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新年あけましておめでとうございます。

旧年中は、本コラムをご愛読いただきましてありがとうございました。

本年も少しでも読者の皆様にお役に立てるよう、更新していきたいと思いますので、宜しくお願いいたします。

さて、今年の相場を展望するにあたり、本年も昨年に続き、本日は前編として、昨年の相場の振り返りから始めたいと思います。

 

昨年のビットコイン相場まとめ

ビットコイン 年間パフォーマンス 430$ → 953$   +121%

月騰落率

主なイベントやニュース

1月 430$ 366$ -14.9% マイク・ハーン・ショック
2月 366$ 436$ 19.1% 金融庁貨幣認定報道、MUFGコイン
3月 436$ 413$ -5.3% Ethereum homesteadリリース
4月 413$ 448$ 8.5% bitflyer30億円調達、日本取引所グループ実証実験
5月 418$ 532$ 27.3% グレイグライト氏 satoshi nakamoto説
6月 532$ 675$ 26.9% 英EU離脱、The DAOハッキング事件
7月 675$ 620$ -8.1% 半減期到来、ethereumハードフォーク
8月 620$ 571$ -7.9% bitfinexハッキング事件
9月 571$ 607$ 6.3% 日銀 総括的検証
10月 607$ 697$ 14.8% Bitcoin core 0.13.1リリース (segwit)
11月 697$ 740$ 6.2% 米大統領選、インド高額紙幣廃止
12月 740$ 953$ 28.8% 金融庁「仮想通貨交換業者に関する内閣府令」

 

独眼流 ビットコイン年初予想結果

ビットコイン相場の値動きに関しては、年間を通じてイメージ通りで、(結果としては)ほぼ完璧と言っていいくらい的中できたと思う。

自身のトレードにおいても、結果としては、年間約1000%のパフォーマンスであったが、上期はロスカットを食らったケースもあり不満が残ったが、下期のトレードで上期の失策を挽回できた。

昨年に関しては、個人的には、予想しやすい年だった、ことが主要因であったと考えており、すべて見通すことができていると過信しているつもりは全くなく、ある種の幸運だったと思う。

 

予想

結果

通年 年間を通じて強気  1BTC=1000$を突破する可能性も十分にある +121%
1〜3月 昨年からの上昇の反動で、軽い押し目を形成(400$割れ) 安値351$
4〜6月 半減期の到来が意識されはじめ、それを先取りする形で相場は強い動きとなる(600$トライ) 高値777$
7〜12月 スケラービリティ問題に一定の解決が見出され、相場はさらに強気へ(1000$トライ?) 高値979$

 

2016年度ショートコメント

2016年度は、総じて、ビットコインをはじめとした仮想通貨、また仮想通貨の主要技術であるブロックチェーンが多いに注目された年で、産業勃興の元年と言っても過言ではない年だった。

 

<仮想通貨/ビットコイン>

世界的に、ベンチャーの勃興、リスクマネーの流入、利用者の増大、価格の上昇、などの理由によって、多いに注目度が高まった。

価格上昇の主な要因は、ビットコイン主要国の中国において、人民元安に伴う資本流出の受け皿的な要素が大きかったと思われ、マネーフロー面では多大な追い風があったが、一方、ビットコインの本質的課題(スケーラビリティなど)に関しては、本質的に改善しておらず、ガバナンス面やアプリケーションレイヤーでも課題が山積しているように思われる。

また、世界的にビットコインをはじめとした仮想通貨全般に、確信犯的な詐欺まがいの行為、ポンジスキームが横行しており、多くの一般人が巻き込まれ始めていることも不安要素の一つ。

一般人が利益に目がくらみ、よく理解せずに資金を出す局面はロクなことが起こらない。(ほぼ例外なく後悔する結果となる)

 

<仮想通貨/オルトコイン>

前半はethereumの価格高騰や他のオルトコインの登場などによって、注目度が高まったが、THE DAO事件によるethereumのハードフォークを契機に信任が低下、一部のオルトコインを除き、後半は惨憺たるパフォーマンスであった。

