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 2016年3月4日、ビットコインを法的に定義する新規制法案を含む改正案が閣議決定され、5月25日に可決した。これを契機に、国内でも大手企業が続々と参入表明を行うなど、本市場はますます盛り上がりの兆しを見せている。

 本連載では、ビットバンクの廣末が聞き手となりビットコインとブロックチェーンの市場に参入表明を行なっている企業、または既に参入している企業にインタビューを行っていく。この領域に取り組む企業が、どのような背景から関心を抱き、市場参入を決めたか。そして、この技術を通じてどのような将来を描いているか。「ビットコイン/ブロックチェーン×事業」をテーマに、仮想通貨に挑む企業の狙いを全8回の対談で明らかにしていく――。

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 第五弾は、日本マイクロソフト株式会社の 大谷健 氏です。マイクロソフトは、Microsoft WindowsやMicrosoft Office、Microsoft Azureなどで知られる世界有数のグローバル企業ですが、ブロックチェーンのインフラを「Azure BaaS」として展開し、ブロックチェーンのイノベーションを推進していることでも知られています。

 2014年に当時クラウド責任者だったサティア・ナデラ氏が新CEOに就任してから、マイクロソフトはオープンソースに大きく舵を切りました。ブロックチェーンもまた、ビットコインのオープンソースプロジェクトから生まれ、オープンソースで育った技術。マイクロソフトは、このエコシステムをどうやって伸ばしていくのでしょうか。


廣末:近頃、Microsoftのブロックチェーンに対する取り組みがメディアを通じて頻繁に取り上げられてますが、実際どのような取り組みをされているのか、今一度教えて頂けますでしょうか。

大谷:これはやはり金融のメッカであるニューヨークから始まった流れでして、ブロックチェーンもフィンテックの文脈からスタートしております。昨年9月にR3コンソーシアムが立ち上がり、我々Microsoftもいち早く協業しました。ブロックチェーンの実証実験を9行で開始するとアナウンスされた際に、そのプラットフォームとして当社のサービスが活用されました。

 ちょうどその時期にBlockchain as a Serviceの略称としてBaaSという呼び名が生まれました。BaaS自体は、製品でなく、多様なブロックチェーンプレーヤーが当社のクラウド Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)からブロックチェーンをサービスとして提供するというビジョンです。例えばイーサリアム(Ethereum)の技術を使ったエンタープライズ向けサービスをやっているConsenSysがあります。BaaSを進める上で、ConsenSysとの取り組みがBaaSのビジョンを牽引したと考えております。

 ConsensSysはニューヨークのブルックリンに本社を持ち、現在100名を超える従業員を抱えて急速に成長しているスタートアップです。やはり、オープンソースがエンタープライズに活用されるためには商用サポートが重要ですよね。そこで、元々イーサリアム・ファウンデーションにいたジョセフ・ルービンという方がConsenSysを立ち上げて、エンタープライズに提案するインフラとしてMicrosoftと協業する選択をしたと。

 そしてイーサリアムだけじゃなくリップル(Ripple)とかエリス(ERIS)とか、さまざまなブロックチェーン・テクノロジーがありますが、やはりお客様によって要件は変わってきます。それぞれの要件に合わせたブロックチェーンが存在しており、簡単に試せる環境が必要だよねと。環境構築をするために時間をかけずにサクッと立ち上げられるツールとして、Microsoft Azureを使ってもらおう。当社ではMicrosoft Azure上にMarketplaceを持っており、ここにイメージを載せて、ボタン1つで設定も含めてできるようにしていきます。

Microsoftが提供するAzure BaaSのエコシステム

Microsoftが提供するAzure BaaSのエコシステム

廣末:必ずしもイーサリアムだけではなく、その他のブロックチェーンも追加していくと。

大谷:そのとおりです。もちろんイーサリアムに関してはフィンテックだけではなく、特にエンタープライズ向けのプライベートチェーン領域でも活用できると考えていますが、さまざまなブロックチェーンがありますので、特別イーサリアムだけを推すということではありません。当社としては、やはり開発者の方々にフォーカスしています。開発者の方々があってのクラウド会社なので、そういったツールを提供したいと。

