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「支払いはビットコインで」

データサイエンティストの集合知で株式市場に投資を行うヘッジファンドNumerai(米サンフランシスコ)が、ユニオンスクエアベンチャーズ(USV)ら複数の投資家から資金調達を行なった。

Numeraiは、ディープラーニングや機械学習を駆使するデータサイエンティストが集まり、彼らの株価予想を元に株式市場への投資を行うコミュニティ型ヘッジファンドだ。彼らデータサイエンティストが、自身のアイデンティティやアルゴリズムをNumeraiに対して一切明かさず、完全に匿名で価格予想を提出できる点が特徴だ。

Numeraiはこうして集めた「情報」を元に株式市場で売買を行い、人工知能(AI)が生み出した収益をビットコインで還元する。

では、データサイエンティストはどのようにNumeraiに参加するのか。Numeraiは、これまでに集めたデータ・モデルを独自のアルゴリズムでメタ・データ化し、特定のアルゴリズムまたは人物によるバイアスを取り除いたかたちですべて公開している。これは、Numeraiにおいて訓練データと呼ばれている。

腕に覚えのあるデータサイエンティストは、公開された訓練データをダウンロードし、自身のアルゴリズムを用いてモデルを構築する。そして、そのモデルをNumeraiが提供するトレーニングデータで試験し、結果だけをアップロードする。あとは、自身のモデルの実際の精度を見守るだけでいい。リチャード・クレイブ氏、南アフリカ・ケープタウン出身でNumeraiの創業者は、彼らデータサイエンティストと同社の関係を「信頼の不要な関係」(trustless relationship)と呼んでいる。

Numeraiには、2015年10月にサービスが開始されて以来、7500人のデータサイエンティストが50000のモデル、300億にのぼる株価予想を提出している。

資本分配のネットワーク

Numeraiは、世界中のデータサイエンティストに対してデータを秘匿したまま、彼ら自身のアルゴリズムを進化させる手段をもたらした。そして、ビットコインでインセンティブを支払うことで、彼らが匿名のまま、Numeraiに参加することを可能にした。

「Numeraiに障壁はありません」と、クレイブ氏は説明する。「そのため、私たちは世界中の他のどの金融機関よりも早く、人工知能の進歩を取り入れることができます」

ユニオンスクエアベンチャーズのパートナー、アンディ・ウェイスマン氏はNumeraiが「資本分配ビジネスに対して、いかにネットワークモデルを適用するか」という問いに対するひとつの答えになるかもしれないと話す。「ヒト・モノ・カネ」の3軸で見た時、クラウドソーシングの台頭によりヒトとモノはネットワークの恩恵を既に受けているが、カネはいまだインターネットの恩恵を受けるのに時間が掛かっている。Numeraiが目指すのは、世界規模のコミュニティがつくる人工知能の知性が、たったひとつの投資決定を行うことだ。

「これが資金調達に用いられるようになれば、グローバルの繁栄に貢献することができると私は信じています」 – リチャード・クレイブ, Numerai

ウェイスマン氏はNumeraiのチャレンジについて、今はまだ「実験」の段階としている。しかし、オープンで匿名なプラットフォームに障壁のないビットコインを組み合わせたNumeraiのモデルは、「お金のインターネット」時代の先駆けとなる可能性を秘めている。

「これは、ネットワーク効果をもつ資本分配ビジネスの新しいかたちです。コミュニティ、彼らの個々のモデル、メタモデルの集合体。これらのネットワーク効果は、かつてのインターネットの組織デザインの上で構築されたシステム以上に多量の知性を生み出す、自由にアクセス可能なファンドとなります。」 – アンディ・ウェイスマン, USV


Rogue Machine Intelligence and A New Kind of Hedge Fund
USV

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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