実績もなくホワイトペーパーのみで多額の資金調達が可能になっている現状はバブルの要素があり、注意が必要であろう。技術的に光るもの、コンセプト的に斬新なものも中にはあるが、「実際に」プロダクトとして成立、発展するかは、その後の経過を注意深く見る必要があり、ICO時(つまり事業計画、プリプロダクト段階)に期待のみで多額の資金が集まる今の状況には違和感が残る。

筆者は、ethereumの時価総額が1000億円に達した段階でバブルであると認識し、ほぼ高値圏でICO時の保有ethereumを全て売却、結果4000%のパフォーマンスを達成することができた。

 

<ブロックチェーン>

昨年は、世界的に、ビットコインの主要技術である、ブロックチェーンの実用化に向けての活動が盛んに開始された年であった。

もっとも注目を浴びたのは、金融領域での適用を目指す米R3であり、世界の主要金融機関が、そのネットワークへの参加表明を行ったが、金融領域以外にも、様々な産業分野で、その応用が検討され始めている。

よく間違われて表現されるが、「ビットコインは、ブロックチェーンの初のアプリケーション」ではなく、「ブロックチェーンは、ビットコインを動かすために作られたデータ構造」であり、ビットコインの発明が先で、ブロックチェーンの発明が先ではない。

したがって、筆者はブロックチェーン自体は面白いと考えているが、既存の産業特有のルールや構造に適応させようとすると、生み出された前提の違い、構造の違い、産業エコシステムの違いなどの理由で、様々な誤謬が生じる可能性が高く(例えば、ファイナリティ議論もその一つ)、適用の為には、相応の時間と入念な検証を要する。

ブロックチェーン産業の動きと、ビットコインの相場には、ほとんど相関がなく、目指しているところが違うため、別物として捉えるべきであるが、ブロックチェーン産業の発展は、結果としてビットコインなどの仮想通貨の利用機会を増やすことにも繋がる可能性などがあり、その発展には大いに期待したい。

 

独眼流が振り返る2016年の4大相場イベント

 

第4位 金融庁貨幣認定

参考記事:http://btcnews.jp/jpfsa-ruling-bitcoin-as-money/

昨年2月24日 日本の金融庁はビットコインを「貨幣と同様」な扱いとして、その支払い決済に関して合法とし、またそのかかる消費税も不課税とする方向性を打ち出した。

この方向性は、世界的に見れば「寛容な」措置であり、ポイント、電子マネーなどの仮想的なマネーが発展しており、FXなどの通貨取引の盛んな日本は、世界的に見て仮想通貨の利活用が行いやすい前提がさらに高まったと考えられる。

新しい技術は、通常、過剰反応が起き、米ニューヨークのビットライセンスのように過剰規制になりがちだが、日本は、交換業(取引所など)の規制以上の事はせず、おおよそ容認姿勢をとったわけで、新技術の対処、という意味では、正しい対処をしたと考えられる。(敵か味方かの判別は、現時点ですべきではない)

大局的に見れば、資金の流れを把握し、徴税・ガバナンスを強化したい国家と、仮想通貨という武器を手にし、国家管理、監視を避けたい企業や個人のマネーの溝は拡大しており、両者は今後どのような攻防を繰り広げるか。今年も世界的にこの攻防は続くと思われ、日本だけでなく、世界の国家の仮想通貨に対する規制動向からは目が離せない。

 

第3位 THE DAO事件

参考記事:http://btcnews.jp/why-ethereum-do-not-action/

THE DAOとは、「ethereumネットワーク上のアプリケーションに対する分散型ファンド」というコンセプトで、独slock.itが中心となり、組成された。

このファンドはそのコンセプトの斬新さから、史上最高の約150億円を調達するに至り、広義のクラウドファンディングの調達記録をアッと言う間に塗り替えてしまったわけであるが、直後の6月17日に、THE DAOのスプリット機能を利用して、約360万ETH(当時の日本円換算で約43億円)分のethereumがハッカーによって凍結されてしまう事件が起きた。