 加えて、サーバークライアント型のアプリケーションではなくて、分散型アプリケーション、DApps(ディーアップス)と言われているような、コスト安で、共有が簡単で、不正がしにくいブロックチェーンのアーキテクチャを活用したアプリケーションを開発者の方々に作ってもらいたい。そうすることで、今まで実現してこなかった新しい世界がDAppsでブロックチェーンの上に展開出来るようになると考えています。その意味ではイーサリアムは現時点において抜きん出ていますし、ConsenSysもかなり、その点を重視して戦略的に取り組んでおります。例えば、金融の領域であればデロイトとの協業ですとか、非金融の領域であれば、TransActive Gridと呼ばれるような個人間(P2P)の電力の取引、他にも汎用的なIDを管理するuPort(ユーポート)がありますよね。

 Microsoftは、今までもこれからもプラットフォーム・プレイヤーとして取り組んでいきます。WindowsはOSプラットフォーム、Officeはプロダクティビティプラットフォーム、今はMicrosoft Azureをクラウドプラットフォームとして提供しています。このクラウド上で、社会やビジネスにインパクトを与えられるアプリケーションが開発されることで、Microsoftの価値も上がってくる。ブロックチェーンの領域にもこうしたエコシステムを作っていきたいと考えています。

廣末:その意味において、現時点ではスマートコントラクトはイーサリアムだけのものですが、ビットコインのザ・ブロックチェーンでも使えるようなソリューションが作られています。その場合は、ビットコインを組み入れていくということも考えうるのでしょうか。

大谷:誰でもウェルカムという状態ではあるので、イチから作ったり、環境を立ち上げることが難しい場合は充分にありうると思います。カラードコインのようなものもありますし、これから出てくる新しいブロックチェーンもありますし。それを提供する器としてAzure BaaSがありますから、ぜひ国内外問わず使っていただきたいと考えています。当社が日本におけるブロックチェーン市場に参画しているのは、やはり国外で起こっているブロックチェーン革命が日本でも起こってほしいと考えてのことですし、国内のブロックチェーン・プレイヤーが世界に進出していくための足がかりとしても使ってほしいという思いからです。どのテクノロジーもそうですが、ブロックチェーンには国境がありませんので、世界に持って行きやすいという側面もあります。日本から先進的なブロックチェーンのプレイヤーが、できればMicrosoftのプラットフォームで世界に展開していただきたいという思いがあります。

廣末:御社は、ブロックチェーン推進協会(BCCC)と日本ブロックチェーン協会(JBA)の両方に参加されていますよね。

大谷:はい、当社はBCCCにもJBAにも参加させていただいています。

廣末:やはりそこは、リーチを考えて。

大谷:仰る通りで、当社はクラウドで、このブロックチェーンのビジネスを加速し、グローバル化もできると思っています。破壊的な可能性を秘めた市場になると信じていますし、4月28日に経産省が発表した「国内市場規模67兆円」の予想。このような経済へのインパクトを予想した報告書も出ている中で、どうやってこれを実現するかを考えると「誰々とだけ付き合って、他とはやらない」みたいな内向き志向は産業全体のスローダウンしか招きません。当社はボタン1つでテストできる環境を提供することで、開発者にフレンドリーな環境づくりにフォーカスしてやっていきたいと思っています。

廣末:ありがとうございます。その他にやられている活動などはございますか?

大谷:ブロックチェーン開発者のサポートです。例えば、Smart Contract Japanさんが主催している、スマートコントラクト・ミートアップ。2015年からイーサリアムに注目されている佐藤智陽(サトウトモアキ)さんが運営しているコミュニティがあるんですが、これを、過去15回ほどMicrosoftの会場を提供しています。当然ビジネスも作っていく必要があるとは思いますが、ブロックチェーンを使える開発者の方々が日本には少ないと感じておりまして。

廣末:確かに、スマートコントラクトを扱える、ブロックチェーンを正しく理解しているという方は非常に少ない。

大谷:ですので、コミュニティの形成や活動といったところにも寄与していきたいと考えております。

廣末:すばらしいですね。

大谷:また需要喚起の点で言えば、東洋経済新報社が「Smart Contract Conference 2016」を今夏、7月26日に開催されます。そこに当社もスポンサーをさせていただくことでブロックチェーンの市場拡大をサポートさせていただけると考えています。まずは世界が何をやっているのかを理解して、それを日本の文脈に置き換えると何ができるようになるか。そういったものを来場者の方に見ていただきたいですし、国内のブロックチェーンのプレイヤーとしては、テックビューロやカレンシーポートなどがいらっしゃるわけですから、日本の銀行や証券会社といったところとの繋がりを作り、エコシステムを作っていきたいと思ってます。

