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今回は,ビットコインの全取引履歴データベース(ブロックチェーン)の更新権限を巡るくじ引きで,「当たり」が同時に発見された場合の対応について解説を行っていきます。

くじ引きの「当たり」が同時に見つけられたときは?

ビットコインの取引履歴データベースの更新権限を巡るくじ引きは,当たりが1つしかないわけではなく,答えに該当する数値を各参加者が一斉に探しているだけなので,同時に答えが見つかり,複数の人から「自分が当たった」という情報が送信される場合があります。

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ビットコインではこの「同時に当たりが出た」ケースに対しては,以下のように対応しています。

まず,「健太とボブが同時に答えを見つけた場合」を考えてみます。

(1)この場合,健太とボブはそれぞれが答えを見つけたとして,自分に報酬が支払われるとしたビットコインの取引履歴データベースの更新情報を他の参加者に送信します。

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(2)当たり情報を受け取った他の参加者は,健太とボブ,どちらか一方の当たり情報を採用するのではなく,一時的に健太の更新データが採用された取引履歴データベースと,ボブの更新データが採用された取引履歴データベースを両方存在させます。

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分岐した取引履歴データベースですが,違いは報酬が健太かボブか,どちらに支払われるかという点のみであり,収録される送金取引情報には違いはありません。

(3)ずっと分岐させたままにはできないので,次に,どちらかの取引履歴データベースを採用するとして選択しないといけないのですが,この方法は,次の新規取引の更新情報がどちらの分岐に先に繋げられるかで決まります。

次のくじ引きが実施されると,各参加者は,くじの入力値である「前回のくじの結果を代表する値」の箇所に,健太が報酬を受け取る取引と,ボブが報酬を受け取る取引のどちらかを選択して入力します。

そして,くじ引き競争が行われ,先に答えが見つかった方の分岐が採用され,もう一方の分岐は破棄されることになります。

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ここで,健太が報酬を受け取る分岐が,先に次の取引ブロックのくじ引きの答えを見つけたとすると,この分岐のデータベースの方に取引履歴が追加され,ボブが報酬を受け取る分岐は破棄されることになります。

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実はこのように同時に答えが見つけられることによるデータベースの分岐はよく発生しています。しかしその違いはあくまでも誰が維持管理作業の報酬を受け取るかということでしかなく,ビットコインを利用している人の取引に影響が出ることはありません。

この記事を書いた人

後藤 あつし
大手金融機関における市場リスク管理、信用リスク管理、流動性リスク管理、バーゼル規制対応等の長年の経験を有する。ビットコインおよびその技術であるブロックチェーンについては初期の頃から金融イノベーションに繋がる可能性を感じ調査・研究を行うとともに、主に金融の側面から関連事業者・団体への助言、各所記事や資料等の作成サポート、BTCNへの寄稿なども行なっている。

連絡先 gotoa123tアットマークyahoo.co.jp