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私がビットコインの分散型通貨というコンセプトを理解した時に大きな衝撃を受けましたが、初めて自分独自の通貨(トークン)を発行できた時も似たような感覚を受けました。誰でも自分の仮想通貨を簡単に発行し、独自のトークン経済圏を形成できる時代がすぐそこまで来ていると考えると、非常にわくわくします。

独自のトークンを発行できるプラットフォームはすでにいろいろあります。その中でも今日はビットコインのブロックチェーンを利用した、トークン発行プラットフォームの代表的なもの3つの比較をしてみます。

事前に断りをいれておきますが、今日の比較は基本的には非技術者の人向けに、「現時点での機能的な項目」について比較します。技術的には可能だ、とか、このコマンドを実行すれば、など反論の余地はいくらでもあるとは思いますが、非技術者でも現在使える機能をこの記事では重視します。

また、数か月後に新たな機能が追加され、今回の比較が無意味になっている可能性もゼロではありません。機会があれば、数か月後、半年後あたりにもう一度このトピックについて記事を掲載させていただくかもしれません。

それではさっそく比較して行きましょう。まず一覧で3つの比較をした後に、それぞれのプラットフォームの特徴、強み、考察などを個別に見ていきます。

 

一覧比較表

 

3platforms_comparison

 

特に注目している項目をにしています。

まずざっくり言いますと、CounterpartyとMastercoinは機能的にはかなり似ていますが、Colored Coinは方向性が違います。最も大きな違いとして、CounterpartyとMastercoinはそれぞれ独自のプラットフォーム専用の通貨を持っているのに対し、Colored Coinにはそのような通貨が存在しません。

もう一つの大きな要素として、CounterpartyとMastercoinが、ユーザー同士が直接トークンをトレードできる分散型取引所を実装しているのに対し、Colored Coinsには現状では非技術者でも使えそうな分散型取引所は存在しません。(詳細は後述)

通貨発行料で比べると、Master CoinとColored CoinがMiner’s feeだけでトークンを発行できるのに対し、Counterpartyでは基本的に0.5XCPを消費する必要があります。100円程度ですが、XCPを調達する必要が出てきますし、若干ハードルが高くなります。(これについても詳細は後述)

最後に、供給量ロック機能は現状Counterpartyにだけ可能な機能です。Mastercoinだとロックもできるという話も見かけましたが、少なくとも現状のOmniwalletではロック機能は備わっていません。
それでは個別にもう少し詳しく見てみましょう。

 

Counterparty

 

Counterparty logo

 

Counterpartyはおそらくこの3つの中で一番ビットコイナーに選ばれているプラットフォームだと言えます。Swarm, Storj, Getgems, Koinifyなど日本でもおなじみのプロジェクトもCounterpartyで作成したトークンを使用しています。

Counterpartyの最大の強みというのは、上記3つの中で最も機能的なDecentralized Exchangeを持っているということです。

独自トークンを作ると自動的にそのトークン用のマーケットも生成され、分散的なマーケット上でP2Pで他のユーザーとトークンをトレードすることができます。基本的には独自トークンとXCPの交換が一般的ですが、独自トークン同士での交換も可能です。ただし、唯一の弱点がBTCとXCP、もしくは独自トークンのトレードはCounterwallet上ではできないことです。XCPの購入が若干めんどくさいというのは個人的にも悩みです。(Venndというサービスもあるのですが、現時点では機能的ではありません)

また、トークン作成時に0.5XCPが必要であり、他のプラットフォームより少し高めですが、最近のアップデートでマイナー手数料のみで通貨の発行も一応可能になりました。(ただし通貨名はランダムなものが付与される)これは大きな改善だと思います。

また、供給量を簡単にロックできるのも現状ではCounterpartyだけです。例えば、世界に100個しか存在しないチケットを発行したり、供給量をロック(固定)することで、希少性のあるデジタル資産をCounterpartyを使えば簡単に生み出すことができます。他にも配当機能、ブロードキャストなども問題なく使用でき、Counterpartyは高機能なだけでなく全体的に割と挙動も安定しています。

 

Counterparty exchange

 

 

Mastercoin

Mastercoinは独自トークン発行プラットフォームのパイオニアです。Counterparty同様、Mastercoinの基本的な機能は、ビットコインのブロックチェーンを利用して独自トークンを作ることですが、「一番初めにクラウドセールを実施したプラットフォーム」としても有名です。

独自通貨発行料は基本的にはMiners Feeのみと安いですが、トランスアクション手数料が現在のレートで10円程度と高めです。また、Mastercoinの代表的なWalletであるOmni Walletにはまだ配当機能が実装されてないなど、Counterwalletに比べると完成度が低いという印象です。

