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ビットコイン相場が大きな盛り上がりを見せている。日本国内の取引所においても各社出来高が3,000BTC/日を軽く超える盛況ぶりで、1月1日年初の高値321ドルを10ヶ月かけようやく上回ったことが世界中を湧かせている。

今年は、Coinbaseや21,Inc、Circleなど50億円を超える記録的ファンドレイズがいくつか見られたが、むしろ注目されたのは「ビットコイン」ではなく「ブロックチェーン」だった。最近開催されたMONEY20/20においてもそれは顕著で、マイクロソフトやVISA、NASDAQなど世界的な大企業がブロックチェーンの世界のスタートアップと協力し、新たなプロダクトを次々と打ち出している。またR3コンソーシアムと呼ばれる、世界的な金融機関による技術研究会が発足され、邦銀からもみずほ、MUFGの2行が加わりブロックチェーンの熱は国内にも大きく波及し始めていることを肌で感じ取れるほどだ。

そういった状況下でひっそりと、しかし確実な勢いと熱量をもってビットコインの相場が押し上げられた。これは、ビットコインの主要なマーケットと言われる中国における再燃、そしてヨーロッパで発生したいくつかの要因が重なり発生した出来事と言えよう。

英エコノミスト誌がビットコインの利用促進キャンペーンを実施

10月31日、イギリスの経済誌エコノミストはビットコインと、その背後技術に関する啓蒙記事をアップすると共にTwitter、Facebookのヘッダー画像をビットコインバージョンに変更した。「ビットコインの歯車と、ブロックチェーンによるベルトで地球が回転する」という直接的なアートワークは、ビットコインコミュニティに留まらない多くの人々に影響を与え、同社が同時に公開したふたつの記事「The trust machine」「The great chain of being sure about things」は合計で1万を超えるソーシャル・シェアを叩き出した。いずれも、ビットコインというよりも、分散台帳技術を利用したソサエティが創りだす世界を綴った内容になっており、ブロックチェーンの可能性を考察する上で一番最初に読むべき入門書として利用できるだろう。

EU司法裁がビットコインに係る付加価値税(VAT)適用除外の判決

10月22日、EU司法裁判所(ECJ)がビットコイン売買に係る付加価値税(VAT)を適用除外とする判決を下した。これにより、EU全域でビットコイン事業を営む際、日用品などを購入する時のように20%を超えるVATを価格に上乗せして販売する必要がなくなった。

VATとは、日本における消費税のようなもので、EU圏内で提供されるあらゆるサービスに係る税制度だ。ビットコインに消費税が適用された場合、ユーザーはビットコインの購入の際に消費税を支払い、さらにサービスの提供や物を購入する際にも消費税を支払いことになる。これでは二重課税となるため、「電子マネー」としてのメリットが損なわれてしまうため、今回の判決はEUの事業者にとって非常に良い知らせだと言えよう。

しかし、より重要なポイントとしては、ECJがビットコインを「金貨/銀貨」のようなコインや、「紙幣」のような法定通貨といった公然の支払手段として認めた点にある。

英財務省がビットコイン/ブロックチェーン企業の誘致を表明

イギリス財務省は、「ブロックチェーン」およびビットコインなどの「電子マネー」をビッグデータとして捉え、今年創設されたばかりのアラン・チューリング・データサイエンス研究所における研究課題のひとつとして捉え、1000万英ポンド(GBP)の追加予算を組んだ。

また、デイビット・キャメロン首相は「Fintech2020」と題し、2020年までにイギリス・ロンドンを世界のフィンテックハブ都市にすることを掲げ、その中では「電子マネー」の利活用に関する議案も含まれている。10月15日、アラン・チューリング研究所で行われた講演においては、さらに世界中のビットコイン企業を誘致したい考えであることを表明。その第一弾として、アメリカのビットコイン企業Circleがブランチを立ち上げることを発表した。

中国でビットコインは禁止されていなかった

10月13日、非政府系組織の中国サイバー管理局(CAC)は、中国においてビットコインは規制されておらず、今、まさにビットコインの時代に突入しつつあることを示した。中国においては、2013年、ビットコインに関連するビジネス事業者は銀行取引を禁じる通達が出され、中国国内の取引所は国外に拠点を移している。一方で、マイニング事業や個人投資家に関しては規制されておらず、また取引所の銀行取引規制も、実質的に働いていないこともひとつの要因と言える。

OKCoin、BTCC、Huobi、世界の9割の出来高を占める取引所3社は、BitcoinMagazineのインタビューに対し、最近の価格上昇を説明するものとして「悪材料の出尽くし」を挙げている。シルクロードの閉鎖に始まり、中国政府による取引禁止の通達、Mt.Gox破綻、取引所のハッキング、XT問題。ビットコインの価格は「良いニュース」には反応せず、「悪いニュース」に反応する傾向にあり、18ヶ月に及ぶ「弱気相場」は概してこれらの悪材料に起因するものだとOKCoinのJack Liu氏は話した。

また、HuobiのLeon Li CEOは、値上がりの理由として、世界の規制状況が整備されてきたことによるものだと説明する。米CFTCがビットコインを「コモディティ」と認定し、ビットコインのオプション取引事業者に対し事例を設けたことや、欧米においてビットコインのETN(指数連動証券)/ETF(上場投資信託)が上場したことが好材料として中国内の投資家に働いているという。

とはいえ、2013年末にヒットした1175ドルと比べれば今の値上がりは些細なものだと捉えることもできる。しかし、足元でEUにおけるVAT適用除外や、イギリス政府の取組み、中国市場の加熱は明らかにビットコインにとって強気な傾向だろう。今年のイベントとしては、今年度末にビットコインのブロックサイズに関する議論「スケーリング・ビットコイン」が控えているが、今のところは弱気な傾向は見られていない。

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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