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ピーター・ウィールが、ビットコインのマスターブランチにSegregated Witness(Segwit)実装のプルリクエストを申請したことが今日わかった。Segwitのテストは既に終えており、残すはレビューとマージ、本環境でのテストだ。最終的に、95%のノードが採用すれば満を持してライブとなる。

Segwitとは、トランザクションから電子署名を分離し、ブロックチェーンに取り込まれるデータの容量を節約するためのアイデアだ。後方互換のないハードフォークとは異なり、ノードそれぞれが採用し利用するだけで済むソフトフォークによる変更のため、ネットワークをリスクに晒すことなく安全にビットコインを拡張できる。そして、Segwitに対応したウォレットを利用すれば、現在の取引と比べて75%の容量削減ができ、ブロックチェーンにとってエコであるだけでなく、実質的な手数料の節約にも繋がるだろう。

そもそも、Segwitがコミュニティからこれほど期待されている理由のひとつには、ビットコインのスケーリング問題がある。ブロックチェーンは設計上、処理性能を線形(リニア)にスケールさせることができない。世界中で使われているのにもかかわらず、現在のビットコインのネットワークでは、せいぜいペイパルの17分の1の60万トランザクション/日しか処理できない。更に悪いことに、既にビットコインのネットワークでは平均して20万を超える状態が続いている。常に、処理性能の33%が専有されているのが現状というわけだ。対抗馬として立ち上がった「Bitcoin Classic」(通称:クラシック)の支援者などは、ブロックサイズを早急に引き上げなければビットコインのネットワークが実質的に破綻してしまうと指摘している。

そのような背景から、必ずしも全員がSegwitに対応したウォレットを使わないだろうという前提に立ってなお、トランザクションの処理限界を実質的に2倍近くにまで引き上げる今回の改修は大きな意義があると言える。

そして、さらに重要なのは、Segwitがトランザクション展性の可能性をなくし、ライトニングネットワークの実現可能性を大幅に引き上げる点だ。

トランザクション展性(Transaction Malleability)とは、過去、マウントゴックスがビットコインを消失させた原因として主張していたほどにビットコインではメジャーな脆弱性のこと。ビットコインの設計上、署名の一部に手を加えても取引内容を変えずに取引ID(txid)を変えられてしまうことから、対策をしていないウェブウォレットや取引所は、ビットコイン引出し時のtxidを操作され脆弱性を突かれる可能性があった。Segwitでは、取引から署名を分離することでこの問題を解決している。

ライトニングネットワークの実現においても、トランザクション展性の解決は重要だ。Bitcoincoreは「スクリプトシグにまつわる展性が解決することで、ライトニングネットワークの実装を大幅に簡略化できる」と述べた。これまでは、各クライアントがフルノードを持ち、常にトランザクション展性の問題をモニタリングする必要があったためだ。これに伴い軽量クライアントも利用することができるようになるため、ライトニングネットワークで懸念されていたネットワークの中央集権化を防ぎ、普及のハードルを引き下げる効果も期待できる。

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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