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仮想通貨はインターネットの進化過程をなぞっており、インターネットにEメールができたのと同じようにビットコインが誕生したが、普及には「ブラウザ」のような一大ムーブメントを引き起こすきっかけが必要となる。グローバルで政府に依存しない金融インフラとしての価値が認められる一方で、日本においては全体の割合としてバーチャルマネーに慣れ親しんでおらず普及には遅れを取ると堀江貴文氏は指摘した。日本において仮想通貨が普及する余地はあるのだろうか。

本稿では前回に続いて9月25日に開催されたBreakthrough Summit 2015のキーノートパネルの模様についてお届けする。

前回:ビットコインはインターネットを超えるか

ポイントや権利をブロックチェーンに

堀江貴文氏は仮想通貨の国内普及のもうひとつの可能性として、企業ポイントへのブロックチェーン利用を挙げた。楽天ポイントやTポイント、アマゾンポイントなど私たちの生活の中に既に溶け込み既にお金のように使われているポイントを仮想通貨の技術を用い自由に交換できるインフラストラクチャを構築し導入することで、意識せず皆が暗号通貨を使うようなムーブメントが起こる可能性があるという。

これには必ずしも企業が内部的にプライベートなチェーンを運用管理するのでなく、インフラ自体はオープンにしてしまう、あるいはパーミッションを与えた上で任意に参加できるネットワークにするといったイメージだ。

「ビットコインって取引が自由だから、色々なところに取引所や両替所ができてサヤ取りする人達が出てくる。そうすると瞬く間に共通のレートというものができて、伝播するってところが非常に素晴らしい点で、通貨だけじゃなくて株式や権利書みたいなものでもできるわけじゃないですか。法規制の問題はあると思いますが、ポイントは今でも相当な額が使われているので、どこかのタイミングでドカンとくると思いますよ。」

証券や未公開株、債権をブロックチェーン上でやり取りすることを目的としたプロジェクトは、既にアメリカを中心にいくつか立ち上がっている。例えば米国大手のECサイト「Overstock」は、CEOが直々にプロジェクトを主導しブロックチェーンを基盤にしたスマート債権プラットフォーム「TØ」を開発。証券ブローキング・ディーリングシステムのプロバイダーを買収し自社の私募債を売りに出した。NASDAQもまた同様にブロックチェーンを使ったオープンな取引プラットフォームを開発している。

規制をする前に技術理解は必須

技術のマスアダプション、とりわけ保守的な姿勢になりがちな大企業に到達させるには最低限、何をして良いか、駄目なのかを明確に線引きする必要がある。一方、ビットコインのオープンで誰でも参加できる特性に侵食するようなルール作りをしてしまえば、技術のイノベーションを阻害してしまうことにもなりかねない。

これについて堀江氏は「規制をリテラシーの低い側に合わせていくと、技術のいいところがどんどんなくなってしまう。」とコメント。また誤った情報が既成事実のように広まり、技術が理解されないまま放置されてしまうと岩盤規制ができてしまう可能性があることを指摘し、それを回避するためには「啓蒙活動で変えていくべき」と話した。

これに対し大石哲之氏はマルチシグの例を挙げ、マウントゴックスのような事件も規制をせずともビットコインにあらかじめ備わったマルチシグの機能を使えば解決できると話す。

「法規制の一番の問題はテクノロジーが見えてないことですね。マルチシグってあるじゃないですか。あれは核ミサイルのスイッチみたいなもので、3人が同時に押さないと発射できない。ビットコインの取引所にしても、ユーザーと取引所、そして第三者のもうちょっと信頼できる機関が3人で秘密鍵を持ちあって3人中2人が承認しないとビットコインを動かせないようにすれば、規制をしなくたって安全に管理できるんですよ。」

大石氏はまた、仮想通貨ビジネスに厳重なKYCや取引のトラッキングなどを行ってしまえばビットコインの面白みが失われてしまうと述べた。

世界的な動きを受け、仮想通貨技術への関心は国内においても高まってきており、ビジネスの領域ではもはや無視できない技術として認識されている。しかしながら一般的に暗号通貨はまだまだ「怪しい」というステージを抜け切れておらず、こういった土壌を改善していくためには仮想通貨に携わる企業やメディア、エンシュージアストを通じた啓蒙活動を行っていく必要があるだろう。既に国内にはいくつかの取引所があり、ブロックチェーン2.0の分野に切り込む「Orb」と「Mijin」のふたつのプロジェクトも始動している。仮想通貨が成功するかしないかはタイムマシーンでもない限り「神のみぞ知る」だが、少なくとも、こんなにもおもしろい技術を無視するのはもったいないのではないだろうか。

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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