Microsoftが描く、日本のブロックチェーンエコシステム

Microsoftが描く、日本のブロックチェーンエコシステム

大谷:アメリカだと金融機関でも内製したりするんですが、日本の場合はコンサルやSIerにアウトソースすることが多いと思います。アメリカで成功しているモデルがそのまま日本に持ってこれるかというと、そうではなく仲介者が必要になりますので、日本のエコシステムに合わせたやり方や調和の取り方といったものが重要になってくるのではないでしょうか。みずほファイナンシャルグループと電通国際情報サービス、カレンシーポート、Microsoftでやっているシンジケート・ローンの実証実験はその第一歩だと思います。

 これは今順調に進んでいまして、1つの良いロールモデルになるんじゃないかと考えています。ブロックチェーン・プレイヤーとSIer、エンドユーザーと、プラットフォーム・プレイヤー。この4つのプレイヤーがうまく、お互いの強みを活かして、1つのプロジェクトをやる。少なくとも現時点では、これが日本における成功の秘訣だと思いますね。

 これからどんどんエコシステムを拡げていく中で、ブロックチェーン・プレイヤーが増える必要がありますし、ブロックチェーンができるSIer、コンサル会社も増えていかなければなりません。そして、ブロックチェーンを使いたいと思うエンドユーザーも同様です。67兆円の経済規模ですから、自分たちにも、社会にもメリットがある。既に皆さん関心を持たれてると思いますが、まだベクトルがあってないんじゃないかなと思うところもあります。当社はこのベクトルをあわせるために、旗振りができればと思っています。

廣末:規模もまだまだ小さくて、始まったばかりの市場なのでブロックチェーン・プレイヤーも非常に少ないですし。そこをまず大きくしていかないといけないですよね。

大谷:特にブロックチェーン開発者の方々は、結構若い人が多いという印象があります。今はそれなりに経験がある方が会社を立ち上げていますが、そこにいるエンジニアさんは非常に若い人ばかりなんですよね。しかも、どこか特定の会社に属している感じもなくて。誰かが、もっと彼らを束ねていく必要があるかと。

 これは、まだブロックチェーンがマイナーでニッチだということだと思います。当社ではメインストリーム化と呼んでいるのですが、67兆円規模にまで市場を拡げるには、やはりニッチプレイヤーだけでは難しい。ジェネラルなSIerやエンジニアの方々がこのテクノロジーに触れていただく必要があると思ってます。それは今のプレイヤーの仕事を取るという小さい話ではなくて、この大きな市場のパイを拡げるために、ノウハウを共有していくのが大事かなと。もちろん、ノウハウを吸い取られて終わってしまうことは避けたいので、そこはうまくバランスを取っていく必要もありますが。

 ブロックチェーンは本当に破壊的なテクノロジーなので、一旦採用されれば、銀行の業務も一気に変わります。今までの取引、価値のやり取りの多くが第三者機関の必要性を排除して、いわば民主化されていく。こうなると、「やっぱりこのテクノロジーを使ってどんどん作ろう」となっていきます。

 私は5年間クラウドの製品マネージャーをやって、日本のデータセンターを立ち上げたので思うのですが、やはりクラウドが出始めた頃は「今あるものの引っ越し」で使われることが多かったんですね。「クラウドなら安いから、引っ越せ」と。MicrosoftではこれをLift & Shiftと言っているんですが、確かにコストは下がるけどそれ以上の価値はない。

 ところがクラウドが成熟してきた今、何が起こっているかというとIoTだったり、AIだったり、「クラウドで新しい事業をやろう」と。つまり、ブロックチェーンを使うことによって「ないものを作り出す」というイノベーション。今システム化されていない、実現できていないビジネスをゼロから作り出すオープンイノベーション的なアイデアで、色んな社会・経済をより良いものにできるのではないかと思います。

廣末:仰るとおりだと思います。単に今あるものの置き換えではなくて、技術やコスト構造の制約でできなかったものが、新しいテクノロジーでできるようになる。新しい世界観を作り出していくというのが非常に重要なのかなと。

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クローズドからオープンへ

廣末:御社は最近、クラウドもさることながらオープンソースに力をいれている印象があります。ブロックチェーンをはじめられたのも、そういった背景からなのでしょうか。

大谷:そうですね。Microsoftはかつて、オープンソースの取り組みはほぼありませんでした。それが、今はオープンソースにコミットしている。色んな人が、色んなアイデアを出して一緒に作っていくオープンソースの考え方や取り組みをどんどん取り入れていくようにMicrosoftは変わりました。

