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福岡発のIoT×IoMスタートアップ、Nayutaが、パブリック・ブロックチェーンを使ったNFC即時決済技術のプロトタイプを完成させた。

前提技術となる双方向マイクロペイメントチャネル(Bi-directional Micropayment Channel)、HTLCs(Hashed Timelock Contracts)を使うため、ビットコインのテストネット環境が採択されたようだ。

公開されたデモ動画では、Rasberry Piに接続されたNFCモジュールにスマートフォンをかざし、検知されると数秒で決済が完了する様子を見ることができる。声明によれば、クライアントとハブの実装はライトニングなど既存の実装を用いず、Nayutaが独自で開発したとのことだ。

一般に言われるビットコインの問題(とされている)点として、ブロックサイズと承認時間の制約が挙げられる。ビットコインのプロトコルは、取引を送信してから問題なしと判断されるまでに10分以上待たされる上、その10分間に処理可能な取引数を1秒間にならすと、7取引/秒ほどしか処理することができないためだ。

しかし、これはコンセンサス層(ブロックチェーンであり、オンチェーンとも呼ばれる)の制約で、ビットコイン・プロトコルの制約ではないことに注意したい。

マルチシグを用いることで、オフチェーンで高速な取引を実現する一方向ペイメントチャネル。期限を設定することで自動的な払い戻しが可能となるCHECKTIMELOCKVERIFY。これらを組み合わせることで、受取人を信頼せずとも、チャネルを一つだけ開けば双方向のマイクロペイメントチャネルを実現できる。しかし、これだけではユーザーが当事者同士でペイメントチャネルを開く手間が必要になり、普及のためにはさらに一歩進んだテクニックが要求される。

Nayutaの今回のプロトタイプの肝は、HTLCsを利用している点だ。

HTLCsは正式にはHashed Timelock Contractsと呼ばれており、取引の中継を行うノードを信頼せずに、安全なエスクロー取引を実行することができる。これを用いることで、ユーザー同士が直接取引のためのペイメントチャネルを開く必要がない。つまり、Nayutaに対してのみチャネルを開けば、それを利用するユーザー全体でチャネルを利用できるようになる。

しかもユーザーの仮想通貨は、ユーザーがコントロール出来る状態でだ。マルチシグへのデポジットは必要に応じて行う必要があるが、プロトコル自体が払い戻しを保証していてくれる。これが実用化されると、たとえば店頭の支払いや、受け付けが不要なワーキングスペースの貸出などのユースケースも現実的になる。

Nayutaは、電源ソケットの持ち主が利用者に対して日時を限定して使用権を付与することができるプロトタイプハードウェアを2015年末に発表しており、IoTを主眼においたプロダクトの開発に注力してきた。今回の声明において、プロトタイプは「OpenAssetsプロトコルにも応用可能」としており、パブリックなブロックチェーン上であらゆるバリューを移転する装置として利用できるようになると考えられる。そうなれば、あらゆるIoTデバイスに対してスマートフォンでリアルタイムに決済できる。そのような未来も見えてくるだろう。

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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