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今年の始めから、原油価格の下落や中国経済の減速により世界同時株安が続いている。市場は混乱を極めているが、ビットコインの相場は快調に右肩上がりで推移している。約1ヶ月前にイギリスで行われたEU離脱を問う国民投票で離脱派が勝利を決めると、日経平均は一日で1200円を超える下落を記録し、今年の年明けから比較して7月29日現在で約14%も下落している。

しかし、ビットコイン取引所大手のBitfinexによると、ビットコインは今年1月1日時点での価格は433.98ドルで、7月29日現在では657.74ドルの値を付け約51%も上昇している。このようにビットコインは世界経済の流れに逆行する傾向があり、先行き不安が広がるとビットコインの価格は上昇してきた経緯がある。

そして、今年の暮れにもう一つ世界経済の雲行きが怪しくなるかもしれないイベントが待っている。それがアメリカの大統領選挙で民主党候補ヒラリー・クリントン氏の対抗馬で共和党候補のドナルド・トランプ氏だ。

トランプ氏のスローガンは

「アメリカの利益を最優先し、強いアメリカを取り戻す」

Juniper Researchは最新の調査でトランプ氏に対して以下のように述べている。

「もしドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領になったら、かなり高い見込みで世界のマーケットは混乱するであろう。しかしそのような取引市場が先行き不安に包まれている間はビットコインにとっては追い風となるだろう」

金融市場関係者が警戒するトランプ氏の政策は大きく分けて3つ存在する。

トランプ氏は自由貿易に反対的な立場をとっており、彼が大統領になった暁には日本も参加を予定する環太平洋自由貿易協定(TPP)も暗礁に乗り上げる可能性がある。特に彼は中国を名指しで批判しており、中国との摩擦は避けられないとみられる。その内容は中国の中国人民元の価格操作をやめさせ、なおかつ知的財産権を認めさせアメリカ製品のコピー販売を停止しを求める。またアメリカの法人税を下げアメリカの企業を中国から呼び戻すなどだ。

二つ目は、アメリカの隣国メキシコに対しても強硬姿勢をとっており、メキシコからの移民がアメリカ人の仕事を奪っているとの主張。またアメリカとメキシコの国境に壁を作りその費用をメキシコに払わせるとまで言っている。年間240億ドル のお金がアメリカからメキシコへ送金されており、もし支払いを拒否すればメキシコ人へのビザの発行数上限を定め、発行手数料を上げるなどの措置を取るとしている。

最後にトランプ氏は移民問題にも言及している。移民を受け入れる審査基準を厳しくし、なおかつ難民受け入れ問題への取り組みなどにも難色を示している。大統領選公式ページにおいては、「いかなる移民政策もアメリカ人の生活を豊かにするものでなければならない」と宣言していることからも、同氏のアメリカの利益を最優先しようとする姿勢がうかがえる。またイスラム教徒に関して入国を禁止するとも発言しており、緊迫する中東情勢やISISの様な武装集団を刺激しかねない。

トランプ氏の大統領当選は、The Economistが選ぶ今年の世界リスク10にも選出されており、その影響力は計り知れない。また今回の英EU離脱の事前調査では、残留派が有利と予想されていたが結果は離脱の大逆転となっており、アメリカ大統領選でもヒラリー氏とトランプ氏の支持率は拮抗しており最後まで何が起きるかわからない。

トランプ有利は必然

そして、最新の大統領選挙に関する調査では、トランプ氏がヒラリー氏を支持率でわずかながら上回った。

トランプ氏とヒラリー氏は民主党、共和党それぞれから指名を受け正式に大統領候補となったのだが、両氏の指名獲得までの道のりの違いが今回のトランプ氏リードの調査結果に至った可能性が高い。共和党指名争いにおけるトランプ氏は、圧倒的なスピーチ力と巧みなメディアパフォーマンスで早い段階から独走状態で、共和党党候補の座を勝ち取った。

一方のヒラリー氏は、民主党指名争いで社会主義を公言するバーニー・サンダース氏との一騎打ちの末かろうじて指名を獲得しているという経緯がある。サンダース氏は敗れはしたものの若い層からの絶大なる支持を得ており、公立大学の無償化や広がり過ぎた格差の縮小などのキャンペーンを行ってきた。また選挙資金は個人から小額寄付が多いのが特徴だ。

対するヒラリー氏の選挙資金は、ウォールストリートなどの富裕層からの支援金が多く、サンダース氏とは対極に近いキャンペーン活動を行ってきた。アメリカ大統領選における資金調達力の影響は大きく、幅広く選挙キャンペーンを行うには必要不可欠な要素となっていた。しかしその重要性から、富裕層からの資金が流れ込み富裕層に有利な選挙キャンペーンが繰り返されてきた。その流れを止めようとしたのがサンダース氏であった。

ヒラリー氏は民主党指名は獲得したものの、民主党は二分されていた。また選挙キャンペーンの違いからヒラリー氏はサンダース派の支持者取り入れに失敗している。その結果トランプ氏の勢いに押される形となり、大統領選支持調査でヒラリー氏は逆転されてしまった。

現在アメリカは貧富の格差、人種差別、宗教対立などかつてないほどの多くの問題を抱えている。今年に入り警官が一般市民に射殺されるなどの事件が多発し、政府機関に対する不信感が高まっており、アメリカの社会情勢の不安定さを物語っている。

そんな中、暴君とも呼べる圧倒的リーダーシップをみせるトランプ氏が支持を集める結果になったことは、政治経験のない同氏だからこそ可能であったのだろう。またトランプ氏の既存の政治システムにとらわれない言動に好感がもたれている。ワーキングクラスやミドルクラス以下の市民は政治変革を求めており、長い間政治の中心地ワシントンにいたヒラリー氏がこのような人々から支持をされないのはこのためだ。

大統領選は11月とまだ先だがビットコイン有識者達はすでに次のトレンドに向けて準備を進めている模様だ。加えて、トランプ氏の経済政策に対する不透明感は根強く、多くの金融市場関係者は大統領選が近づくにつれ市場が混乱するだろうと予測している。そのような市場の混乱時に価格を上げてきたビットコインとしては追い風になる可能性もある。ドナルド旋風はビットコイン市場にも巻き起こるのだろうか? そういった別の視点からも注目できる選挙になるだろう。

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