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ビットコインは銀行やクレジットカードの手数料、チャージバックに苦しむマーチャントの悩みを解消する革新的なテクノロジーであるが、反面、消費者の保護という観点では欠陥が多く見られる。第三者に使われてしまえば、ビットコインを取り戻す術がないという現状においては、まさに「自己責任」の世界であり、一般ユーザーへの浸透を妨げる障壁となる原因のひとつであろう。

この状況を打破すべく、HyprKeyはビットコイン取引を用い、すべてのデジタル決済をインターネット詐欺から保護する「HYPR-3」を発表した。HYPR-3の提案する「3ファクタ認証」による厳重な個人認証を適切に用いれば、消費者に最高のセキュリティ・プライバシー保護環境を構築できるという。

従来の消費構造では、決済通貨のボラティリティやセキュリティへの不安、システムの複雑さを消費者に感じさせることなく消費を行うことが可能だった。もちろん今日の市場があるのも、国家や銀行、クレジットカードブランドなどの企業努力による賜ではあるが、ビットコインにおいては歴史が浅く、ビットコインの限定的な機能では補いきれない部分が多い。

ビットコイン決済に潜む罠

ビットコインによる決済は現状、消費者がビットコインで支払を行い、決済代行サービスを介してドルなどに変換しマーチャントへと払い出しを行う方法が主流となっている。この方法はマーチャント側にとってみればビットコインを保有することなく自国通貨で受け取れるためリスクは少ないが、消費者側に隠されたリスクがある。DELLなどのビットコイン決済採用企業は、ビットコインによる決済を10%オフで行えるようにするなど、消費者にとって魅力的なように、様々なメリットを提供することで、消費者が抱えるリスクを下げようとしている。

マーチャントがビットコインを持つ必要がないということはつまり、マーチャントはビットコインを持っていないということだ。これはつまり、消費者が払い戻しを要求したくとも、マーチャントはビットコインを持っていないために、ビットコインの不可逆な取引仕様のためにそれが出来ないということだ。HyprKeyの共同創設者兼CEOであるGeorge Avetisovは次のように語っている。

“If merchants can receive bitcoin without keeping bitcoin, then consumers should be able tospend bitcoin without ever owning bit coin.”
[訳] もしマーチャントがビットコインを保有することなくビットコインを受け取れるのならば、消費者もビットコインを所持することなく、ビットコインを消費可能であるべきだ。

HyprKey

HyprKeyが消費者をインターネット詐欺から保護するために選んだ方法は、至ってシンプルだ。Bluetooth対応であればどんなデバイスでも使える、ステッカーサイズの指紋認証パッチを貼り付け完成する「3ファクタ認証」による方法を提案した。

iPhone6で実装されたApple Payの指紋認証などは、そもそもiPhone自体が高価であり、先進国か一部の富裕層にしか普及しえないものだ。HyprKeyの「3ファクタ認証」の凄さは比較的安価なAndroidデバイスでも使用することが出来るということだろう。

指紋認証パッチ「HYPR-3」は、スマートフォンの裏などに貼り付け、決済時にパッチ上で指紋スワイプをすることで発生する静電気を認証トークンに用いるという。3ファクタ認証は「その人の指紋データ」、「その人のHYPR-3ステッカー」、「その人のPIN」の3つの要素で構成される。バイオメトリクス認証を組み合わせた「3ファクタ認証」プロトコルを用いることで、電子ウォレットのハッキング被害や不正使用から保護することが可能であり、個人情報の盗難も物理的手段をとらない限り、安全だ。

決済の未来

HyprKeyは、ベータリリースを行うとともに、25,000台のHYPR-3ステッカーの出荷を予定している。彼らの目指すものはビットコインウォレットを用いたビットコイン決済だけではなく、クレジットカード決済などすべての決済プラットフォームにHYPR-3の決済認証プロトコルを導入することだ。

HyprKeyは認証ゲートウェイの導入にあたって、0.02%程度のインターチェンジ手数料を取ると語っている。Avetisovは、ビットコイン取引コストの安さを充分に活用すれば、消費者・マーチャントの双方の手数料を限りなくゼロに近づけることが可能だと考えており、消費者は、自身のデビットカードを決済に用いる際、内部でビットコインがどのような働きをしているか考えることなく、安価な買い物を行うことが出来ると語っている。

ビットコイン決済の普及を加速させるためには、マーチャント側の利点だけでなく、消費者の安全を確保する必要があるだろう。HyprKeyは、ビットコイン取引が「不可逆」であったものを「可逆」的なものに出来るのかもしれない。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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