LINEで送る
Pocket

storj_logo

注:本文書は筆者個人の意見であり、Storjコミュニティの見解ではありません。

最近少しづつ知名度を上げつつある分散型ファイルストレージStorjですが、ここでは「Storjコミュニティ」という、少し違った側面からクローズアップしたいと思います。筆者は2015年3月現在、2ヶ月ほどStorjコミュニティに参加させていただいており、そこで見聞きした状況を少し紹介したいと思います。

Storjコミュニティとは何か

暗号通貨開発の組織の形態には、会社を中心にしたもの、開発・翻訳等のミッションに専任を割り当てる等、いろいろあるかと思います。Storjは他の暗号通貨開発の組織とは少し違って、常にオープンにメンバを募っていることが特徴かと思います。「専属」という概念は比較的薄く、「役割」も自ら名乗り出る形が基本です。もちろん管理・開発には中心となる人はいますが、中心に会社は存在しません。
形式的には、次の3層〜4層程度に分かれているようです。

  • storjtalk
    だれでも、いつでも参加できる掲示板です。bitcointalkのと同じシステムですが、ほぼ常駐しているメンバもいて、質問には比較的早く回答されます。日本語ページも一応あります。登録人数約 900人
  • Storj community slack
    Slack (チャット形式のチームコミュニケーションツール)を使ったメンバです。紹介制なので、storjtalkで自分のやりたいことを乗り出るか、推薦で登録されます。人数約30人
  • Storj slack
    同じくSlack を使ったメンバですが、より高度な話が議論されます。これも紹介制ですが、おそらくはstorj community slack である程度活躍して後、推薦で登録されます。おそらくはStorj設立時からあった模様で、古株の方々が多くおられます。人数約20人

更に、お金等センシティブな話をする層(Slackのprivate channelを使っている?)もあるようですが、詳細はわかりません。

それぞれの層にさらに、PODと名付けられた、活動ごとの組織があります。PODというのは、おそらく「(アザラシ・クジラなどの)小群」という意味からのアナロジーかと思われます。各PODごとに数人の管理者がいます。現在、活発なPODなのは、

  • 開発
    現在は主にアーキテクチャ設計を行っています。
  • 翻訳
    主に翻訳プラットフォームであるTransifexで行っています。現状では日本語、デンマーク語、スペイン語、ドイツ語等がよく進捗しているようです。翻訳だけに興味があれば、直接Transifexでメンバ登録をリクエストするのもOKです。
  • プロモーション(twitter/facebook/reddit等)
  • マーケット
  • デザイン

あたりでしょうか。

金銭的な報酬に関して、中心となる人にはある程度支払われているようです(多い人で$100/週?)。しかし、小遣い程度で、生活をできるレベルではないでしょう。Storj Slackで、現在は、金欠のため2015年から支払い停止状態、と見たこともあります。ちなみにbounty(報奨金)付きで、プロモーション・開発等をするとSJCX(couterparty上のStorj用コイン)をもらえるプロモーションが行われることがあります。

常にオープンにメンバを公募しているため、実に多種多様な人がいます。人種・特技もバラバラです。変わったところで、ロボット開発や組み込み機器開発の方もいるようです。前述の報酬額から、Storjコミュニティを生活の糧としている人はいないと思いますが、よくわかりません。

ちなみに筆者はstorj slack に所属しています。が、正直、内容についていけてません。。。

Storjコミュニティのメリットとデメリット

個人的な感想になりますが、Storjのコミュニティ形態でのメリットとデメリットは、下記の通りです。

  • メリット
    1. 報酬ベースでなく、幅広くメンバを公募しているので、多様な個人の能力を活用できる。
    2. 同じ理由で、比較的やる気のあるメンバーを集められる。
    3. メンバを集めるには、活動内容を常にオープンする必要があり、透明性が上がる。
  • デメリット
    1. 個人としては専業とはしにくいので、どうしてもStorjだけに専念できない。結果的に進捗促進が難しい。
    2. 中央組織がないため、重要事項を決めることが難しい。
    3. 「専属」の認識が低いので、人の入れ替わりが激しい。Storj Slack, Storj community slackとも、現状、実質発言しているのは、10人程度ではないでしょうか。

特に重要事項の1つ、お金の扱いに関する決定は今後問題になるかもしれません。報酬の配布方法は、活動の評価方法がからむので企業等の中央集権組織ですら難しい事項です。また、再クラウドセール実施有無に関しても、量的緩和によるSJCX安を嫌がる派閥?と、コミュニティ資金を得たい派閥?で相当もめたようです(投票結果、再実施する、となったが、時期未定)。

終わりに

Storjコミュニティはいい意味でも悪い意味でも非常にオープンな組織で、今後どうなるのか、個人的にも非常に興味深く感じています。正直なところ、前述の通りメリットだけでなくデメリットもあり、本コミュニティの成功有無が、今後の暗号通貨開発組織の発展方法にも影響するように思います。
もし、Storjコミュニティに興味を持たれたら、ぜひStorjtalkの日本語自己紹介スレッドの書き込みから始めてください。

この記事を書いた人

utamaro
utamaro
日本で初めてStorjのプロジェクトチームに加わる。Storj、Metadiskのホワイトペーパー翻訳を単独で行い、開発にも携わる。「透明性の高いビットコイン建て出資金管理を考える」をはじめとし、会計から見た暗号通貨の扱いについて考察するなど、幅広い活動を行っている。