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ビットコインは、ドルに対し長期的な下落を見せている。これはビットコインのエコシステムに関わるすべての人々へ少なからずの不安と、一部のビジネスに致命的な影響を与えている。

ビットコインの過激な価格変動は2014年に▲66%、2015年に入ると早くも▲50%という過酷な状況に陥った。多くのマイニングサービスは2013年のボーナスを経て新規に設備投資を行ったが、今日までに▲85%の下落となり、このままでは投資資本の回収は困難に近い。

ビットコインのマイニングに掛かる電気代、ASIC、土地や賃料などを合わせると、8月の時点で1BTCあたり375ドルの価値が必要だと言われていた。これを考えると、9月の時点で多くのマイナーはビットコインの採掘で得られる利益よりも、維持費の方が大きい期間が続いていたということになる。

2日間で▲39%の下落、マイニングビジネスの破綻が起因か

2015年のスタートは、いくつかの悪いニュースが際立っていた。ひとつはビットコイン取引所Bitstampのハッキング被害。ひとつはCEX.ioのクラウドマイニングサービスの操業停止。そしてマイニング機器を製造するCoinTerraの債務不履行だ。

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オーバービュー

CEX.ioのクラウドマイニングサービス一時停止

公式発表によると、CEX.ioはビットコインの価格低下だけでなく、採掘難易度(Difficulty)の上昇により、クラウドマイニングから利益を出すことが難しくなったと述べている。CEX.ioはプランの練り直しを行い、効率的なサービスを提供出来るようになれば再開する予定とのことだ。

CoinTerraデフォルト

今週月曜日、C7データセンターがCoinTerraに対し、140万ドルの未払金があることを理由に訴訟を行っていたことが明らかとなった。損害賠償請求は500万ドルに達するという。これに対しCoinTerraのCEO Ravi Iyengar氏はC7がCoinTerraのデータセンター運用を強制的に停止させたためデフォルトに陥ったと主張し、法廷で争う姿勢を見せている。これに伴い、CoinTerraは12月19日以来操業を停止している。

コミュニティは楽観的だが、懸念も残る

ビットコイン価格の低迷は多くのビットコイン信奉者にとってそれほど重要ではない。「最近の値動きについて懸念はしていない」と語るのは、12月に行われた米マーシャルサービスによるビットコインオークションで48,000BTCを手に入れたSecondMarket社のバリー・シルバート氏。ビットコインを長期保有する人々にとっては、ビットコインのターゲットは10万ドル以上となる。また、ビットコイン決済を採用するマーチャントも相場とは無縁なままでいられるだろう。

しかしながら、懸念がないわけでもない。価格の低迷はマイニングビジネスの淘汰を促進し、淘汰が進むことでマイナーの寡占が起こる。これは51%攻撃の可能性を持たせることに繋がり、ビットコインの重要な分散性を損ない、信用を失墜させる恐れがある。

また、マイニング産業の淘汰が進みビットコイン採掘に関わる人々が減ることにより、ビットコインの柔軟性に欠ける採掘難度調整が足かせとなり、ビットコインネットワーク全体に不便をもたらす可能性がある。つまり、主要なマイナーが撤退に追い込まれることによって、採掘難度に対しネットワークのハッシュレートが足りず、ブロックの認証が遅れてしまうことに繋がるということだ。

ビットコインを模倣した多くのオルトコインは、採掘難度を1ブロックごとに調整するため大きな不具合が起こらない仕組みとなっているが、ビットコインの採掘難度調整は2,016ブロック毎となる。これはおよそ2週間毎に変わる計算だが、単純に全体のハッシュレートが10%落ちると、ビットコイン取引の認証時間も11%近く伸びることになる。

幸いネットワーク全体のハッシュレートは伸び続けているため、現状ではビットコインの取引に影響が及ぶことはないため心配には及ばない。今後何が起こるかわからないだけに、注意深く見守る必要はあるだろう。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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