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Night Paintings - Wave Of Colors

今シリーズ、「仮想通貨は長期投資でいこう!」では、これまでの2回で、仮想通貨は長期投資の対象として適さないという常識に反して、あえて長期投資しようということ、前回は生き残る仮想通貨の条件について書いてきました。今回は、実際に筆者自身が行っている、長期投資の対象となる仮想通貨を選択するアプローチ方法について書いていきます。

前回: 仮想通貨は長期投資でいこう! 第2回 生き残る仮想通貨とは

読者のみなさんは、これまでに、前評判の高い仮想通貨のプロジェクトで、クラウドセールや、プレセールなどに参加してICO(Initial Coin Offering)で仮想通貨に投資したことはありますか。最近では、Ethereumがクラウドセールで18百万ドルを集めたり、Ethereumネットワークを使ったプロジェクトのAugurもプレセールは大成功を収めました。もちろんこれらのクラウドセールに参加するということは、プロジェクトの支援者になるということでもあり、こうした投資家の存在がなければ、プロジェクトは成り立たなくなるのですから、クラウドセール自体を否定するつもりはありません。

しかし、私自身も以前は何度かクラウドセールに参加したことがありますが、最近はすっかりやめてしまいました。ICO時点では、開発者のコミットメントが守られるか、コミュニティが拡大するか、コミュニケーションが継続して重視されていくか、といった第2回でも書いている、生き残る仮想通貨の条件を十分に確認できないからです。一投資家として仮想通貨に関わり続けるためには、まず自分自身(の資金)が生き残っていくことが必要で、重要なのは夢ではなく実績なのだ、と少し冷めた見方をするようになりました。ちょっとつまらない人間になってしまったかもしれません。

前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

投資対象の仮想通貨を選択するためのツール

星の数ほどある仮想通貨の中からフィルタリング、スクリーニングをして、有望な仮想通貨を抽出するためには、ツールが必要です。利用するツールの種類はできるだけ少なくしたいものです。多くのツールを使うほど、自分自身の判断に迷いが生じるからです。私自身が使っているのは、CoinMarketCap、CoinGecko、CoinWarzの3つですが、実際にはCoinWarzは補助的に使っているだけなので、CoinMarketCapとCoinGeckoを主に使って投資対象候補の抽出をしています。それぞれのツールの特徴を簡単に説明しておきます。

1) CoinMarketCap
2013年5月から始まっているサービスですが、クリプト・カレンシー、アセットの時価総額をランキングしているシンプルなサービスです。データは5分毎にアップデートされ、現在640近いクリプト・カレンシーが登録されています。それぞれのカレンシーの時価総額の推移をチャートで見ることができる他、チャートを画像データやPDFとしてダウンロードできます。主に候補となる対象を見つけ出すために、時価総額の推移を見るために使います。

2) CoinGecko
CoinGeckoは、2014年4月に始まったツールで、クリプト・カレンシーを360度の視点から評価してランキングを提供しているサービスです。CoinGecko独自のアルゴリズムを使って、クリプト・カレンシーを、時価総額、市場流動性、開発力、コミュニティ、注目度という点で評価しています。定性評価のように見えますが、実際には例えば開発力であれば、Githubのリポジトリをトラックしたり、コミュニティでは、各種のSNSやフォーラムのフォロワー数やオンライン数などのデータを集めてポイント化し、計量的に採点しています。時価総額推移から選択した仮想通貨をスクリーニングするために使います。

3) CoinWarz
2013年5月に開始されたサービスで、採掘難易度や、マイニングの収益性を試算しBitcoinとの比較を行うためのツールです。どちらかと言うと、マイナー(採掘者)向けのツールですが、PoW(Proof of Work)の仮想通貨の場合、現在のハッシュレートを見たり、特定の採掘アルゴリズムの中でのハッシュレートのランキングを確認するために補助的に使います。

では、実際に私自身が行っている方法について、順を追って説明していきます。

投資対象の仮想通貨を選択する方法

 

1. CoinMarketCapを使ったフィルタリング

CoinMarketCapのサイトを開き、そのままだとカレンシーとアセットの両方が選択されていますので、カレンシーのタブを選び、カレンシーのみの時価総額ランキングを、フルリストで表示させます。現在は640程度の種類のカレンシーがリストアップされていると思います。
私自身の場合は、既にある程度の時価総額があるものを対象としていて、最低50,000ドル程度を基準としていますので、現在だと約130位くらいまでの仮想通貨が対象となります。

後は、ひたすら一つずつ、時価総額のチャートを見ていく作業です。えっ、バカらしいって? いやそれくらいの努力をしないとだめでしょう。そして時価総額推移が上昇傾向のもの、ニュース等で見て気になった仮想通貨、そうしたリストアップしたい仮想通貨のチャートをすべて画像でダウンロードします。画面のキャプチャでも良いですが、とにかく気になる仮想通貨の時価総額推移のチャートを一度全部保管します。

btcchart

(チャートをダウンロード、またはキャプチャして、スライドショーにして眺める)

