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ビットコインは通常、クローズドループ環境における企業発行のデジタル通貨とは対極の、オープンなドルや円など政府が発行する不換紙幣の代用品としてのインターネットマネー、あるいは投機商品、グローバル決済ネットワークとして見られています。これらはJoel Monegro氏が掲げるブロックチェインアプリ構造における分散プロトコル(ビットコイン)に直結した機能群です。

ブロックチェインは、オープンソースでP2Pの、第三者のいかなる干渉をも受けない価値の移動を実現するビットコインを誕生させました。しかし、これはブロックチェインアプリ構造の一面でしかなく、より下位のレイヤ -共有データ層- のブロックチェインと、ブロックチェインの機能を拡張するCounterpartyサイドチェイン、Ehthereumなどのオーバーレイ・ネットワークを用いることにより、通貨のみならず、財産や権利などありとあらゆるモノをインターネット上で保護し、移動することが出来るようになります。

ブロックチェイン技術も当然オープンソースであり、誰でもブロックチェインを解析し、情報の記録・閲覧が可能です。ブロックチェイン上に記録された情報は、一定時間が経過することで確定し、タイムスタンプと共に、攻撃によって破壊されない公共記録として永久に保存されます。

 

現状と問題点

私がこの技術から見た未来は、知的財産の保護です

知的財産にも色々あると思いますが、私が特に注目しているのは特許出願における先発明主義の復活です。特許出願には2種類の方式があります。ひとつは、先願主義。もうひとつは、先発明主義です。

先発明主義とはその名が示す通り、先に発明した人が権利を有し、出願の先後を問われません。利点は、機密情報の流出による権利侵害を防ぐことが可能であるということです。しかし、競合する出願が発生した場合、先に発明したことを証明するには、手書きのノートで詳細を適時記録している必要があり、更に、鑑定には10年、20年と非常に長い時間が掛かってしまい、その間発明技術を使用することも出来ません。

これでは、特許法の目的である技術公開による「産業の発達」を大きく阻害してしまうことになります。そのため現在では先発明主義を採用している国はなく、最近まで採用していたアメリカも2013年3月に先願主義へと移行しています。

一方で、先願主義は発明時期の先後にかかわらず、先に出願した者が審査を受ける資格を有しています。これは効率のいい方法ですが、最善手であるかというと、私はとてもそうは思えません。

私は、これをブロックチェインを用いることで解決出来ると考えています。

 

ビットコイン技術が解決しうるもの

Proof of Existence(存在の証明)というサービスを皆さんはご存知でしょうか。このサービスは、デスクトップ上のファイルをウェブブラウザ上にアップロードすると自動的にファイルがハッシュ化され、5mBTCを指定アドレスへ送信することで64桁のハッシュ値がブロックチェインに登録されます。もちろん、ファイルがサーバーにアップロードされることはなく、暗号化はクライアントサイドで行われるため、ファイルの中身が複製される心配はありません。

ハッシュ関数は同じ値の入力に対しては、常に同じ値を出力するようになっています。また、出力されたハッシュ値から入力された値を特定することは困難であり、ファイルの中身の一文字、バイナリデータの中身の0をひとつ1にするだけで、全く違う値を出力する仕組みです。これが意味するのは、データ改ざんを容易に判別可能であり、元のデータがあればいつでも同じデータであることを証明出来るということです。そして、ブロックチェインへとファイルのハッシュ値を記録することによって、初めて電子ファイルに時間軸の概念を付加することが出来るようになりました。

電子ファイル自体は、コンピュータの時間を弄ることで作成日時をいくらでも変更可能であり、たとえ10年前に作成されたファイルであっても、それを証明することは困難でした。しかし、不特定多数の意思によって監視されているブロックチェインに記録した時点で、その時にファイルがあったことを確実に証明することが可能となります。紙の記録でももちろん不可能ではないですが、膨大な量の書類の保管に加え筆跡鑑定・化学鑑定に掛かる時間を考慮すれば、時間面、費用面において大幅なコストの削減に繋がると断言出来ます。

こうして私たちは、ブロックチェインとハッシュ値の組み合わせによって、紙面の書類よりもTrust-lessな信用手段を得ることに成功しました。そしてこれは間違いなく、特許出願における先発明主義の復興に役立つと私は確信しています。

ブロックチェインはまさに、次世代インターネット革命です。ブロックチェインは、中央集権機関によって管理されるサーバーのデータベースよりもずっと強固なセキュリティを有しています。特許の他にも恐らく、これまで物理的、電子的な情報で、時間軸の証明が困難だった様々な問題を解決しうるものとして、ビットコインのブロックチェイン技術はの可能性はますます見出されていくことでしょう。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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