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クレジットカードの国際ブランドであるマスターカード(MasterCard Worldwide)が、ビットコインなどデジタル通貨取引における匿名文化へと異議を申し立てる文書を、オーストラリア議会常任委員会へ提出(PDFをダウンロード)していたことが明らかとなった。

マスターカードは、仮想通貨による商取引への規制の欠如は、消費者や事業者が安全な取引を行う場を構築することが出来ず、彼らを保護するためにはすべての金融サービスが同一の規格で運営されるべきであることを声明の中で述べている。

“決済システム業界すべての参加者が消費者へと同様のサービスを提供するには、全体へ公平な場を形成するために同様の規制がなされるべきである、というのが当社の見解だ。また、規制のいくつかは、(ビットコインのように)技術の進歩とともに現れるであろう新しい決済サービスプロバイダへと実施可能なよう、技術に囚われない内容であるべきだ。”

リスク対策が必要

マスターカードはビットコインを用いた匿名決済の容認は、資金洗浄や反社会的勢力の容認に繋がるであろうと述べた:

“オーストラリアが採決する規制は、仮想通貨取引における各当事者の匿名性に対処すべきだ。MasterCard上で行われる取引とは正反対に、仮想通貨取引のの匿名性は、違法なサービスあるいは商品の購入、資金洗浄やテロ組織への資金提供を可能にする。よって、規制当局や警察の捜査を免れ、消費者や社会的な損害を招く様々な活動を助長するであろう。”

更に、ビットコインはマスターカードが自社に求める安全基準を満たしておらず、その様々なリスクは利用者全体に大きな損害を与える可能性があると強く主張している:

“消費者にとって決済サービスは、信頼性があり、安全かつ安定していなければならず、重大なボラティリティやリスクに曝すことなくその価値を保証する必要がある。そして、消費者や他の利害関係者(規制当局、政府、銀行、マーチャント)が期待するすべての基本的な保護を提供しなければならない。”

マスターカードはこれらの規制をビットコインだけでなく、他の有力な仮想通貨やリップルなどブロックチェインを用いた「価値の交換システム」すべてに適用すべきであると主張している。また、ビットコインが銀行や管理者、規制機関を持たないことは仮想通貨の欠点であり、このことが意味するのは、仮想通貨がその価値を失う、あるいはシステム障害が発生した場合に、消費者に請求権がないということであると述べた。

ビットコインとクレジットカードの競合

マスターカードは国際的なクレジットカードブランドであり、顧客から数パーセントの手数料を取ることで毎年数百億の利益を得ている。ビットコイン決済事業者は、ビットコインの極めて低コストな手数料(0.0001~0.0003BTC = 4~13円)から、明確にクレジットカード業界に代替する機能として、国際的な決済手段として普及を進めている。

クレジットカードブランドは、集中管理された膨大なネットワークを構築するためのインフラコストがネックとなり、ビットコインのような最小限の手数料と競争することが出来ない。ビットコインとカードブランドの決済額について、CCNCoinmetricsという面白いサイトが紹介されていた。このサイトでは国際的なカードブランドや決済サービス、ビットコインの取引額がモニタリングされている。データを見ると、ビットコインの取引量は90,000回と少ないが、取引額では既にウエスタンユニオンの半分近くにまで迫っている。

2009年にはまだ世界に知られていなかったはずのビットコイン決済システムは、たった5年でここまで成長している。確かに現在は違法活動への対策が充分ではないため、第二第三のシルクロードを作らないためにも規制による対策は必要だ。しかしながら、規制によってビットコイン産業の成長を阻害することがあってはならない。ビットコインのイノベーションが阻害されなければ、次の5年でどれほど成長できるのだろうか。マスターカードは明らかにビットコインを競合として認識している。今後は更に目が離せない状態になりそうだ。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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