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9月25日、日本初上陸となるBreakthrough Summitが満を持して開催された。ビットコインを中心のテーマに据えたイベントとしては、7月のNCC2015に次いで二回目となる。ウォレットや取引所の基本講座から、規制動向およびビットコイン2.0などの最先端事例の紹介、ZaifのPermissioned ledgerを使った新プロダクト「mijin(微塵)」のお披露目など多岐に渡って行われた。

会場には250名余が集まり、その半数以上がビットコインを既に所有しブロックチェーンや2.0に関連する知識を持つ精鋭揃いのようだ。

最初のキーノート・パネルに登壇したのは加納裕三氏(株式会社bitFlyer代表取締役社長)、堀江貴文氏(SNS株式会社ファウンダー)、大石哲之氏(日本デジタルマネー協会理事)、ロジャー・ヴィア氏(エンジェルインベスター)の4名。加納裕三氏がモデレータを務め、仮想通貨の普及とビットコイン2.0の可能性についてディスカッションを行った。

ビットコインの可能性

はじめの議題となったのは「日本における仮想通貨の普及方法」について。日本は欧米諸国と比べ、仮想通貨関連技術への取り組みや普及が遅れていると言われることも多いが、如何にして遅れを取り戻し世界をリードする産業を作るかは日本全体の重要課題だ。

質問を振られた堀江貴文氏は早々に「仮想通貨はどうでもよくなっちゃった」と、ばっさり切り捨てるコメント。堀江氏の興味関心は通貨そのものとしての仮想通貨技術というよりも、インターネットによく似た新しい「価値」のインフラストラクチャとしてのブロックチェーン技術にあるようだ。堀江氏によれば、1960年代に実用化されたTCP/IPやUNIX OSの技術があり、マーク・アンドリーセンがNCSA Mosaicを作りはじめてインターネットブームが巻き起こったのと同様のことがビットコインにも起こっているのだという。

「ビットコインを支える技術というのも実はそんなに新しいものではなくて、パブリックキーのインフラストラクチャであったりとかP2Pのテクノロジーというのは昔からあって、少なくとも20~30年くらいの歴史がある。パブリックキーに関しては1960年代にできた技術で、それがブロックチェーンって概念ができて華々しくデビューしたんです。これをこう繋げたらこういう風になるんだねっていう。

それで一番最初にブレイクしたのがビットコインで、それが壮大な社会実験としてオープンに誰しもが自由に参加できるインフラストラクチャでありながら、6年前にできてそれが今でも落ちずに価値を創造し続けているっていうところに価値を見出しています。もちろんそれが仮想通貨の一部分を占めるというところもあると思いますが、私はそれ自体がインターネットを用いた決済のインフラとして使われるというところが関心事項としてすごく大きいです。」

堀江氏はさらに仮想通貨技術の普及が遅れている原因として、「技術に対する理解のなさ」を指摘した。P2Pのテクノロジーに関しては、既にビットトレントなどの具体的なアプリケーションが存在するためイメージがしやすいが、パブリックキーにはそれがなく何が出来るかわからないとのこと。「ビットコインのシステムはオープンでクラッカーの格好の的。取引所単体は頻繁にクラッキングされたりしてるけど、システム全体は落ちずにワークしている。これを閉じた金融インフラとかにそのまま持ってきたら革新的なことが起きるんじゃないかというところに将来性を感じています。」

普及の鍵

またロジャー・ヴィア氏は堀江氏のコメントに呼応し、ビットコインが普及するには子どもや老人でも使える、Eメールのような安全で簡単なウォレットアプリケーションが必要だと話した。インターネットでブラウザができて爆発的な普及が起こったように、インターネットにおけるEメールがビットコインであり、完成されたウォレットがブラウザとなるのだろうか。

「堀江さんもおっしゃいましたが、インターネットはブラウザができてブームになりました。それはビットコインでも同じだと思います。パズルピースがはまったら一気に来るでしょう。これには時間がかかりますが、最終的にはビットコインは銀行より、クレジットカードより、そして貨幣よりも安全で使いやすいと皆が気づくと思います。」

これに対し大石哲之氏は色々な考えを認めた上で、しかしながら最終的には「国家の財政危機」がブームの鍵になるのではないかと分析する。大石氏によれば、通常の状態では円やドルに対する信頼が厚く、何も疑問に思わないのだという。しかし財政危機に陥れば、人々は「お金の本質」についての疑問が湧き、中央集権的な機構に依存しない仮想通貨が注目されるのではないかと述べた。

これに食らいついたのは堀江氏だ。現金主義でカードが主流となっていない日本においてはバーチャルの価値を持つお金を使うことに抵抗があるのではと指摘した。

「日本人はお金=日銀券と思ってるから、そういうことには期待できないと思います。お金がバーチャルなものだと思ってないから。海外でなんでビットコインが流行ってるかっていうと、お金がバーチャルなものだってことに慣れてるからです。アフリカにしたってM-Pesaをみんな使ってますよね。現金を使ってる人はいませんよ。でも日本では全然そういうことがない。」

その上で堀江氏は、日本における仮想通貨の普及可能性として「FX」と「Monacoin」を挙げた。Monacoinは未上場のスタートアップベンチャーみたいなもので、そういうものに投資をしたり、普及を呼びかけたほうがいいと話した。

後編、「普及のもうひとつの鍵、そして規制は」に続く

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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