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2014年12月12日(金)と13日(土)の2日間、大規模な暗号通貨イベントとしては韓国初となるInside Bitcoins Conference & Exhibit が、ソウルのKorea International Exhibition Center (KINTEX)で開催された。

セッションは、ビットコインの基礎的な仕組みについての説明から、仮想通貨の価格分析、派生的金融商品(デリバティブ)の紹介、仮想通貨の利用におけるプライバシー保護の在り方など多岐にわたり、現地のビットコインスタートアップ代表からグローバル展開を進めるビットコイン企業の代表などが登壇してスピーチを行った。

参加者は事前の登録ベースで18の国や地域から申し込みがあり、イベント当日は雪が降り底冷えするなか、会場はブース展示事業者やイベント運営関係者を含め、多くの人たちの熱気で賑わった。

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(会場となったKorea International Exhibition Center)

 
今回のカンファレンス開催中、韓国でのビットコイン受入れ状況を探ろうと、現地のコミュニティーメンバーとの交流を図り、彼らの活動内容や今後の見通しなどについてインタビューを実施した。インタビューに応じてくれたのは、ソウルを拠点に活動をしているBitcoin Seoulの立ち上げメンバーで、Ruben Somsen(オランダ出身)、Chris Williams(カナダ出身)、Sean Chi(韓国出身)の3名だ。以下、3名への共同インタビューをまとめてお伝えする。

 

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(メイン会場の外にあるブース展示場の様子)

 

Q. コミュニティーが発足したきっかけや活動開始の時期は。

具体的な活動は、2014年2月17日から。最初は僕(Ruben)が、母国のオランダから来た友達からビットコインの話を聞いたのがきっかけ。そこで、ソウルにもビットコインのコミュニティーがあるかと思って探したが見つからないので、周りにも声をかけて、自分でコミュニティーを作ったのがはじまりだ。

 

 Q. ソウルには他にもビットコインのコミュニティーはあるのか。

オンラインベースのビットコインフォーラムはあるが、オフラインでも活動しているのは、おそらくSeoul Bitcoinのみだ。

 

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(Bitcoin Seoulメンバーが企画した交流会に参加)

 

Q. コミュニティーへの参加人数、どのような人が参加しているのか、また、活動内容や目的は。

登録ベースでは、275名だが、定常的に活動しているコアメンバーの数は大体20名程度。メンバーの多くは、普段、ビットコインとは関わりのない仕事を持っていて、プライベートの時間を利用してコミュニティーの活動をしている。メンバーのうち、半分ぐらいが(韓国に住んでいる)外国籍のメンバー、残りがローカルのメンバーという構成。会話は英語でなされることが多い。

週に2回の頻度でオフラインの集まりをしている。水曜日はカジュアルな集まり、土曜日はビットコインについての研究や啓蒙活動など、より企画された内容で活動している。ビットコインについての正しい情報を、より多くの人に伝えていくことが主目的だが、それぞれのメンバーが持ち寄る新しい情報の交換なども重要な目的になっている。

 

Q. コミュニティーの運営で気をつけていることなどあるか。

活動の開始から時間が経過するとともに、新しく入ってきたばかりの初心者と、より多くの知識を身につけた中上級者との理解の幅が広がってきている。活動内容が片方のグループ向けに偏ると、もう片方のグループが興味を失い、活動から離れていってしまう。今は、ビットコインの普及のために幅広い層の人々を束ねて行動することが大切な時期なので、双方のグループメンバーが継続して参加したいと思えるように、勉強会の内容もグループ分けするなど工夫している。

 

Q.  韓国でのビットコインの受け入れ状況の現状、そして、これからの見通しはどうか。

現状は、まだネガティブなイメージを持っている人、間違った情報に基づいて理解をしている人が非常に多い。だからこそ、コミュニティーはより多くの人に、正しい情報を伝えるように活動している。

今後の見通しだが、もともと、韓国は通信インフラも発達しており、新しいテクノロジーも積極的に生活に取り入れてきた背景がある。その傾向は、若い人だけではなく、高い年齢層の人たちにも当てはまることだ。そうした背景事情は、ビットコインの受け入れについても、ポジティブな要因として働くだろう。

一方で、この秋には(カカオペイを提供する)カカオトークのプライバシー問題が勃発して、非常に多くの人がカカオトークから他のアプリケーションに乗り換える動きがあった。テレグラムというアプリケーションは、カカオトークからの移転の受け皿となったアプリケーションの一つだ。テレグラムでのチャットは、より高いセキュリティで守られている。そのテレグラムが、カカオトークの事件が起こった直後に、アップルストアでいきなり上位にランクインするようになった。

こうした流れの中で、情報セキュリティの点でも特定の企業や団体に依存しないビットコインやブロックチェーンテクノロジーが代替手段として検討される契機になるのではないだろうか。

しかし、一朝一夕に進むものではなく、ビットコインが普及するには、まだ長い道のりがあるだろう。インターネットの普及とよく比較されるが、大きな違いは、ビットコインの場合、すでにインフラが整備された状況であること。正確な予測は難しいが、きっかけがあれば数年内に爆発的に普及することもあり得る。

 

Q. ローカルコミュニティーの活動も、グローバルな視点で検討されているか。

GBA(Global Bitcoin Alliance)という、各地のビットコインコミュニティがグローバルで連携する活動が、Facebook上ですすんでいる。各国のコミュニティーが、FacebookやSkypeなどを通じて情報交換を進めている。

例えば、イスラエルでのビットコイン受け入れば、韓国に比べて進んでおり、イスラエルのローカルコミュニティーから学ぶことも非常に多い。最近、日本のローカルコミュニティーもGBAに最近参加したようだ。こうした活動を通じて、日本のコミュニティーとも連携を取っていければ素晴らしいと思う。

 

Q. ビットコイン企業との関わりは。

コミュニティーのメンバーはプライベートの時間を充てて活動しており、営利活動ではない。活動範囲には、自ずと制約もある。ただし、Bitcoin Seoulは地元のビットコイン企業などとも交流があり、より広く多くの人に受け入れられるようにという目的を共有しているので、彼らの力に頼ることもある。今回のカンファレンスも、地元コミュニティーと企業との力が合わさっての成功だと感じる。

 

Q. 最後に、コミュニティー活動を継続しているメンバーの原動力は何か。

インターネットが普及し始めた1995年頃、その仕組みや将来の可能性などについて、次々と新しい知識や情報が入ってきた時の興奮を鮮明に覚えている。ビットコインコミュニティーの活動は、そうした興奮をほかの人にも提供できる喜びとともに、自分自身も多くの人との関わりの中で新しい情報に触れ、常に新たな興奮や喜びを感じている。そうした知的欲求が、活動の原動力となっているのではないだろうか。

 

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(Seoul Bitcoinの操業メンバー。左がChris、右がRuben)

 

Bitcoin Seoulの皆さん、忙しいカンファレンス開催中のさなか、快く取材にご協力いただき、ありがとうございました。

 

(文責: Yasu Watanabe)