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nes2015
4月7日から8日にかけて、新経済連盟(代表理事:楽天 三木谷浩史社長)が主催する新経済サミット2015が行われた。8日には米国のビットコイン企業3社が来日し、ビットコインの利用可能性について語った。新経済サミット(NES2015)は、2月23日に行われた楽天金融カンファレンス(RFC2015)に続いて「ビットコイン」のテーマをプログラムに含めた大規模イベントだ。

関連:RFC2015レポート

登壇したのはビットコインの販売アプリを展開するCircle、手数料0.5%固定の決済プロセッサSNAPCARD、暗号通貨取引所Kraken、日本のビットコイン事業者bitFlyer、マーチキャピタルパートナーズの計5社で、最先端のスタートアップ企業の創業者がそれぞれ集結した。

ユースケース

最初の議題はビットコインのユースケースだ。これにはKrakenの共同創業者兼CEOであるジェシー・パウエル氏、SNAPCARD共同創業者兼CEOであるマイケル・ダンワース氏が答えた。

パウエル氏はビットコインのようなボーダーレス通貨のユースケースとして、World of WarcraftやEverquestといったオンラインゲーム内の通貨としても使えるだろうと語った。暗号通貨はインターネット上のお金であり、ブロックチェーンという信頼できる分散的な取引元帳にすべての取引を記録している。そのため、ゲーム内であろうがゲーム外であろうが関係なくひとつの商取引としてブロックチェインのデータベースに保存される。パウエル氏はKrakenの創業以前よりデジタルコンテンツに携わっていたため、インターネット上の価値の交換にビットコインの可能性を見ているようだ。

また、ダンワース氏は、ビットコインを「インターネット上の現金」であるとし、今日主流であるクレジットカード決済の3%という大きな手数料と対抗できる唯一の取引手段であると語った。ダンワース氏はビットコインの重要な点としてチャージバックがないこと、仲介手数料が殆ど掛からないことを強調し、小さなマーチャントでもfortune500企業やNASDAQ上場企業と対抗した価格設定ができ、競争できると語った。これにより、マーチャントはクレジットカードの高額な手数料から解放され、そこから利益を出すことが可能であり、消費者もまた、利益の還元を受けディスカウントされた商品を購入できるだろうと語った。

あらゆるコストを減少させる

Circle創業者兼CEOであるジェレミー・アレイア氏とbitFlyer創業者兼代表取締役である加納雄三氏は、銀行を介した国際送金など、現在存在する高コストな取引を減少させる手段としてのビットコインの可能性について語った。

加納氏は、ビットコインのような技術は一般的なユーザーに対しても非常に大きな機会を与えることができると語った。インドや中国に50ドルから100ドルの資金を国際送金しようとした場合、今のシステムであってもビットコインのように簡単に送金できるが、送金手数料として30ドルから40ドルが掛かってしまうことを指摘し、ビットコインならばそのような仲介手数料を削減することができるとした。そして、そのような手数料から解放されるということは、5セントのような小銭も将来的に送ることができるようになるのではないかと語った。

また、アレイア氏は、ビットコインのような技術はインターネット上での価値の移動コストを極限まで下げることができるという。

“私たちは情報交換のインターネットのようなもの、メディア通信のインターネットのようなものを持っています。そして、分散型、分権的かつオープンなプロトコル上に構築されているすべてのものは、情報やメディアの移動コストを極限まで削減することができるでしょう。”

続けて、これまでのインターネットサービスのさまざまなデータ通信が無料で使えるようになったように、インターネット上のあらゆる価値の移動のコストもゼロに近づけることができると語った。

“私たちは(ビットコインで起こっているような)価値の移動というのをこれまでに体験したことがあります。例えば、私があなたにEメールを送るのに、インターネット上におけるデータ転送コストは殆どの場合ゼロです。今起こっているのは、いわばこのようなことです。私は、時間の経過とともに、個人やマーチャント、あるいは国をまたいでの価値の取引については、極限までゼロに近づくと考えています。これらは、ビットコインの登場によって、今日では現実的な可能性となっています。”

リスク、課題、法規制はどうなるか

アレイア氏は、2年後、あるいはビットコイン市場の成長、技術開発の進展などが折り重なり、ようやく暗号通貨というものがどのようなものなのかが定義されはじめ、明確になっていくと考えている。現段階では金融犯罪などを取り締まることができないため、どのような対策を取る必要があるか、対策を取らなければならないほどの取引規模なのかを各国の政府は見極めている段階である。同氏はビットコインのような通貨の法規制を制定するには、AML/CTFなどへの対策もセットで講じる必要があるだろうとしている。

しかしながら、アレイア氏はまた、ビットコインはグローバル市場と比較してまだまだ非常に小さな市場であるため、消費者が常用的にビットコインを国際送金の手段や国際決済の手段として活用し、ビットコイン市場が成熟するまでは政府は様子見をするだろうとし、それは3年から5年の間に起こるだろうと語った。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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