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ビットコインの投げ銭サービスChangeTipは、ライブストリーミングプラットフォームTwitch.tv上でChangeTipを介した投げ銭を行うことができるチップボットを開発したことを発表した。チップボットはコメントに含まれるコマンドに反応してビットコインの送金処理を行うプログラムのことで、現在、Twitter、Facebook、Youtubeなど、合計10のSNSプラットフォーム上で利用することができる。

Twitch.tvは、誰でもゲームのライブ放送ができる動画配信サイトで、月間2億5000万人以上が利用している。中でもeSportsと呼ばれるオンライン対戦ゲームの視聴者が多く、League of LegendsやDota2といったゲームの視聴者は、それぞれ常時接続8万人を超えている。

プロゲーミング市場と寄付

ゲーム配信をする人々の中には多くのファンを抱え、「広告収入」や「寄付」によって生計を立てている人々がいるのが、twitch.tvを特徴付ける重要なファクターとなっている。最近では、日本においてもHIKAKINをはじめとするユーチューバーと呼ばれる人々がYoutubeの広告収入で生計を立てており、ユーチューバーが増加していることから動画配信ビジネスへ注目が集まっている様子が窺える。

しかし、Youtubeとは異なり、Twitch.tvでは「寄付」という、視聴者からリアルタイムに、ダイレクトにお金を送ることを認めている。これは、twitch.tvに組み込まれた機能でなく、PayPalの個人送金機能を用いて実現した。とりわけ興味深い点として、いわゆる有名配信者と呼ばれるような人々は広告収入ではなく、直接的な寄付が主な収入源であることだ。広告はある意味で視聴者の視聴意欲を削ぐ行為であり、多くの配信者は広告を配信することを嫌がる。(注:広告は配信者が好きなときに好きなように配信することができる。)

寄付の額は多くの場合数ドル程度だが、中には高額の寄付をするものもいる。motar2kという人物はCounter-Strike:Global Offensiveのプロゲーマーに対して、1万ドルを超える寄付を何度も行っている。たとえば、ポーランドのプロチームVirtus Proに所属するPashaに対し、昨年5月には5,000ドル、11月には15,000ドルの寄付を行っており、また、今年1月には米国拠点のプロチームCloud 9のShroudに対し、10,000ドルの寄付を行っている。
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[Youtube Link]

このような動きはインターネット上で見ても、海外のゲームストリーミング市場特有の現象であるといってもよく、自由で、さらにスケールする可能性の高い、今後の動向が非常に気になる領域だ。

日本は「まだまだ」

しかし、残念ながら日本ではまだまだこういった動きは活発ではない。これは、世界と日本でPayPalのサービス内容が異なること、そして市場が成熟していないことが理由として挙げられる。まず、PayPalのサービスに関して、日本ではそもそもPayPalの認知度が低く、さらに、海外では商用以外の個人間送金を認めているのに対し、日本では認めていないという点だ。日本でも法人利用と偽って送金することは可能だが、厳密にはレギュレーション違反であり、参入障壁となっているのは間違いない。第二に、市場規模についてはいうまでもないだろう。これについては日本語という言語バリアと、日本ではまだまだコンシューマが強いという点が挙げられる。

ビットコインが競争できる余地はあるか

ビットコインの利点は、従来の決済手段に比べ取引コストが圧倒的に低く、極めて簡単に送ることができるという点である。寄付の手段として、個人送金に用いられているPayPalも、米国内であれば銀行口座からの送金は無料だが、国をまたぐと最大で2%の手数料が掛かってしまう。さらに、デビットカードやクレジットカードによる送金の場合、さらに2.9%の手数料が掛かる。(参考:PayPal fees)ChangeTipを利用した場合は、投げ銭に掛かる手数料は出金のみ1%で、ほかは完全に無料だ。(現在はキャンペーン中につき出金手数料も無料)

また、PayPalはアカウントにログインし少々面倒な送金処理を行う必要があるのに対し、ChangeTipなら[email protected] $1 @changetip」と入力するだけでいい。この気楽さは寄付行為を促進するだろうし、ストリーミングを盛り上げる要素となるに違いない。これはゲーム配信だけでなく、さまざまなキャンペーンに利用できる。ビットコイン参入の余地は、充分にあるだろう。

eSportsの市場は2014年には194M$(約233億円)であり、2017年には465M$(588億円)になると言われている。最近では日本においても、League of LegendsのRascal JesterやDetonatioN FocusMeなど、日本の企業による、正規の契約を結んだプロチームや、芸能人のようなカリスマ性をもったプレイヤーが誕生している。

個人的な希望としては、彼らのようなファンの期待を背負った人々が、相応に報われて欲しいと切に願う。国内における現在の潮流は、先の不安なeSports業界で活動することに対するリスクヘッジとして「社会人としての素養を養う」ことがサブ目標として掲げられることが多いが、ことの本質は、プレイの凄さに応じた適正な評価がされないことだろう。ビットコインによる寄付は、それを解決してくれるに違いないと、私は信じている。

お勧め動画:


参考記事:
CHANGETIP INTRODUCES BITCOIN TIPPING ON TWITCH
伸び続けるeSports市場と今後の予測、2017年には554億円の市場規模と観客数3億3500万人超の市場へ成長

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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