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先日、香港のビットコイン取引所「マイコイン」が閉鎖し、460億相当のビットコインが失われたとのニュースがあった。これによると、香港立法会が記者会見を行い、3000人の顧客が平均100万香港ドルほど購入し、30億香港ドル相当のビットコインが引き出せない事態となったそうだ。

そう、これはまるでマウントゴックスの再来かのようだ。さらに、マウントゴックスの被害額もまた470億円相当であるとされており、消失したビットコインは75万BTCと言われている。昨年2月からビットコインの価格が60%ほど下落していることを鑑みると、マイコインが消失させたビットコインは187万BTCに達することになる。ビットコインの総発行量が現在1400万枚弱(Blockchain.info)なので、なんと全体の13%ものビットコインが失われたのだ!

結論から言うと、これは依然として想像上の被害総額であり、また、消失したのはビットコインではない。これは、単なるネズミ講だ。

 

ビットコイン取引所破綻という虚像

改めて情報を辿ってみると、不思議な事実が発覚した。まず、当該サイトのMyCoin.hkはビットコイン取引所ではあるが、仮に全体の13%のビットコインを保有していたとしたら恐らく世界最大クラスの取引高を誇る超有名取引所であったはずだ。しかし、事件が発覚するまで誰も知らないような取引所であり、実際それほど多くの取引が行われているようには見えなかった。つまり、これは取引所ではなく、別の問題だということは明らかだ。

SCMP(香港)によると、マイコインは一口40万香港ドルで90BTCの購入権を販売し、4ヶ月で100万香港ドルのリターンが得られると宣伝して投資家を集めていたと説明している。さらに、マイコインは後から入ってきた投資家の利益の一部を先行投資家へと還元するネズミ講の仕組みで投資家を誘惑していたようだ。(2014年12月には新規顧客を獲得するまで、現金の出金は受け付けないとの告知を出していた…。)

香港立法会の梁議員はまた、明らかとなっている被害者数は30人であると報告している。被害者の投資額は一口から七口となっており、平均を取ると100万香港ドルであり、推定被害者数3000人(どこから算出したのかは不明だが)が全員100万香港ドルを投資すると、30億香港ドルという数字になったというのが実情だ。

また、投資家の多くは誰がどんな投資を行っているのかすらもわからなかったとコメントしている。

マイコインが実際にビットコインを購入しトレードを行っていたかは不明であるが、ビットコインを詐欺の道具に使われたというのは極めて許しがたい事件である。最近もテロ組織が資金や武器の調達にダークウェブとビットコインを利用しているというニュースが見られた。

詐欺の手段としてビットコインが用いられることは想定していたことだ。しかし、それは実際のところ使う人間の問題であり、ビットコインが抱える問題ではあるが、少なくとも取引所の問題ではない。報道されたニュースは、ミスリードを招く虚構である。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
monacoin:MTn7hiNovBHyN7gjtvD1Hh7W96Zmghp41B
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