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スケーリング・ビットコインの目玉は、ブロックサイズにまつわる論争だ。ギャビン・アンドレセン氏とマイク・ハーン氏が共同で「Bitcoin XT」を公開しコミュニティを騒がせて以来、急激にビットコインのスケーラビリティに関しての議論が活発になった。

Bitcoin XTは2016年1月にブロックサイズを8MBに引き上げ、以後2年ごとに倍増させ最終的に8GBのブロックサイズにまで拡大させるスケジュールの「BIP101」を含んでいたが、どちらかと言えばコミュニティの合意を得ず強硬策を取ったことへの非難が大きかった。8月にBitcoin XT構想がリリースされ、翌月の9月には急遽カナダで「Scaling Bitcoin」の第一回目が開催。ビットコインのコア・デベロッパー5名がはじめて一堂に会する事態へと発展した。

今回、香港で開催された二回目の「Scaling Bitcoin」は、第一回目に発表されたいくつかの議案や提案に対し、ビットコインの開発に携わる有志のデベロッパーがそれぞれの解答を持ち寄り発表するという形式。とりわけ興味深かったのは、ビットコインのスケーラビリティ向上に向けたいくつもの提案が見られた点だ。

ここでは、Scaling Bitcoin in 香港で発表された「Segregated Witness; Segwit」「BIP102」「BIP103」「BIP105」「BIP106」「BIP”2-4-8” scheme」を紹介する。(BIPに関しては仕様の紹介)

Segwit – 署名の分離

コア開発者のひとり、ピーター・ウィールによって提案された「segwit」(Segregated Witness; 署名の分離)は、その名のとおり、トランザクションの入力に必要な電子署名をブロックチェーンから分離することを提案している。

ビットコインのトランザクションには入力と出力があり、前回のトランザクションの出力を参照して新しい入力を作る。入力にはTXIDと署名、スクリプトが含まれているが、ピーター・ウィール氏は、署名が他の入力データに比べて重要性が低いことを突き止めたとのこと。SPV(軽量ウォレット)クライアントの実装を見れば署名を検証していないことは周知のとおり。さらに、ウィール氏によれば、フルノードであってもすべての署名を実際に検証しているわけではなく、また未使用トランザクション出力(UTXO)にもこれらのデータは含まれない。

「トランザクションのすべてのデータのうち、これらはブロックチェーン・データの60%を占めているにも関わらず、UTXOセットに含まれません。[…]これをなくすことで、我々はいま現在ネットワークの維持のために蓄積している数十GBのデータを維持しなくてもいいということです。」

ウィール氏は、これを実現するために検証のロジックを含め「ビットコインを再設計する必要がある」と述べたが、トランザクションのデータ構造をソフトフォークで実装できることも発見している。今後のロードマップとしては主に「取引の検証」の新しいロジックに取り組むことになると話した。

「我々はすぐにでも”署名の分離”を実装します。これが意味するのはブロックサイズの75%を削減することです。つまり、いまの4倍のトランザクションをブロックに含めることが出来ます。もうひとつの方法は、検証用に4MBのブロックサイズを用意し、非検証パートでは現状維持のブロックサイズを保つ方法です。そしてUTXOに入らない署名は、剪定することができます。」

Pieter Wuille – Segregated witness and its impact on scalability

いくつものBIP

BIP103
手法:技術的な成長速度に合わせて
スケジュール:1MBから、97日毎に4.4%の上昇(17.7%/年)
実行予定日:2017年1月

利点:予測可能、手数料市場が機能する
懸念点:他の方法に比べ上昇スケジュールが遅く、また実行予定日も遠い

BIP105
手法:合議によるブロックサイズ・リターゲティング
スケジュール:1MBから、2016ブロック毎、±10%の範囲で
実行予定日:未定

利点:マイナーによる公平な投票
懸念点:フィードバックが少なく、マイナーのインセンティブに欠ける

BIP106
手法:動的なブロックサイズ上限制御
スケジュール:2016ブロック毎、90%のブロックが90%以上満たされていた場合2倍、50%未満なら1/2倍。
スケジュール2:4032ブロック毎、手数料競争が激しくなったら上昇
実行予定日:未定

利点:利用者による公平な制御方法
懸念点:任意でコントロール可能、手数料競争の定義がない

BIP “2-4-8”
手法:2-4-8
スケジュール:2MBからスタート、2年後に4MB、さらに2年後に8MB
実行予定日:未定

利点:保守的であり、影響度が少なく、予測可能
懸念点:人の手で、任意の数値を決めることに対する懸念と、二度目のハードフォークが避けられないこと


Scaling Bitcoin in 香港 – 公式サイト

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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