 ライセンスを売るビジネスモデルから、タダでモノを提供して使っていただく。まずは無料で、好きになっていただいてから、お客様が考える価値に合わせてお支払いいただく。当社が「コンサンプション」と呼ぶ消費モデルに変わったんですね。これが転機となり、「我々も動かなければいけない、トランスフォーメーションしよう」と。その中で、IoTだったり、ビッグデータ、人工知能といった製品を持っていますが、もう1つの切り札としてブロックチェーンに注目しています。

 長期的な取り組みになるかもしれませんが、間違いなく従来のアプリケーションの在り方を覆すようなアーキテクチャですので、今までにないものが絶対に出てくると思います。そして、それは恐らく従来の大手さんではなくて、若い人たち。一生懸命、世界の情報を追って吸収しているような人たちが中心になりうると思います。現にEthereumを発案したロシア系カナダ人のVitalik Buterinも22歳ですから。新しい世代なら新しいことをやってくれるという期待もありますし、今正しいと思われていること、これからやることが正しいかどうかも、やってみないとわからないですしね。

廣末:仰るとおりだなと思ってて。Vitalikの話を聞いてても、正直よくわからないなと思いますし、とはいえそういう人たちが新しい革新的なものを生み出しているという現実を考えると、若い世代が次世代を作っていくんだなと。インターネットの時も、メインストリームを作ってきたのはそういう特殊な人たちだったので。

大谷:そうですね。

廣末:ブロックチェーンから脱線しますが、クラウド領域だと御社とAmazonの2強だと思うんですけども。Microsoftとしては、Amazonとの差別化とか、戦略の違いはどのあたりにあるんでしょうか。

大谷: Microsoftは開発者の方々の利便性を第一においていたのでPaaSからクラウドビジネスをスタートしています。2年前からIaaSもやってますが、元々のオリジンはPaaSです。AmazonさんのクラウドはIaaSからスタートされ、IaaSは自分たちのサーバーを引っ越しするためには、とっても親和性があったわけです。

 IT会社さん向けなのか、開発者さん向けなのか。あとは、Microsoftはとにかくハイパースケール、とにかくスケールしていけるというところを強みとしているので、差別化要素としては大企業でも安心して使える。大企業じゃなくても、エンタープライズのクラウドが使える。そこを我々のポジショニングとなります。かつ、Windowsだけじゃなくて、Linuxも提供していて。現在我々のクラウドの25%はLinuxです。

廣末:10年前だと考えにくいですね。

大谷:考えにくいですね。今のCEOはLinux ラブですね。

廣末:組織全体がオープン思考に。

大谷:オープン思考です、もう。ヘテロジニアスな環境でしか、お客様は投資をしないですよね。その中に、われわれ一緒にエコシステムの中で生活させていただいてる。なので、貢献していこうと。オープンソースの中でも、いろいろなコントリビューションありますけど、今ではMicrosoftが断トツ1番です。

廣末:徐々に領域が被りつつも、Microsoftはエンタープライズ。Amazonはウェブサービス。そういうような棲み分けには、今はなってるっていう。

大谷:インターネットの世界は、Amazon Web Serviceの存在感は非常に強いと思います。ただ、ウェブを超えたエンタープライズのシステムになってくると、やっぱり安心感も必要になってきます。

 そこにはIBMさんもいらっしゃいますし、当社もいますし、オラクルさんもいますんで。やっぱりファイアウォールの中と外では、少しニーズが違うかなと。あと、IoTとかブロックチェーンは、ウェブを超えて中とか外とか機関とかと繋いだりとか、いろんな要素が組み合わさってきますよね。ブロックチェーンもアプリケーションを作ったとしても、バックエンドで繋がらないと本当の価値を金融では生み出さなかったりするので、中と外を行ったり来たりっていうのに対応できるクラウドだったり、その製品群がないといけない。Microsoftはそれを提供していきたいと思っています。

廣末:実際、金融系のブロックチェーンの応用を考えた時に、銀行がAWSを使うのかという疑問もありますね。

大谷:この領域ではMicrosoftが先行しているという自負があります。私が担当しているIoTだとか、AIだとか、ブロックチェーンでも、着実に実績を残しているという実感があります。

ハイプで終わらせたくない

−−−今回、7月26日に開催されるスマートコントラクトカンファレンスにMicrosoftが協賛されていますが、これはどのような経緯や目的でやられているのでしょうか。

Smart Contract Conference 2016は2016年 7月26日(火)10:00~20:00に開催

大谷:経緯としては、最近、ブロックチェーンという言葉が話題になり始めましたが、まだスマートコントラクトという言葉は浸透してないんですね。これはもともと、1997年にニック・サボーが提唱したコンセプトなんですけど、ブロックチェーンが生まれて、出会って。スマートコントラクトを実現する方法の1つとしてブロックチェーンはシナジーがあるよねと。