この事象で損害がでた場合は、本来、投資家の自己責任、という類のものであるが、筆者が問題にしているのは、ethereum自体に問題がなかったにもかかわらず、投資家の救済のために、(β版とはいえ)ethereum自体がハードフォークを実施したことだ。

筆者もethereumのICO時には、そのコンセプトの斬新さから投資を行ったわけだが、あくまでパブリック型のネットワークであり、ビットコインのような自立分散型の発展イメージを持っていた。

しかしながらそのハードフォークは、ethereumの提唱者vitalik氏を中心に短期間で意思決定され、分散型のコンセプトとは違い、極めて独善的、中央集権的な意思決定スタイルとなったわけだが、本現象はプロジェクトの根幹前提条件を覆すものであり、ethereumはいわゆるパブリックネットワークではないことを露呈した。(その後のethereumの価格推移を見れば市場の失望は明らか)

ビットコインは、Mt.Gox問題が起こった時でも、ハードフォークをせず、そのブロックチェーンの一貫性を維持してきたわけであるが、この問題は非中央型分散ガバナンスの難しさを、改めて提示した教訓であった。

 

第2位 半減期の到来

参考記事:http://btcnews.jp/bitcoin-halving-soon/

昨年7月10日(日本時間)に、ビットコインのオリンピックとも呼ばれる、半減期が到来した。

読者はよくご存知と思うが、半減期というのは、約4年一度(210,000ブロック毎)、ブロック報酬が半減する新サイクルに入ことを指す。(今回は、25BTC/ブロックから、その半分の12.5BTC/ブロックへ半減)

一般論として、供給と価格の関係から、「供給が減るのであれば、希少性の観点から価格は上昇する(はず)」という期待が起こるのだが、予想通り、5月あたりから半減期の到来が意識され始め、価格の上昇要因となった。(前述 昨年のビットコイン相場まとめ 5、6月 参照)

そのパフォーマンスは、前回の半減期の時ほどのパフォーマンス(約2倍)とはならず、約60%程度であったが、昨年の相場の大きな上昇要因であったことは間違いないであろう。

予測というのは本来大変難しいが、この半減期のように、将来確実に起こるイベントを意識してトレードをすることは勝率が高い。

2020年には、再びこのチャンスが訪れるので、昨年の半減期に起こったことをしっかりと記憶しておいてほしい。

 

第1位 年間を通じた人民元安と資本流出

スポットのイベントではないが、年間を通じてビットコインの相場の最大の原動力となったのが、この人民元安に伴う、資本流出問題だ。

この流れは、一昨年の8月に実施された人民元の切り下げ以降、継続して起こっている現象で、経済の立て直しを図りたい中国当局が人民元安の誘導、容認を行っていくであろう、との憶測で、昨年は年間を通じて人民元は対ドルで下落した。(下落率は6.6%、管理変動相場制移行以降、最大)

一方、その副作用で、人民元安を嫌気する中国国内のマネーは資本流出という形で、国外に移転するという流れが加速した。

中国当局は、年間5万ドルの外貨両替規制だけでなく、抜け穴となっていた銀聯カードの利用制限、また外貨両替調査など、様々な規制を加えて行ったが、現状では、まだ抑制しきれている状況にはなく、その額は、公式統計よりも多額であるというのが、コンセンサスとなっている。

この資本流出の受け皿の一つにビットコインがあり、その価格の上昇の最大の原動力となったと考えられる。

現状、中国でのビットコインは、金融機関の取り扱いは禁止されているが、個人ユースの規制はされておらず、他の手段と比較するとはるかに利便性が高い。

特に、12月に起こった急激な価格の上昇は、外貨両替規制の期限が切れる年度末までの駆け込み需要と考えているが、年初から改めて両替額5万ドルがリセットされることを鑑みると、年初しばらくは、この需要が継続する可能性がある。

 

 


いかがでしたでしょうか。次回は後編として、2017年の相場の動向について考えてみたいと思います。

この記事を書いた人

独眼流
独眼流
さすらいの仮想通貨トレーダー。株式、FX、ヤフオクまで、トレードできるものならなんでも好物。安く買って、高く売るのが好き。