そして、全部ダウンロードをし終わったら、チャートをスライドショーのようにして何度も見ながら、下降傾向が続いているものや、時価総額が発行以来全く増加していないものを、はずしていきます。何度も見て、時価総額が上昇傾向であったり、下降傾向が長期間続いていない仮想通貨のみを残していく作業です。基本的には時価総額は仮想通貨の価格に比例しますので、価格で見ても良いのですが、時価総額でフィルタリングしていますので、時価総額で追っていくのがよいかと思います。

ええ、つまらない作業ですよ。なるべく、ワクワクしないほうがいいんです。先入観を持たないこと。最後にフィルタリングによって残った仮想通貨はリストを作って、表を作ります。表はこんな感じです。これで第1ステップのロングリストの完成です。

longlist2

2.CoinGeckoを使ってのスクリーニング

リストアップをしたコインのファンダメンタルズを調べていきます。しかし、それぞれの仮想通貨のWebページを訪問するのは、この時点ではまだ早いです。先ほどリストアップしたリストにCoinGeckoの評価ポイント、取引所の情報を記入していきます。

そして、CoinGeckoにリストアップされていない、あるいは著しくポイントが低い仮想通貨については、理由を調べます。まだ新しすぎる、取引所にリスティングされていない、特定の企業の資産などにバックされたもの、こうしたものは対象からはずします。

次に取引されている取引所情報からもスクリーニングします。取引所がマイナーな取引所だけのもの、例えば中国国内の取引所だけのものや、1つの取引所のみに上場しているものも要注意です。例えばBittrexは比較的簡単に新しい仮想通貨がリスティングされますが、リストからはずされるのも早いです。1つの取引所のみで、取引量の少ない仮想通貨は長期投資には向きません。

こうして、長期投資に向かない仮想通貨をはずしていって、ショートリストにしていきます。こんな感じですね。

shortlist

3.それぞれの仮想通貨のWebページなどを読み込む

ホワイトペーパーまで読み込むことはしていませんが、ショートリストでリストアップしたそれぞれの仮想通貨を自分なりに調べてみます。公式サイトや、ニュースサイト、Twitterや、BCTなどを自分の目で見て、なにがSomething Specialなのか、どのような計画があるのか、Webサイトは更新されているか、コミュニティの議論はなどを、ある程度の時間を使ってリサーチします。

特に公式Webサイトが全く更新されていなかったり、閉鎖してしまっているものは、アウトです。即対象からはずします。また、PoWの仮想通貨は、この時点でCoinWarzでハッシュレートを確認します。ネットワーク上のハッシュレートが非常に少ないようであれば、対象からはずします。最後のスクリーニングはどうしても主観的になってしまいます。もう少し定量的なアプローチ方法にしたいのですが、今のところ良い方法を考案できていません。

4.投資対象の決定

こうして、スクリーニングを行った中で、投資したい仮想通貨を決定します。最後にもう一度、時価総額の推移のチャートをよく見て、最終決定しています。この選定プロセスは1~2ヵ月に1回は行って、追加投資や、ポートフォリオの入れ替えをしていくべきだと思います。思惑通りに価格が上がらない場合は、難平で投資額を増やすのではなく、自分のシナリオが間違っていたと、素直に損切りをしたほうが、結局は、他の仮想通貨に資金を回すことができます。今回行った選定プロセスで実際に投資対象にしたのは、以下の銘柄です。

さあ、数ヵ月後、どうなっているでしょうかね?

target

できるだけ、最初のプロセスでは主観を省いて選定するよう心掛けていますが、最後には主観が入ってしまいますので、きっと私の方法を真似しても、同じ結果にはならないと思います。私自身がこのような選定アプローチをとっている目的は、評判や人気、先入観で投資対象を選ぶのはやめよう、と思っているからなのです。株式投資にも似ていますが、財務諸表があるわけではないので、EPSが高いとかROEだとか論理的な正解というのはありません。結局は投資した仮想通貨はが人気が出て、取引が活発になり、多くの人が使用したり保有したい仮想通貨になっていくか、ということを自分なりに推測していくということです。推測していくというプロセスは結構楽しいものですよ。あなたも試してみませんか?

この記事を書いた人

守田 狐Bitcoin投資研究所
自称ビットコイン投資家。クラウドマイニング、アルトコイン投資など、暗号通貨時代を先取りし、ビットコインを投資・資産形成の視点から研究。実際に投資運用して、ブログ「Bitcoin投資研究所」を運営しています。
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