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先週公開されたビットコイン版ライブチャットサービス「Streamium(β)」は、コミュニティ内外から早くも多くの反響を呼んでいる。

前記事:ビットコイン版ライブチャット「STREAMIUM(β)」がリリースされる

Streamiumは、お金を得たい配信者と、お金を払ってでも見たい視聴者のマッチングを、仲介するサーバーや人を一切介さず、手数料ゼロでセキュアな取引を誰でも簡単に体験できるように作られたサービスだ。ただし、開発チームも公言しているとおり、現段階のStreamiumは最小限の機能を備えたコンセプトモデルであり、実運用するには多くの問題があるため、テストに留めておいたほうがいいだろう。

しかし、Redditを中心としたコミュニティは、そんなことはお構いなしと言わんばかりにStreamiumで盛り上がっている。例えば、現時点で行われている生放送の内容として、カリフォルニアの海を定点観測カメラで映す、掃除の様子を映し続ける、カップルでイチャつく、太陽光発電でマイニングする様子を映すなど、色々な人が「とりあえずやってみる」精神でチャレンジしている様子が見られる。(関連:/r/Streamium)

また、Streamiumは仕組み上、ユーザーの配信情報を取得することができないため、チャンネル一覧をブラウズすることはできないが、簡易の配信スケジューラー(coiniko)(streamium.directory)を有志が外部サービスとして設けることで対応している。

Streamiumで実感できたマイクロペイメントチャネルの威力

Streamiumにはサーバー側の処理が一切なく、AngularJSやWebRTCを利用しビットコインに関わる制御(秘密鍵の生成・転送・署名)やビデオストリーミング機能を分散的に、クライアント(ブラウザ)ベースで行う仕組みとなっている。このサービスの核の技術であるマイクロペイメントチャネルは、二者間の取引を一時的にシステムによって生成されたマルチシグネチャアドレスに保持し、その間に行われた契約内容に応じてフレキシブルに資産を二者間で分割し、最後に払戻す形で両者へと資産を分割するという仕組みだ。これは、これまで概念的に語られていた技術だったが、Streamiumのリリースによってはじめて目に見える形で現れた。

StreamiumのコンセプトにはSatoshi Nakamotoの中の人ではないかと噂されている暗号学者Nick Szabo氏も絶賛しており、「最小限のECシステムを形成した素晴らしいアイデア」と評した。

この技術は、Streamiumにおいては秒単位の課金ができる仕組みを構築したが、さらに応用することで、時間への課金以外のマイクロペイメントにも用いることができる。つまり、Streamiumではビットコインの支払い額を「時間経過」で割っているが、これを例えば「ページ数」や「再生時間」など他の指数で割ることで、デジタルコンテンツにおけるマイクロペイメントの可能性の幅を大きく広げることが可能ではないだろうか。

電子書籍のマイクロペイメント

例えば本を読む時、「あの本のあのページだけ読みたい!」と思ったことはないだろうか?「小説のあとがきだけを読みたい」などといったあなたのコアな要望にも、この技術は応えてくれる。これまでは普通、本は一冊で購入することが当たり前だと捉えられてきたし、本や雑誌は表紙から裏表紙まですべて含めて一冊であり、編集的な観点から見てもあまり良くは思われないかもしれない。

だが、ページ毎に課金できるようになれば、例えば試し読みなどの用途で幅が広がる可能性もある。試し読みのつもりで読んでいたけど、気付いたら読み終えてしまったなんてこともあり得るだろう。基本無料時代の新しいマネタイズの仕組みができるかもしれない。これは、なにも電子書籍だけではなく、ウェブメディアのペイウォールの代替案として応用できる可能性もある。例えば、記事ごとでもなく、読み進めた(表示された文字)量に応じた、インスタントな課金体系を敷くことが可能なはずだ。

個人的な意見ではあるが、インターネット上での決済が難しいのは、支払いまでのフローがうんざりするほど面倒であるという点に尽きるからだと思う。会員登録を経て、個人情報を大量に入力させられた上で、煩雑なプランを選ばなければならない。さらにクレジットカードを取り出し、クレジットカードの番号を入力し、認証を行ってようやく決済が完了する。

このようなインターネット上の決済と比較して、実店舗での支払いは非常に簡単だ。会員登録もなく、財布からお金を出して店員に渡すだけである。インターネット上でも実店舗のようにインスタントに支払いができれば色々な可能性が生まれるだろうし、上記したようなデジタルコンテンツの消費方法は大きく変わるのではないだろうか。恐らく、Streamiumの誕生は、その最初の一歩なのだと思う。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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