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スウェーデン・ストックホルムに本拠を置くKnCMinerがビットコインのブロックサイズを2MBに引き上げるハードフォーククライアント「BitcoinClassic」を採用することを宣言した。

KnCMinerはビットコインのマイニングASICを世界のマイナーに向けて販売する傍ら、世界の全ハッシュレートのうち6%ほどを担う世界有数のビットコイン企業である。同社CEOであるサム・コール氏は、現在のビットコインのエコシステムが「体制的な危機に直面している」と述べ、問題解決に向けた彼の考え方を表明した。

「我々は今までのビットコインエコシステムの歴史上直面したことのない危機に瀕しています。これは完全に人的な問題であり、直視したくないかもしれませんが、極めて重要な話です。」

コール氏によれば、BitcoinClassicを選択することでビットコインの開発チームの分裂やハードフォークによる痛みが発生する可能性があるとのこと。しかし、それでも「できるだけはやく2MBのBitcoinClassicに移行すべき」と述べ、ブロックサイズ上限引上げを強硬することを選択した。

「ビットコインは、グローバル規模で採用されるにはあまりにも小さすぎる。長期的に見て、ビットコイン本来のポテンシャルを引き出すためにもブロックサイズをリサイズすべきだ。」

スケーラビリティ論争

ビットコインが現在直面しているのは、いわゆる「スケーラビリティ」の問題だ。1MBのブロックサイズを持ったビットコインのネットワークでは、平均して毎秒7トランザクションまでしか処理できないという問題がある。これは、一日の取引数に換算すると604,800トランザクションになる。

ビットコインのトランザクション数は、2015年1月の時点においてはおよそ7万〜10万ほどだったが、2016年1月現在は15万〜20万と、前年の2倍にまで膨らんでいる。このままビットコインのネットワークが成長すれば、来年には40万トランザクションにまで増加する見込みであり、ビットコインのブロックの67%が限界容量に達することになる。

限界容量に達し溢れたトランザクションはローカルプールに蓄積され、手数料を比較された後、空いている次のブロック、次の次のブロック、100個先のブロックと後回しに処理される。これは、ブロックサイズに空きがなくなるほど顕在化し、高額な手数料が含まれたトランザクションだけが処理されるという、いわゆる「手数料競争市場」と呼ばれる現象を引き起こす。

こうした状況下では、利用者はより多くの手数料を支払わなければならないため、マイニング作業を行うマイナーにとっては有利な環境が作られることになる。

これを是正するには、ビットコインのブロックサイズ(ブロックチェーンの容量)を引き上げる措置が必要になる。Bitcoin XTで実装されたBIP101はその代表的な例で、現在の1MBのブロックサイズを手始めに8MBまで引き上げ、その後2年ごとに倍増させ、最終的には上限値8GBに到達させるアルゴリズムが組み込まれていた。8GBであれば、毎秒5万トランザクション以上が処理可能になる。

しかしながら、半導体や通信回線の進化を度外視したとしても、こうした急激なブロックサイズの成長はマイナーにとってインセンティブに乏しい変更だと捉えられている。

ここでの問題は、「ブロックサイズに空き容量がありすぎると、適正な手数料が払われない」ことだ。マイナーにとってのインセンティブは今のところ、手数料ではなくマイニング作業によるビットコインの発行権が殆どを占めているが、今年にも半減期が到来し発行量が25BTCから12.5BTCに減少し、その後も一定周期毎に発行によるマイナーのインセンティブが失われていくことから、手数料によるインセンティブモデルを排除してしまうことは、将来的なビットコイン・ネットワークの堅牢さを損なわせることにほかならない。

ビットコインのネットワークには、こうした複雑極まりない「トークン経済」「セキュリティ」の問題があるためか、コア開発による変更は遅々として進まない、という状況だ。

昨年12月には、リードメンテナーの一人であるピーター・ウィールが、ソフトフォークだけでブロックサイズを75%まで圧縮できる「Segregated Witness」を発表しコミュニティの支持を得たが、これを「変更を避けるための複雑な変更」と揶揄する動きもある。

ハードフォークによるネットワークの分断を恐れる人々がいることは否めず、2014年10月にギャビン・アンドレセンがスケーラビリティ・ロードマップを提示して以来まったく進んでいないことも確かだ。マイク・ハーンの「Ragequit」はまさにその一端を示すものであり、業界はこの件を真剣に受け止める必要がある。

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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