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Blockstack社の共同創業者であるMuneeb Aliは最近、中央管理型インターネットの問題とインターネットの本来あるべき姿について自身のブログで語った。Blockstackは分散型インターネットの実現を目指す企業の一つだ。

分散型インターネットとは

Blockstackの定義によると、分散型インターネットとは「ユーザーが仲介サービスやリモートサービスを信頼する必要がないインターネット」のことだ。

FacebookやGmailなど、インターネット上のあらゆるサービスがサーバー上で実行される、いわゆるリモートサービスだ。ユーザー情報はサービス提供者が管理するデータベースに保存されるため、ユーザーは複数のデバイスから同じサービスを受けることができる。

リモートサービスは便利である一方で、問題もある。ユーザーは、自身の個人情報やコンテンツをサービスを提供する企業のコントロール下に置かなければ、サービスを利用できないのだ。でなければ、現在の多くのサービスは利用できない。

つまりサービス提供者を信頼しなければ、ユーザーはサービスを利用できない。これはユーザーにとって不利な状況だと言えよう。なぜならユーザーは、サービス提供者が自分のデータをどのように扱っているかを知ることができないからだ。ユーザーはサービス提供者が「良い人、良い企業」であることを信じるしかない。

分散型インターネットとは、このような第三者への信頼を不要とし、代わりにブロックチェーンを代表とする数学や暗号技術への信頼に置き換えたインターネットのことだ。

「Don’t be evil.」では足りない

現在のインターネットは特定の団体や企業への信頼によって成立している。たとえばGmailやDropboxなどのサービスは、Google社やDropbox社がユーザーのデータを自由に使用しないことが前提に成り立っている。ユーザーもサービスそのものや、サービス提供者であるGoogle社、Dropbox社を意識的に、または無意識に信頼しているからこそサービスを利用できる。

しかし、サービス提供者は、ユーザー情報やユーザーが作成したコンテンツを自由に扱う権限を持っていることを忘れてはならない。

今年8月、米ドメイン登録事業者のCloudflareはネオナチ(ナチズムを復興しようとする運動の総称)のウェブサイト運営者のアカウントを強制的に停止した。同じく米ドメイン登録事業者のDreamHostは、司法省からトランプ大統領を批判するウェブサイトにアクセスする人のIPアドレスを要求され、断っている。Aliは以下のように述べている。

ここでのポイントは、こういった状況になったときに正しい判断ができるかどうかではありません。特定の人や会社が、そのような決断を行う権限を持つべきではないということです。

ユーザーの個人情報やコンテンツをコントロールする権限は、本来ユーザー自身にあるべきなのだ。

インターネットは「Can’t be evil」になるべきだ

Googleは会社の行動規範に「Don’t be evil.(悪いことをしない)」を掲げている。これはインターネットを信頼できるものにするために、Googleが創業当初から掲げているものだ。それに対しAliは「Can’t be evil.(悪いことができない)」であるべきではないだろうか、と主張する。

インターネット企業は「悪いことをする、しない」を選択できる権限を持つべきではないということだ。

「悪いことができない」インターネットでは、企業などの「第三者」への信頼を「暗号技術と数学に裏付けられたセキュリティ」への信頼に置き換えることになる。

実現できるのか

実際に分散型のインターネットを実現することは可能なのだろうか。Muneeb Aliはすでに利用可能なシステムが存在し、「机上の空論ではない」と語る。

例えば、分散型ドメインネームシステムであるBNS(Blockstackで使用される)、Namecoin、ENS(Ethereumで使用される)。そして分散ストレージシステムであるGaia(Blockstackで使用される)やSwarm(Ethereumで使用される)、IPFS、Storj。さらに、ブロックチェーン技術を活用したブラウザであるBrave、Blockstackブラウザ、Mist。

いずれも何らかの形で第三者への信頼を排除した分散型システムだ。すでに実用化されているか、実験的にサービスを開始している。

シリコンバレーでイノベーションが生まれる理由はチャレンジ精神に溢れた雰囲気と、そこに投資を行うエンジェル投資家の存在がひとつの理由だと言われている。ビットコインやイーサリアムを代表とする分散型システムは注目を集めており、ベンチャーキャピタルやICOによる資金流入も多い。Blockstackは分散型アプリケーションの開発を行うスタートアップをサポートするために、2,500万ドル規模のファンド「Blockstack Signature Fund」を立ち上げている。分散型インターネットや分散型アプリケーションが発展する環境は整いつつあるように思う。


Muneeb Ali – Medium

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