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今週月曜日、シルクロードに潜入捜査を行っていた2名の連邦捜査官が告訴されたことが明らかとなった。ダークウェブという特性と捜査官の立場、追跡困難(と思われている)なビットコインの仕様を悪用し、不正にビットコインを窃取・確保し利益を得ようとしていた疑いだ。

告訴されたのは米麻薬取締局(DEA)カール・M・フォース(46)と、米シークレットサービス(USSS)のショーン・ブリッジ(32)、共にシルクロードの捜査に携わる特別捜査官だった。司法省(DOJ)によると、両氏はDPRことロス・ウルブリヒトに「おとり捜査官」として接触を図る中で、その使命を忘れ自己の利益を優先したと記載されている。

カール・フォースはコンピュータハッキング、政府資産の窃取、マネーロンダリング、利益相反の容疑。ショーン・ブリッジは、コンピュータハッキングおよびマネーロンダリングの容疑で起訴された。

ショーン・ブリッジ

訴状によると、シルクロードの捜査で入手した管理者アカウントが持っていたビットコインはマウントゴックスに移され、ショーン・ブリッジは、80万ドル(9600万円相当)のビットコインをUSSSの承認を得ず自身の口座へと移したとされている。伝えられるところによると、これはマウントゴックスへの210万ドルの支払い命令が発せられる数日前の出来事だった。

カール・フォース

訴状によると、カール・フォースはDPRとの接触を図り、DPRおよびその周辺の人びとと接触、通信の傍受を図るタスクを科せられていたとされている。その後、フォースはDEAの承認を得ず、独自に複数の偽のオンラインペルソナ(人格)を作成し、政府当局の調査からDPRを保護するといった旨の交渉を行い、見返りとして25万ドルを請求した。

加え、フォースはさらに別の人格≪連邦捜査官ケビン≫を用い、捜査情報の提供の見返りとして5万ドルを請求している。フォースはシルクロードの調査に携わっていた2011年から2013年にかけて、合計776,000ドルを不正に得ていたとされている。

シルクロード

2013年10月、通常の経路ではアクセス不能なダークウェブ上で偽造パスポート、クレジットカード、違法薬物の売買や殺人依頼まで行われていたビットコイン史上最大のダークマーケット「シルクロード」がFBIに捕捉された。当局はサイトを閉鎖し、シルクロード管理者であるDPRことロス・ウルブリヒトを麻薬売買共謀、マネーロンダリング、6人の殺害への関与、コンピュータハッキングなど複数の容疑で逮捕した。

シルクロードは2011年2月に開設され、95万人を超える登録ユーザーを有する最大の違法取引市場であり、当局がウルブリヒト個人から押収したビットコインは174,000BTCにのぼる。これは、1BTC245$という現在のレートで換算しても、51億円相当のビットコインであり、相当数の取引が行われていたことが窺える。

閉鎖後も、第二第三のシルクロードが生まれているが、当局の手は緩まず、いくつものダークマーケットが閉鎖に追い込まれている。今回の事件からもそのことは学ぶことができるだろう。いくらダークウェブとはいえ、ビットコインだからとはいえ、当局がまったく追跡できないということはありえないのだ。むしろ、このニュースから学ぶべきことは、彼らのような隠密活動のプロですら、ビットコインの透明性の前では全くの無防備であるということだろう。


参考:
NYTimes – 2 Ex-Federal Agents in Silk Road Case Are Accused of Illicit Activities
BBC – Silk Road agents charged with stealing seized Bitcoin
DOJ – Former Federal Agents Charged With Bitcoin Money Laundering and Wire Fraud

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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