LINEで送る
Pocket

bsp6logo

2014年10月に記念すべき第一回が開催されて以来、およそ二ヶ月毎に開かれている日本デジタルマネー協会(JDMA)主催のビットコインスタートアップピッチが一周年を迎え、11月6日、第6回目となるイベントが開催された。

R3Cev主導による全25行の金融機関向けブロックチェーン・コンソーシアムの組成、NASDAQによる未公開株取引マーケット向け基幹システム「NASDAQ Linq」の発表、そして直近のビットコイン価格の高騰の流れを受け、スタートアップピッチの参加者は満員の100名を記録。登壇者にもグローバルを視野に、金融機関を意識したブロックチェーン・ソリューションを開発するスタートアップが増加しているように感じた。

とりわけ注目の的となったのは、やはりフィンテックの観点から金融機関に向けたブロックチェーン応用の基盤アプリケーション開発に取り組む『Metaco』と『カレンシーポート』の二社だ。ここでは、この二社の取り組みについて取り上げることにした。

Metaco – 金融機関によるスマート・ドル発行目指すトレーディングプラットフォーム

Metacoは、カラードコインを用いたスマート・フィアットのブローカリング・プラットフォーム、およびトレーディング・プラットフォームを開発する企業だ。スイスに本拠を置くMetacoは、ビットコインのブロックチェーンを親とするカラードコインを採用しながらも、既存の金融機関を発行主体としたドルや円、ユーロなどのフィアットマネーを発行する銀行のためのプラットフォーム開発に取り組むという点で、他のプロジェクトと一線を画している。

カラードコインの基盤技術であるオープンアセットプロトコルは、MetacoのパートナーでもあるCoinprismの創業者であるFlavien Charlonによって作られた。この技術はNASDAQの「NASDAQ Linq」、Overstockの「TØ」など既に様々な業務系アプリケーションの基盤システムとして採用されるなど一定の地位を築き上げた技術だ。

Metacoのブローカリングシステムにおいては、「イシュアー」「ブローカー」「ユーザー」というロールモデルにおいて、信頼できる金融機関である「イシュアー」が発行するドルや円などのスマート資産の受け皿として利用する。より具体的には、ブローカーはイシュアーに「ドル」を支払うことでイシュアーは「スマート・ドル」をブローカーに対して発行し、ユーザーはブローカーが持つスマート・ドル、および他のスマート資産に対して自身の持つスマート資産との為替を行うといった流れだ。

また同社は現在、次のアプリケーションとして、2016年3月に公開予定の「マーケットプレイス」の開発に尽力中だ。マーケットプレイスではさらにユーザーは複数のブローカーに対して発注できるとのこと。

Deals4 – ビジネス向け資金移動系バックエンドAPI

カレンシーポート株式会社(旧ポンク株式会社)のCEOである杉井靖典は、同社が開発中のビジネス向け資金移動・ブロックチェーン導入支援API群「Deals4」の発表を行った。これは本邦初公開のサービスで、杉井CEOは「人」「物」「金」「ビジネスロジック」「取引監査証跡」を抽象化・統合するAPI群(ミドルウェア)と表現している。

より具体的なものとしては、アカウントや商品、権利、送金、両替、署名、エスクローなどのビジネスロジックのためのAPI群をあらかじめ搭載したBBaaS(ビジネスバックエンド・アズ・ア・サービス)だ。ブロックチェーンですべてのトランザクションを処理しようとすると、どうしても処理が遅くなってしまう問題があるが、杉井氏は「キューイング」を使って処理することで「毎秒23万トランザクションの処理が可能」と語っている。

「既存のブロックチェーン・アプリケーションにおいては最小限のAPIしか用意されておらず、またブロックチェーン毎に用途や実装が異なるため適切に選択することが肝要」と杉井CEOは話す。またブロックチェーンと既存の業務系アプリケーションの接続には専門的な知識が必要なため、「技術者が少ない現状においては、これらを繋ぐ薄いラッパーが求められている」と、Deals4の開発に至った経緯を話してくれた。

同社はこれまでの取組みで、野村総研主催の「IoT×Money」NRIハッカソン@CEATEC2015においてAPIを提供。またいくつかのカード・プロセッサに対しビットコインを扱うことの出来るAPIの提供も行っているとのこと。

杉井CEOはまた、海外におけるブロックチェーンの取組みに対して日本国内が遅れているといった風潮に対して「遅れていない」と強調。「大手金融ベンダーは既に猛スピードで動いており、プレスリリースを出していないだけです。」と述べた。


第6回ビットコインスタートアップピッチ全体のタイムシフト視聴は以下より行えます。

  • ビットコインニュースを毎日お届け!

  • BTCN公式アカウントをフォロー

    follow us in feedly
シェアする

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
monacoin:MTn7hiNovBHyN7gjtvD1Hh7W96Zmghp41B
bitcoin:1NK8S4ep9ZUZ9H9AmTAfvrCVVAKLbpmi36