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記事番号 012

ビットコインはまだ登場間もない仕組みであるが、ここではその歴史をまとめてみたい。

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ビットコインは2008年のナカモト サトシによる論文公表から、2013年までは一部のコアユーザーが知っている傾向が強かったが、2014年になると大きく状況が変化してきた。アメリカを中心にではあるが、有名企業による決済手段としての導入や、関連ビジネスの起業が相次ぎ、一般化へ大きく向かいつつあるという印象を受ける。

2008年のナカモト サトシの論文公表から数年でこのように大きく育ちつつある要因としては以下のようなことが考えられる。

  1. 従来なかったアイデアであり、革新性が非常に高く、ITや金融の専門家には非常に大きな可能性があることが理解できたこと
  2. 人の移動、モノの移動、そしてインターネットにより情報の移動の自由化が行われ、最後に残ったお金の移動の自由化が、ビットコインに代表されるアイデアで実現されるのではという機運が高まっていること
  3. 高い参入障壁に守られ変革の足が遅く、金融危機時は保護される金融業界に対し、人々の不満が高まり、利用者にとって利便性の高い金融サービスが望まれていること

日本におけるビットコインは、2014年2月のMt.Gox交換所の破綻によりマイナスの知名度が高まったものの、その後6月には自民党IT戦略特命委員会からガイドラインが公表されるなど、今後大きなビジネスに育つ可能性のあるイノベーションの芽を育てようという流れもあり、2014年中盤からは続々と関連ビジネスが登場してきている。

次は価格の推移を見てみよう。

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ビットコインの価格は2013年までは低位で推移していたが、2013年後半から突如として急騰、11月末から12月初旬には1,000ドルを超えるまでになった。

この急騰の要因としては、外貨管理の厳しい中国において、人民元からの資産の逃避先としてビットコインが注目を集め、中国人による買い需要が急増したためだと言われている。その後しばらく急落と急騰を繰り返すが、これは中国においてビットコインが規制されるという噂とその誤報報告が流れることによる売りと買いの殺到が要因とされている。

2014年2月にはMt.Gox交換所破綻による影響もあったが、ビットコインの相場は最大保有層である中国人の動向に大きく左右されてきたと言えよう。

2014年中盤以降は、価格は低下を続けており、9月末から10月初旬は350ドルほどになっている。円換算ベースでは、2014年10月12日時点では1ビットコインは3万8千円、市場規模5,180億円、1日当たり取引量11億円程度の状況(1ドル107円で換算、http://coinmarketcap.com/currencies/bitcoin/#markets)。

この時期は特に大きな下落要因となるニュースはないが、以下のようなことが原因と言われている。

  1. ビットコインの普及が進み、店舗が決済時に支払いを受けたビットコインをドルなどに交換する必要があるため、売り圧力が傾向として大きくなってきている
  2. ビットコインの先物取引も登場してきており、トレーディング目的による大口の先物売り圧力がある

特に (1.) の要因による価格下落は、ビットコインの普及が進んでいる証であり、むしろ歓迎すべき事象であろう。なお、本当にビットコインが普及した場合は、受け取ったビットコインをそのまま別の支払いに使用することもできるようになるため、売り圧力だけが大きくなることはないだろうと言われている。

今後の価格の動きについては、ビットコインはまだ普及には至っていないため、一部参加者の大口取引や、中国人利用者の動向で、しばらくは相応に大きな価格変動を繰り返していくと思われる。そしてその後広く普及し参加者が増えるに従い、価格変動は一定程度の水準に落ち着いて行くと考えられる。

 

NEXT: Mt.Gox交換所の破綻とは何だったのか

 


資料 – ビットコインについて

この記事を書いた人

後藤 あつし
大手金融機関における市場リスク管理、信用リスク管理、流動性リスク管理、バーゼル規制対応等の長年の経験を有する。ビットコインおよびその技術であるブロックチェーンについては初期の頃から金融イノベーションに繋がる可能性を感じ調査・研究を行うとともに、主に金融の側面から関連事業者・団体への助言、各所記事や資料等の作成サポート、BTCNへの寄稿なども行なっている。

連絡先 gotoa123tアットマークyahoo.co.jp