LINEで送る
Pocket

changetip-ban-isil

さまざまなプラットフォーム上のアカウントを通じてビットコインの投げ銭を行えるサービスChangeTipは、ISILメンバーアカウントへのアクセス、およびISILが拠点地域のIPからの接続を禁止したことを発表した。

イスラムの過激派組織ISILがビットコインを資金調達や決済に利用しているというニュースが世間を騒がせている。ビットコインは中央管理機関が存在せず、規制当局による監視ネットワークの整備もされていないため、ビットコインを手に入れてしまえば事前に対策することが困難だという問題があることは否めない。

参考:イスラム国、ビットコイン利用か 資金源遮断の抜け道に

とはいえ、事後的に追跡することは、オープンな取引元帳であるブロックチェインの基本的な性質から、難しくはないことも事実だ。ビットコインの取引履歴はブロックチェイン上にすべて公開されている。これは中国のいわゆる人肉検索、そして2ch既女板の諜報チームにブロックチェインという武器を与えれば、これまでのような個人の特定みならず、過去に「いつ」「どこで」「何を(いくらのものを)買ったか」まで追跡できるようになってしまうことと同義だ。

ビットコインのプロトコルはオープンソースであり、ビットコインのルールに則った方法でデータを扱えばどのような実装でもビットコインを使用可能なアプリケーションを構築できる。したがって、ChangeTip一社がISILへのアクセスを遮断したところで影響は些細なものだが、ISILの表立った活動への抑止力になるであろうことは間違いない。

つまり、どういうことかというと、上述したように「ブロックチェインは完全に透明」だからだ。例えばISILメンバーがChangeTipを使用してアカウントへの寄付を募った場合、ブロックチェインには取引の情報は残らないため、不透明であり、当局からの開示要求にChangeTipが答えない限り調査はできない。

しかしながら、ISILメンバーがビットコインのアドレスを公開し、寄付を募った場合は別だ。誰がそのアドレスへと送ったかなどは、自動的に、どこからどこへとビットコインの所有権が移動したかは容易に追跡できる。そして、理論的には、銀行口座はブロックチェインに含まれていないにもかかわらず、将来的にビットライセンスが世界標準となれば、どの口座から入金されたかまで、すべて自動的に、当局は追跡できる。

ビットコイン企業であるCoinbaseなどは既に、顧客のウォレットのビットコインの利用状況、購買状況を追跡しており、Coinbaseウォレットからシルクロードの後継サービスを利用したユーザーがアカウント凍結となったことが報告されている。

ビットコインにつきまとうのは、価値の「保管」「尺度」「交換媒体」である通貨としての信頼性、そして反社会活動、犯罪行為での利用によるイメージの問題であることが殆どだ。多くの人は、こういった壁で早くも脱落し、ビットコインの「真の革新」であるブロックチェイン技術には一切目を向けてくれない。

故に、ビットコインコミュニティはさまざまな制限を自らに課してでも、これらの問題を「ビットコインの技術」で解決していかなければならないだろう。しかし、私はこのことについて楽観視している。ビットコインはインターネットの世界のほとんどのことを解決できるからだ。

こういった少しずつの積み重ねをしていくことで、ビットコインのイメージが徐々に改善へ向かうことを期待したい。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
monacoin:MTn7hiNovBHyN7gjtvD1Hh7W96Zmghp41B
bitcoin:1NK8S4ep9ZUZ9H9AmTAfvrCVVAKLbpmi36