 最近では少しずつビットコインとは独立してブロックチェーンという言葉が語られるようになってきている中で、そのビジネスインパクトを最大限に引き上げるのは、ブロックチェーンという要素技術を使って作られるスマートコントラクトのアプリケーションだと思っています。なので、この話が上がってきた時に、そういう角度でやるのであれば面白いなと。単純にブロックチェーンの技術コミュニティに対してのメッセージではなくて、スマートコントラクトを使って実現できるビジネスに直接メッセージアウトできるなら、それはぜひスポンサーをやりたいということで始めました。

廣末:実際、スマートコントラクトになってくるとビットコインとかと違って、ビジネスをやられてるみなさんが自分の領域だと関心を持って参加をしてくれますよね。

大谷:しかも金融とそれ以外の応用領域っていうふうに、非金融領域までいこうとしてるので。幸い経産省さんがレポート出してくれたことで、「67兆円ってなんだ」とみなさんなってると思うんですね。そこに対して、実現方法や応用方法といったところを、世界のリーディングカンパニーが集まってお話をする。非常に面白いカンファレンスになると思います。

廣末:誰が来られるのでしょうか?

大谷:ConsenSys CEOの、ジョセフ・ルービーをはじめとした面々ですね。

廣末:ConsenSys色が強いと。

大谷:なので、やはりEthereumがメインにはなるのかなと。

廣末:どちらかっていうと、インフラってよりはアプリケーションって話になるんでイメージしやすいと思います。

−−−やはり、R3もそうですが皆さんスマートコントラクトが使いたい。Cordaもそうですし、4月にバークレイズが出したデモもブロックチェーンじゃなくて、似たシステムでスマートコントラクトが動かせますと。

大谷:そうですよね。結局はそこかなって気はしますね。Ethereumが今そこに抜きんでてることは間違いないと思うんですけど。必ずしも、Ethereumだけが世界を変えられるというわけではないと思いますし。我々は分散型のアプリケーション、いわゆるスマートコントラクトが、社会を変えていけると考えています。これを受けて色々なものが今後出てくるんじゃないかなと。

廣末:そうですね。実際、IoTも非常に親和性が高い。

大谷:そうです。これはIoTもグーッと盛り上がってきて、十数兆円だっていう市場の中、やっぱりマネタイゼーションの部分でみんな困ってたりするんですよね。サーバークライアントでシステムを作っていくとペイしないようなIoTシナリオもたくさんあるので。これはやっぱり、ブロックチェーンが一役買えるんじゃないかなって思います。

廣末:僕もやっぱり、マイクロペイメントみたいなものも絶対にブロックチェーンが使われるだろうなと思いますし、どう進化するとしても、マネタイズの方法が見せられれば一気に拡がるし、熱そうな領域だなだと思います。

大谷:今、日本では金融ばかりが引き合いに出されていますけど、世界を見るとそれ以外の利用例がどんどん出てきています。日本ではまだ成長の余地があると思うので、今回の7月のイベントを通じて浸透していけばいいなと思います。Slock.it(スロックイット)とか、未来予測のGnosisとか音楽著作権のUjo Musicも来てくれるので。P2Pの太陽光発電みたいなユースケースもお見せできるかと。

廣末:Slock.itはじめ、Ethereum界隈は良くも悪くも話題が多いですから、何が聞けるか楽しみですね。本日はどうもありがとうございました。


Smart Contract Conference 2016

インタビュー連載「仮想通貨×事業」

第一回 セレス都木聡 社長 仮想通貨のソーシャルインパクトは計り知れない
第ニ回 DMM 亀山敬司 会長(前編) ビットコインは将来的に化けたらすごい
第ニ回 DMM 亀山敬司 会長(後編) 水族館からモノづくりまで、"なんでもアリ"の先にあるもの
第三回 GMOメディア森輝幸 社長 ブロックチェーンはインターネットに次ぐ"変革"だ
第四回 マネパ奥山泰全 社長 いちはやくマーケットインしている会社でありたい
第五回 マイクロソフト大谷健 氏 日本のロールモデルを提示したい
第六回 さくらインターネット田中邦裕 社長 ブロックチェーンで社会は既に変化し始めている
第七回 インフォテリア平野洋一郎社長 ブロックチェーン推進協会設立のワケ
第八回 WiL久保田雅也パートナー 人類は未知の領域<テレポーテーション>に突入した

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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