また、MastercoinもCounterparty同様、分散型取引所機能があるのですが、Counterpartyの取引所より機能性(独自トークン同士のトレードなど)は劣っていると私は考えています。ただし、Mastercoinの場合は、BTCとMastercoinの分散取引が出来るのは強みです。まだまだ流動性は低いですが、Omni Wallet上でBTCとMastercoinのトレードが出来るのは素晴らしいと思います。

 

Omniwallet exchange

OmniWalletの分散取引所。Counterpartyほどのきれいさはまだないです。

 

 

上記の通り、MastercoinとCounterpartyは機能的にかなり似ているのですが、プロジェクトの運営方法が大きく異なっていると言えます。

Counterpartyが、Proof of Burnという手法を用い、開発者自身にも適用されるフェアで限りなく分散的なXCP分配方法を行ったのに対し、Mastercoin Foundationは、Mastercoinを使用したクラウドセールを実施し、4000BTC以上の開発資金を集めました。大部分は開発のバウンティーやマーケティングなどに使われているようですが、Mastercoin Foundationへの権力集中に対するコミュニティーの反発や、Maidsafeのクラウドセールの騒動などもあり、ビットコイン2.0のパイオニアでありながら、Counterpartyに通貨発行プラットフォームとしての王座を奪われてしまいました。

ただし、最近ブランド名をOmniに統一し、心機一転Counterpartyに対抗していく構えのようです。直近の大きなプロジェクトで言えば、FactomもMastercoinを採用したり、情報発信なども以前より盛んに行っています。また、クラウドセールで手に入れた資金を基に、Mastercoinを利用したサービスに対して資金援助なども行っているようです。

 

 Colored Coin

 

 

Colored CoinはCounterpartyやMastercoinとは方向性が少し違います。

プラットフォーム独自の通貨がなく、分散取引所もないのですが、非常にシンプルでコイン発行手数料、トランスアクション手数料もMiners Feeだけで一番安いです。

CoinprismというWalletが最も人気でおすすめです。
通貨発行、送信、配当機能など一通りの機能を備え、インターフェースもわかりやすく個人的には非常に好印象です。

また、CounterpartyとMastercoinはビットコイン公開鍵が同時に独自トークンのアドレスにもなるのですが、Colored Coinの場合はaから始まるトークン(アセット)用のアドレスを使用するのが特徴です。間違えてビットコイン用のアドレスに独自トークンを送ると、トークンがなくなってしまうので要注意。

他には、自分で作ったトークンをリサイクルしてビットコインに戻したり、配当としてビットコインを一回のトランスアクションで配れたりするColored Coinだけの独自機能もあります。

Coinprismはブラウザ版だけではなく、Androidのアプリも対応しています。こちらもシンプルで使いやすくおすすめです。CounterpartyもMastercoinもまだ機能的なモバイルアプリは存在しないので、Colored Coinの大きな優位点といえます。

取引所機能だけがネックですが、3つの中で最もシンプルで使いやすいのがColored Coinと言えます。

 

Coinprism Wallet

 

 

結論

 

結論を言うと、ビットコイン3兄弟とも言える上記の3つの通貨発行プラットフォームに優劣をつけることは正直できません。それぞれの特徴を考慮すると、

 

Counterparty 最も高機能で、作りこまれているのがCounterparty。現状優良なプロジェクトに最も選ばれているのがCounterpartyです。特に通貨間の分散トレード機能を重視する人はCounterpartyを選んで間違いはありません。Smart Contractなど今後の機能拡張も期待できます。
Mastercoin 機能的にも実績的にもCounterpartyに遅れている印象ですが、少しづつ勢いが戻ってきています。Counterpartyよりトークン発行手数料が低いことが現状の優位点と言えるかもしれません。また、Mastercoinを使った新しいプロジェクトの開発を考えている人には、Omni Foundationからの資金援助がある可能性も。
Colored Coin 3つの中で最もシンプルでユーザーフレンドリー、また手数料も一番安いです。トークン同士のトレードが不必要で、個人的なチケット、アクセストークンとしての使用などを考えている人にはおすすめ。とりあえずいち早く自分のトークンを実験で作ってみたい人はColored Coinを使ってみればいいと思います。

 

上記のような使い分けができると思います。

自分も含めた非技術者、初心者でも簡単に独自トークンが発行できる上記3つのプラットフォームの進化には今後も期待です。まだの人はこの記事を参考に、自分に合ったプラットフォームをみつけ、是非自分のトークンを作ってみてください。


参考リンク:
Coinprismによる、3プラットフォームの比較
http://blog.coinprism.com/comparison-coinprism-counterparty-mastercoin/
Maidsaleのクラウドセール混乱について
http://www.forbes.com/sites/kashmirhill/2014/06/03/mastercoin-maidsafe-crowdsale/