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SWIFTが最近、ブロックチェーンを用いた証券市場向けソリューションの実現性について記述したレポートを公開した。ブロックチェーンによる証券市場のディスラプトを目論む人々にとっては、このレポートで書かれていることは少々驚きをもって受け入れられるかもしれない。SWIFTは、たとえブロックチェーンが技術的課題をすべて解決したとしても、株式市場から第三者機関を排除することはできないと考えている。

レポートは、ポストトレード処理やブロックチェーン技術に携わる合計75社から関係者を招き、ミーティングや個人へのインタビューを重ねて作成された。多くの金融機関は、ブロックチェーンがポストトレード処理を再構成するほどの可能性を秘めていると語る一方で、SWIFTはそれでもなお脅威ではないと結論づけた。共同執筆者であるマイケル・マイネリ氏は、レポート中で次のように書いている。

「証券市場での分散型共有台帳利活用に向けた挑戦は、技術的な実現可能性を満たさないだけでなく、複数の証券会社をまたいだ業務プロセスの再設計に必要な”業界協調”も果たしていない。」

これは、「証券取引のライフサイクルにおけるブロックチェーンの影響と可能性」と題されたレポートにしては少々控えめだ。しかしまた、分散型共有台帳(Mutual Distributed Ledger)を複数機関におけるポストトレード処理に適用することで、年間400億ドルのコスト削減が見込めるとも予想している。

ブロックチェーンへの過度な期待

ブロックチェーンの可能性の一端として、「清算機関が不要になる」と言われることもある。しかし、SWIFTのレポートにおいて、これらの可能性は非現実的だと切って捨てられた。マイネリ氏の調査によれば、証券市場において、ブロックチェーンは単に、取引の不正や重複など、ポストトレード処理において発生しうるバグに対する「安全保護機能」を提供するに過ぎないという。

「現実には、分散型台帳は中央管理機関を完全に排除することは不可能だろう」と、マイネリ氏はレポート中で述べる。「中央機関は個人の特定や資産の存在証明だけでなく、現実の法的強制力と紛争解決の役割も担っているためだ。」

さらに、システムの乗り換えコストも膨大になる。レガシーシステムを、証券保管振替機構や証券会社、取引所、カストディアンなど複数の関係性を保ったまま新しいシステムに作り変えるのは、非現実的なためだ。レポートにおいては、「文書化も不十分なレガシーシステムを理解しなければならないという問題は、法外なコストを支払うことを意味する」と述べられている。当然、仮に既存のシステムを「すべて」捨て去り新たな基盤システムを構築すればその限りではないが、SWIFTはその可能性について言及はしていない。潰すには、あまりにも大きすぎるのだ。


THE IMPACT AND POTENTIAL OF BLOCKCHAIN ON THE SECURITIES TRANSACTION LIFECYCLE

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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