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今週のフォーブスで、フェリックス・ウェイスというビットコイナーの男性の記事が反響を呼んでいる。彼は2012年にビットコインを知り、その可能性に魅せられビットコインを広める活動を行ってきた。そんな彼が2015年1月にある決意をし世界を旅に出ることにした。その決意とはビットコインだけを使って旅をすることだ。

フェリックス氏は1年半の旅で次の3つことをルールとした。ひとつ、食料品や宿泊は可能な限りビットコインで支払うこと。ふたつ、クレジットカード決済やATMを使った現金の引出しをしないこと。みっつ、現金の調達は現地人と直接ビットコインで交換すること。これらの制約は、インターネットとビットコインだけで、一人の人間がどこまで生活できるかを試すための旅には必要だった。

まず、食事はビットコインが利用できる店舗がマッピングされたCoinmapを使い探した。ホテルと飛行機代は、ExpediaとCheapAirを使って手配したため、すべてビットコインで支払いを済ませることができた。幸運なことに、これらは率先してビットコイン決済の採用を受け付けた企業だった。そして、現地ではビットコインをP2Pでマッチングし取引ができるLocalBitcoinsを使い現地人を探した。

フェリックス氏がまず、母国のルクセンブルグから向かった先はキューバだ。そして、現地で生きるための最小限の現金を調達するため、ビットコインを購入したいという男性に会い、衝撃を受けたという。キューバには殆どといっていいほどWifiがなく、1時間2ドルで購入する必要があったのだ。キューバ人の平均月収は24ドル。Wifiに接続するために月収の1割弱を支払う必要がある。無料のWifiが無いという点では日本でも同様だが、「ビットコインを使うにはインフラが整っていない」。彼は改めてそう思ったという。ビットコインの利用にはインターネットへの接続が不可欠だ。後進国からビットコインが広まっていくという期待が先進国で広まっているが、現実は程遠い。

フェリックス氏は、旅先を決める時は1日ほどかけビットコインが使える場所をリサーチしてから出発するようにしていた。ビットコインのコミュニティがなかったり、CoinmapやLocalBitcoinsのリストに載っていない都市にはいかなかったという。世界には推定で1200万人ほどのビットコイン人口しかおらず、その大半が欧米のユーザーであるから、ポケモンGOのように道すがらすれ違った相手がビットコインを知っているということはないため重要だ。そして2015年6月、ギリシャ危機の際にはニュースを聞き、ギリシャに配置されたビットコインATMの使い方を教えに赴いた。ギリシャは60ユーロの引出し規制を実施していたため、現地のギリシャ市民からは大いに喜ばれたという。

そしてこの旅で最も過ごしやすかった都市は、やはりアメリカのサンフランシスコだった。シリコンバレーは、新しい技術を取り入れるのが世界で一番早い。曰く、多くのレストランやホテルでビットコインを使うことができたし、物流インフラの整っていたため、Gyftを通じて商品券をビットコインで購入し、使うこともできた。サンフランシスコは商品券などの飛び道具は使うものの、世界で唯一ビットコインで不自由なく暮らせる地域だというわけだ。今回の旅では27カ国50都市を訪れており、フェリックス氏はビットコインで世界旅行ができることを証明した。旅行期間中ビットコインの相場が200ドルから640ドルまで上昇したため、正確な旅費の合計はわからないとのことだ。

後日、フェリックス氏は旅すがらスタートアップへと行なったインタビューの模様を自身のブログでアップするとのこと。「人が認めるのであれば、何でもお金である」とはフェリックス氏の弁だ。たとえ国や政府が認めないものであっても、取引相手の需要と供給がマッチすれば取引は成立する。彼から言わせれば、ビットコインは既に世界共通の通貨だったわけだ。

Forbes