規制当局からライセンスを受けた子会社)から購入しています。それ以上は機密保持の関係もありここで発言することはできません。

Q:ここ数ヶ月、XRPマーケットは急激に価格が変動しましたね。XRPはステーブルだからこそブリッジ通貨になると考えられていると存じます。Rippleとして、今の状況をどのように俯瞰しているのでしょうか。

ステファン:私はあまり価格について意見を持っていないので、予めご了承ください。ただ、非常に興味深いことが今、ビットコインを含めたこのスペースで起こっており、たくさんの投資家からの注目を集めています。資産としてのファンダメンタルズ、暗号技術の発展、明確なユースケース、現実世界の需要。ユーザー体験にとどまらず、金融機関に期待されているXRPの領域という面において、非常に良いポジションにあると思います。銀行のユースケースにも、XRPは組み入れられています。公明正大にとらえても、デジタルアセット(仮想通貨)にとってとてもエキサイティングな環境になっていると思います。

とはいえ、現状、私個人としては投資に慎重になるべきだと思いますし、推奨はしません。なぜなら、デジタルアセット(仮想通貨)の中には、短期間に数倍の値動きが見られますし、非常にハイリスクだからです。ちょっと心臓に悪いですね。

そして我々のスタンスに関して言えば、特にマーケットの価格変動についてさほど意見を持っているわけではないのですが、投資家の皆さんが価格操縦を行おうとしないでほしいとは切に願っています。逆風にもなりかねませんし、市場参加者の減少にも繋がりかねません。価格の乱高下に関しても同様です。我々のXRP Ledgerは、ブロックチェーンによる便益を得たい企業や顧客のために、トランザクションをより早く処理するために作られています。XRPの決済スピードはBTCよりも遥かに速く、これが結果として取引所間の価格差をなくし、ボラタイルな価格を抑制する効果も期待できます。なので我々は価格変動についてあまり気にしていません。

Q:Rippleの取り組みにおいては、オンレジャーだけでなくオフレジャー決済も拡大させようとしているように見受けられます。なぜオフレジャーへの取り組みを進めているのでしょうか。

ステファン:複雑なユースケースがあると思います。我々は最近、PayChanをローンチさせました。これはRippleのためのペイメントチャネルです。PayChanは他のブロックチェーンでのオフレジャー取引からも着想を得て開発されており、同等の機能を備えています。たとえば、少額決済がメインの個人のユーザーがXRPを使う場面を考えてみて下さい。Rippleではオンレジャーでも高速なペイメントが実現できますが、PayChanを使用すれば、オンレジャーの恩恵を受けながら更に高速で安価なネットワークを利用することができます。

そして、毎秒1000回を超える決済が行われるようになれば、現在のRippleはキャパシティを迎えることになります。これをスケールさせるためにも、やはりオンレジャーだけでなくマイクロペイメントチャネルの技術を用いたオフレジャー決済も併用する必要があるでしょう。

Q:PayChanはInterledger Protocolを使用した技術でしたね。では、Interledger Protocolに関して、将来的にどのようなユースケースを構想されているのでしょうか?

ステファン:なぜ我々がInterledger Protocolを構築しようとしたか、という質問ですね。ご存知かと思いますが、2年前、我々は通貨の発行とトレーディングを担うゲートウェイ(Gateway)に取り組んでいました。そしてブロックチェーンに関わる人々からすぐに学んだのは、必ずしも誰もがXRP Ledgerを通じて決済を行いたいとは限らないということでした。例えば、「Rippleでアセットの発行もできますよ」と提案しても、「いいや、なんで俺たちのブロックチェーンを使わないんだ?」と返されることもありました。

同様に、金融機関においても必ずしも誰もがRippleを通じて米ドルを送金するわけではありません。金融機関から見れば、プラットフォームをスイッチするだけでも膨大なコストが必要になりますから。その他にも使わない理由はいくつかあります。他のユースケースにも活用したい、より早い決済スピードがほしい、より高い透明性がほしいなどです。複数の目的を達成するには別の設計とアプローチが必要になるため、我々はひとつの分散型台帳ですべてのニーズを満たすことは難しいと考えています。完全にトレードオフの関係にあると言えるでしょう。

そして我々は更に、分散システムにおけるコンセンサスの不可能性問題も解決しなければなりませんでした。そこで我々が着目したのは、インターネットです。インターネットのビジョンは情報からお金を生む方法を確立しました。インターネットは情報の流通経路を変え、情報自体のあり方すら変えました。インターネットのコンセプトを一言で言い表すと、「グローバルネットワークを作るわけではない。ネットワークのネットワークをつくろう」というものです。抽象的なネットワークの上に多層のオーバーレイネットワークが構築されます。そして我々は、世界中の金融システムがそれぞれ異なる台帳間で通信し、お互いにトランザクションを送り合うことのできる分散型プロトコルが作れるのではないかと気が付きました。それがInterledger Protocolです。

近い考えにSWIFTがありますが、SWIFTは楽観的なエグゼキューションに依存しています。たとえば私があなたを通して日本の友人に100ドル送金しようとした時、あなたの口座に残高がなかったため、送金は失敗します。この場合、私のお金はあなたの口座に到達した後、滞留したままになってしまいます。現行の金融システムの問題点は、このようにエスクローを行う場合、中央に非常に大きな信頼を必要とすることです。

Interledger Protocolでは仲介者に信頼をおかず、暗号理論的に保証された仕組みで決済がされるため、安全にエスクローできます。もしInterledger Protocolが成功すれば、途轍もなく大きな影響を市場に与えることでしょう。すべてのマーチャントは誰もがより早く、安全なお金の移動手段を得ることができるようになります。

最後に、XRPはあらゆるお金の移動のための最高のブロックチェーンです。多くの金融機関が単純な興味だけでなく、XRPを活用し巨大なリクイディティを作ろうという動きが顕在化しています。実際、金融システムはもっと効率的になるべきです。そしてInterledgerは金融機関も含め、よりXRPへのアクセスをしやすくするためのソリューションです。それだけでなく、たとえばXRPとビットコインをつなげることも可能なのです。

<聞き手> ジョナサン・アンダーウッド(ブロックチェーン大学校校長)
<原案・編集> 山崎大輔(BTCN編集長)


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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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