LINEで送る
Pocket

スクリーンショット 2016-01-26 22.09.32

DTCCは、分散型レジャーの可能性を探るとともに、技術周辺で起こっているハイプを牽制する内容を記した21Pのレポートを公開した。

DTCCは米証券保険振替機構の持株会社であり、アメリカにおける金融資本市場の証券クリアリングを受け持つ自己統治機構だ。同社は昨年末、Linux FoundationやIBM、Intelなどが協働し立ち上げた「Open Ledger Project」の参加メンバーであり、ビットコインの発明によって生まれたブロックチェーンのコンセプトに大きな可能性を見出している企業のひとつだ。

現在の金融市場においては、慣例的に取引から清算までに2営業日のタイムコストが発生する(T+2として知られる)。投資家にとってみれば、取引所の上で取引している相手と直接的なやり取りをしているにも関わらず、受渡しまでに数日待たされることは不可解に映ることだろう。DTCCによれば、これは、多様化する証券取引の需要を受けて生まれたサービス・プロバイダの一部が、投資家の資産を流用し、投資家に損失を与えたことによって規制当局がサービス・プロバイダに対し、ガバナンス体制や報告義務の強化を求めた結果であるという。

スクリーンショット 2016-01-26 22.41.27

さらに、さまざまな産業のIT化に伴い、金融市場もまたIT化しているものの、システムに起因するフラッシュクラッシュ(2010)やナイト・キャピタル・グループの巨額損失(2012)などは、支払い不能を引き起こし金融市場に大きな打撃を与えた。DTCCは、こうした既存システムのリスクを分散型レジャーによって軽減できると考えているようだ。

  1. 金融市場のシステムレイヤーはサイロと化し、いくつもの真実が現れる。そこに透明性はなく、銀行の多くはあまりに高価なアプリケーションを運用する。
  2. レガシーシステムは、近年のサイバー攻撃に対抗できるように設計されていない。したがって、これらのデータは常に脆弱性に晒されている。
  3. 数十年とアップデートされていないがために、システムはあまりにも複雑化している。クリアリングやセトルメント、担保、資本、資産の管理システムは需要の都度追加されたシステムであり、現在においては汎用的な最小限の規格があるにもかかわらず統合がなされていない。
  4. 現在の金融システムは旧来的な環境下で作られたシステムであり、グローバル化による24/7/365の需要下稼働することを前提に作られていない。

DTCCは、分散型レジャーをポストトレード処理の可用性の向上に役立てる可能性があるとしながらも(この分野での応用は、ASXにおいても現在進行形で取り組んでいる)、「実用したとして、コストを本当に抑えられるか」という点で詳細なレビューが必要であるとしている。そのほか有価証券の発行やクリアリングのような仕組みを技術によって置換できる可能性があるとDTCCはレポートの中で述べたが、TØや業界が取り組んでいるリアルタイム・セトルメントの実用においては、分散型レジャーの意義を懐疑的に感じているようだ。


DTCC (pdf)

  • ビットコインニュースを毎日お届け!

  • BTCN公式アカウントをフォロー

    follow us in feedly
シェアする

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
monacoin:MTn7hiNovBHyN7gjtvD1Hh7W96Zmghp41B
bitcoin:1NK8S4ep9ZUZ9H9AmTAfvrCVVAKLbpmi36