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ロンドンとアムステルダムに拠点を置くブロックチェーンVC、Outlier Venturesは最近、ブロックチェーン・エコシステムの調査のため「Blockchain Angels StartupTracker」をローンチし、そのレポートを公開した。レポートによれば現在、全世界に967のブロックチェーン・スタートアップが確認されており、今月中にもリストが更新され1000を超える見込みだという。本記事ではそのレポートの内容を追っていきたい。

まず国別に比較してみると、アメリカには世界の約40%のブロックチェーンスタートアップが存在し、次いでイギリスが約15%ほどを占めている。他のほとんどの国々は全体の3%にも満たず、日本も1.5%とアメリカとイギリスには遠く及ばない。アメリカでは特に、これまでビットコインにかなりの投資を行なっており、ビットコイン関連のサービスやプロダクトを開発するスタートアップが多いのが目立つ。一方、ビットコイン以外の新たな仮想通貨やブロックチェーンに関連する派生プロダクトを開発するスタートアップに乏しいという特徴もある。イーサリアムなどの新しいテクノロジーを活用したスタートアップの多くはヨーロッパに拠点を置いており、そのプレゼンスを高めている。

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特にロンドンでは、FinTechへの注目度の高さからファイナンスの分野にフォーカスしたブロックチェーン・スタートアップが目立つ。現在イギリスでは115のスタートアップが確認でき、決済やクリアリング、保険、証券取引といったユースケースにおいては他国よりも抜きん出ていることがわかる。また、政策によりロンドンには金融分野のエキスパートが多く集まっており、投資家の熱量も高い。今後もFinTech領域では、ロンドンの影響力がさらに増していくものと思われる。

イギリス以外を見てみてると、各国のブロックチェーンスタートアップの取り組みは多種多様だ。例えばサプライチェーンやロジスティクスの分野では世界的に開発が行われており、イスラエル、シンガポール、イタリア、アメリカなどが特に力を入れている。IoTの分野に取り組むブロックチェーンスタートアップはケニア、ドイツ、イギリス、アメリカに多く見られる。ドイツにフォーカスすると金融関連から暗号メッセージングサービスまで、多様性に富んだエコシステムが形成されていることもわかる。

また、ブロックチェーンスタートアップならではの特徴もある。前述したように、ブロックチェーン関連のスタートアップは熱量のある投資家や理解のあるパートナーが集まる地域に拠点を置くことが多い。しかし一方で、特定の拠点を持たないスタートアップやプロジェクトもある。彼らのようなブロックチェーンスタートアップは世界各地に散らばってエンジニアを確保しており、営業やマーケティングのためのヘッドオフィスを欧米の地域に置いている。スイスはその一例だ。

これは、「ブロックチェーンの市場が未成熟」であり、かつ「インターネット上のコミュニケーションでこと足りる」というふたつの理由に集約される。伝統的な産業では、人材や専門家、仕入れ、顧客を共有資源と考え、同じ地域に集まり相乗効果を狙うことが多かった。有名な例では、大学近隣にテック系スタートアップが拠点を構えていることが多いということだ。例えば、シリコンバレーの企業はカリフォルニア州立大学バークレー校のようなコンピュータギークにアクセスしやすく、その恩恵を受けている。一方で、ブロックチェーンや暗号通貨の関連テクノロジーには教材もなく、エキスパートを育成するための講義も少ないため、特定の地域が特定の恩恵を受けることもない。現時点においてはインターネット上のコミュニティで情報を収集したり、現状極めて希少性が高いエンジニアと運良く知り合いになるほかにない。

ブロックチェーン産業は初めてインターネットから生まれ発展してた技術で、まだまだ発展途上だ。ブロックチェーンビジネスをする上でどの地域にも優位性みられないことから、現時点では場所を選ばない。従来のビジネスモデルのように地域に縛られることは、とりわけ常識に縛られないブロックチェーンスタートアップにはないのかもしれない。


Outlier Ventures

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