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bitcoin advertising

ビットコイン利用者を悩ませる奇妙な宣伝手法がこつ然と現れた。いくつかの企業はビットコインをランダムなアドレスへと送信し、自社のサービスを宣伝しようと試みている。

この一文だけを読めば首を傾げるのも当然だろう。しかし、この手法はビットコインユーザーの心理を上手く利用しており、今のところうまくいっているようだ。

ビットコインばら撒きによる広告モデル

これらの企業が行っている新たな宣伝手法では、Blockchain.infoのタグ機能を利用している。Blockchain.infoはリアルタイムでブロックチェインの動きを閲覧出来るサービスのプロバイダーだ。タグ機能を使うと、ビットコインの送金元アドレスとタグ(ハイパーリンクも含む)を紐つけることができる。つまり、企業がビットコインをランダムに送信すると、ビットコインアドレスの所有者は誰かから送られてきたビットコインを不審に思い、blockchain.infoで調べる。その結果、送信元アドレスはタグと共に企業サービスへのURLがリンクされているのでユーザーは気になってクリックしてしまう、ということだ。

ここまで読んでも、まだ不審に思う点はあるのではないだろうか。お金を配っているのだから、一人1円だとしても10000人に送れば10000円になってしまうし、実際に調べ、利用するユーザーともなれば極めて少ない数に留まるだろう。費用対効果としては最悪だ。しかし、思い出して欲しい。ビットコインは現在の法定通貨をフロート化し、いくらでも分割可能だ。ここで送信されるビットコインは、送信可能な最小単位の0.00000001BTCだけなのだ。0.00000001BTCを円換算にすると、現在の価格で0.00035723円となる。ゆえに、10000人に送信してもたった3.5円、100万人に送信しても357円で済んでしまう(実際にはビットコインの基本手数料0.0001BTCが加算されるため、ひとまとめの取引につき追加で3.5円かかる)。

このスパムメールに類似した宣伝手法にはコミュニティ内でも賛否が別れており、取引が嵩むことで挙動が重くなるなどの理由で迷惑している人々がいる一方で、タダでビットコインが手に入ることを喜んでいる人々もいる。

アドレス・データベース

addresses-database彼らはアドレスをどこから集めているのだろうか。いくらなんでも、完全にランダムなビットコインアドレスを生成して送信するわけにはいかない。ビットコインアドレスは最大で2^160乗通りあるため、運良く誰かが所有しているアドレスに届くのは天文学的な確率になってしまう。つまり、彼らはどこかでユーザーが所有しているアドレスを収集していることになる。そして、最もその可能性が高い場所はビットコイン最大のオンラインフォーラムBitcoinTalk.orgだろう。ここでは書き込みを行っている人々の殆どが自身のビットコインアドレスを公開しているからだ。他にも、RedditやTwitterなどからも収集しているようだ。

 

スパムを行っている業者

幸運にも、私の所有するビットコインアドレスにこれらのスパム送金は行われていなかった(ネタにならず残念)。しかしながらBitcoinTalkで書き込みを行っていた友人は彼らからの被害を受けていた。ここにそれらのアドレスの一例を挙げておくこととする。

・Laxo Trade (1LaxoTrQy51LnB289VmoSAgN6J6UrJbfL9)
・Btc Girl (1BtcGirgZqyT2z69DLn4y9MErN182mw8Tk)

これから先も彼らのような信用に欠ける行為をする業者は現れるだろう。彼らのサービスを利用するのは自由だが、確かな判断を持って情報を見極めてほしい。ただでさえ匿名化されたウェブの世界では様々な行為に自己責任が伴っているのに、その上ビットコインは匿名化されたデジタル通貨だ。この新たな宣伝手法が詐欺行為だとは言わないが、他の、様々な手法でビットコインを掠め取ろうとする者が出現するものと思われる。玉石混交のサービスを利用する上で、最後に判断するのはあなたなのだ。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
monacoin:MTn7hiNovBHyN7gjtvD1Hh7W96Zmghp41B
bitcoin:1NK8S4ep9ZUZ9H9AmTAfvrCVVAKLbpmi36