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元証券取引委員会(SEC)委員長アーサー・レビットが、ビットコイン決済処理サービスのBitPayと事業者向け取引所を運営するVaurumのアドバイザーに着任したことが明らかとなった。アーサー・レビットは、第25代SEC委員長であり、クリントン政権下で投資家の保護を最優先の任務として、1993年から2001年まで歴代最長の在任期間を務めた人物だ。同氏は以前、いくつかのビットコイン企業にアドバイスを求められた際には、ビットコインについての知識はなかったという。

BitPayは、40,000以上のリテーラーを顧客に抱える最大級のビットコイン決済処理企業であり、また、Vaurumは堅牢なセキュリティとコンプライアンス遵守を徹底し、金融機関や事業者向けの取引所を運営する新進気鋭の企業だ。両企業ともに、シリコンバレーで強い影響力を持つ投資家ティム・ドレイパーの後押しもあり、今年5月にBitPayはシリーズAで3,000万ドル、Vaurumは400万ドルのシード資金を調達している。

レビット氏の関与は、ビットコインに興味を持っていなかった一般の人々に、ビットコインが魅力的なものであると周知するための絶大な助力となるだろう。同氏がこれらの企業のアドバイザーに着任した理由として、ブルームバーグのインタビューに対し「彼ら若者の革新的なエネルギーの背後にある”既存の枠を超えた思考”に感銘を受けた」と答えている。ビットコインはクレジットカードなど従来の仲介機関とは異なり、様々なサードパーティの監視を必要とせず、デジタルマネーを人から人へと直接手渡すことのできる革新的な技術だ。長い間SEC委員長として、金融の世界でコンサルティングを行ってきた人物でさえ、ビットコインが金融の歴史を変えうる力があると感じているのかもしれない。

また同氏は、「企業やビットコインの潜在的な可能性は驚異的であるが、コンプライアンスや規制といった面で、彼らは比較的未熟だ」と語った。彼はビットコインがより広く人々に信頼され受け入れられるためには、導入を後押しする法規が必要であるという。そして企業は、既存体制の慣習や手続きとの競争力を付けるために、最優先事項として、ビットコインとは何であるか、どのように動くのかを国民に周知する必要があるとレビット氏は語る。

先日、金融犯罪失効ネットワーク(FinCEN)が2つの企業に対し公式回答を行い、現金による資金移動が行われていなくても資金移動業として見なされてしまう恐れがあることが明らかとなった。また、ニューヨーク金融サービス局(NYDFS)がビットライセンス制度の提案を行うなど、ビットコイン産業はコンプライアンス意識を高めなければならない状態になりつつある。日本においてはビットコインは通貨ではないとされているが、世界ではビットコインを通貨として扱い始めている。これから暗号通貨産業に参画する企業、あるいは既に事業を行っている企業も、暗号通貨を扱うならばビットコインをデジタルデータとしてではなく、通貨としてコンプライアンス意識を持つ必要があるだろう。

そして、レビット氏が言うように、ビットコインが銀行やクレジットカード決済(更に限定的に言えばApple Payなど)と競争力を持つためには、たくさんの人々に、ビットコインがどうして有用なのか、どのような仕組みなのかを正しく理解してもらう必要がある。私達がビットコインを必要としているように、誰もがビットコインを必要とするためには知識を広め、理解されることが不可欠なのではないだろうか。氏がビットコイン産業へ参画することで、世界への発言力が増すことは間違いないだろう。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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