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ビットコインの価格は現在370ドル、昨年の同時期に1100ドルをマークした頃に比べるとおよそ3分の1の価格に落ち着いている。年末に発せられた中国政府のビットコイン禁止令、2014年早々にMt.Goxの破産申請が起こるなど、ビットコインを取り巻く環境は決して追い風ばかりではなく、未だ世間の目はビットコインに対し極めて懐疑的なままにある。

しかしながら、彼らの印象とは裏腹にビットコイン業界は日々発展を続け、大手オンラインリテーラーOverstock.comのビットコイン採用を皮切りに、Expedia、DELL、DISH Network、PayPalなど国際的なシェアを持つ大企業がビットコイン採用に踏み切った。これらの企業はビットコインの「決済」としての有用性を確信しており、実際Overstockではビットコイン決済を採用したその日に、ビットコインによる購入が1億円以上に達したという。

 

累計投資額はなんと4億ドル

WS000005ビットコイン関連企業への投資熱は価格の騰落に関わらず、今なお投資額が加速している。特筆すべきは、VCの投資はビットコインの一部の機能だけでなく、マイニング事業や取引所、ウォレットサービスに加えビットコインプロトコルのAPIを提供する企業や、ビットコインの基盤システムであるブロックチェインを拡張しインフラ開発を行う企業など、ブロックチェインの上に構築されるすべての機能へと投資が行われているということだ。

CoinDeskの資料によると、ビットコインへ行われた投資は現在までに4億ドルに達したという。2012年には210万ドルだった投資額は、翌年の2013年になると40倍の9,384万ドルにまで膨れ上がり、今年に入ると12月5日現在時点で、2013年の300%を超える30,732万ドルの資金調達が行われている。

 

2014年は更に加速

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驚くかもしれないが、ビットコイン関連企業への投資は価格の低迷後、更に加速している。2014年9月以降、価格は300ドルを下回るなどビットコインへの不安を感じる場面もあったが、一方でVC投資は2014年四半期毎の投資額を更新し、Q4だけで11,009万ドルの資金調達が実施されている。これは年間に行われた調達額の3分の1を上回る額だ。

尚且つ、Q4は大型の投資が連発している。ビットコインの各種データとウォレットサービスを提供するBlockchain.infoはライトスピードベンチャーズ、ウィックローキャピタルらから、過去最高額の3,050万ドルを調達し、マイニング機器の開発販売を行うBitFuryは2,000万ドルの資金調達を行った。楽天が出資に加わり1,450万ドルの資金調達を実施し話題となったBitnetは、BitPayやCoinbaseなどと同じくビットコイン決済サービスを提供している。

注目すべきは、これまでビットコイン自体を用いた採掘・取引・決済サービス、所謂ビットコイン1.0と呼ばれるサービス群への投資が盛んだったのに加えて、ビットコインプロトコルのインフラ構築を行う企業へも投資が行われているという点だ。Blockstreamという企業は顧客向けサービスではなく、サイドチェインというブロックチェインを拡張する機能の開発を行っている。Blockstreamへの投資はグーグルの会長や元ヤフーCEO、LinkedInの共同創設者リード・ホフマン、コースラベンチャーズらの支援を受け2,100万ドルの資金調達を行った。

 

注目のビットコインベンチャートップ10

これまでのビットコイン関連企業の資金調達ラウンドのトップ10は以下のとおりだ。XapoとBitFuryはともにシリーズAを2度実施しランクインしているのがとても興味深い。その他は羅列したとおりだが、やはり最も異色なのはBlockstreamであろう。事業内容も異色だが、投資家もかなり際立っている。

企業 ラウンド 調達額(万ドル) 種類 主なインベスター
Blockchain シリーズA 3,050 ウォレット ライトスピードベンチャーパートナーズ、ウィックローキャピタル
BitPay シリーズA 3,000 決済 インデックスベンチャーズ、AMEクラウドベンチャーズ、フェリシスベンチャーズ、ファウンダーズファンド
Coinbase シリーズB 2,500 ウォレット、決済 アンドリーセン・ホロウィッツ、ユニオンスクエアベンチャーズ、リビットキャピタル
BlockStream シード 2,100 プロトコル、インフラ リード・ホフマン、コースラベンチャーズ、イノベーションエンデバーズ、AMEクラウドベンチャーズ
BitFury Group シリーズA-2 2,000 マイニング ジョージアンCO-インベストメントファンド、Bob Dykes、Bill Tai
Xapo シリーズA-2 2,000 ウォレット エマージェンスキャピタルパートナーズ、インデックスベンチャーズ、グレイロックパートナーズ
BitFury Group シリーズA 2,000 マイニング クイーンズブリッジベンチャーズパートナーズ、バイナリーファイナンシャル、ジョージアンCO-インベストメントファンド
Xapo シリーズA 2,000 ウォレット ベンチマークキャピタル、フォートレスインベストメントグループ、リビットキャピタル
Circle Internet Financial シリーズB 1,700 全般 オークインベストメントパートナーズ、アクセルパートナーズ、ブレイヤーキャピタル、ジェネラルカタリストパートナーズ
Bitnet Technologies シリーズA 1,450 決済 ハイランドキャピタルパートナーズ、楽天、ウェブインベストメントネットワーク

 

私はこれほどまでにビットコインへの投資が行われるのは、ビットコインがまさに新しい世界を切り開くための鍵を握っているからだと考えている。彼らの頭の中を覗きたい人は、VCで働く第一線の投資家の考察が参考になることだろう。

来年は更に加速か、停滞か。私が賭けるのは当然、「加速」だ。価格は悲観要因ではない。重要なのは、ビットコインの技術が与えうる世界への影響なのだ。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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