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米国の制裁により、ビザとマスターカードがクリミアの銀行へのサービスの提供を停止していることが判明した。サービスの停止は制裁が解除されるまで続く。制裁の解除は現状未定であり、これは政治、外交情勢に進展が見られるまで維持されるだろう。

関連するカード決済、発行、ATMの利用は停止されたが、ロシア中央銀行はクリミアの銀行業務は通常どおり行われると述べている。

“クリミア及びセヴァストポリの都市間の資金転送はロシアの金融機関を介して行われ、銀行口座の開設、入出金は通常どおり行われる。”

先週、オバマ大統領はクリミアへの制裁を承認した。これにはクリミア半島でのサービス及び商品の輸出入に加え、新規投資も含まれている。

今年3月、ロシアはビザ・マスターカードから一時的にサービスを停止されており、その後、ズベルバンクと協力し独自のシステム構築に向け計画を加速させている。12月26日にロシアは銀行取引向けのSWIFTネットワークの代替手段として、国内向け決済サービスの提供を開始した。新たな決済システムは、2015年5月までに完全にスイッチする予定であると述べた。

 

コミュニティの反応は

クリミアは2014年2月、ロシアとウクライナ間の政治情勢の悪化に伴い、ロシアの侵攻を受け危機に陥った。ロシア軍及び親ロシア派自警団に議会が掌握され、半ば強制的に住民投票が行われ、ロシアへの編入が実行された。諸外国はこれに対し投票の正当性を疑問視しており、日本、アメリカを含む多くの国は編入を認めていない。

故に、コミュニティの反応は制裁の正当性について疑問視する声は少なく、しかしながらビザ・マスターのサービス停止に関連して決済の多様性を求める声が多く挙がっていた。

とりわけ、BRICsは経済発展が著しい反面、金融危機がいつ起こってもおかしくない不安定さを持つ側面がある。ブラジルは近年GDP成長率が2%台に留まっており、しかしながらインフレ率は6%超えという状態が継続している。率直に言って、ブラジルではいつ通貨危機が起こってもおかしくない状態だ。ロシア・ルーブルも年初より50%を超える暴落、一時100%を超えた瞬間もあり、これは決して望ましい状況ではないだろう。

“BRICsは再び、今回の制裁が原因となって可視化した「仕組み」の脆弱性への代替案の構築を必要とすることを理解した。マスターカードとビザは長期的に敗者となるだろう。 – 匿名のコメント”

 

ビットコインが利用される余地はあるか

これは難しい問題であり、恐らくクリミアでビットコインが利用されるようになる可能性は低いだろう。これには明確な理由がある。

まず、ロシアはビットコインを含む暗号通貨の利用に対しネガティブであるということだ。今年1月にロシア中銀はビットコインの不正利用を危険視し、規制する旨の声明を出した。9月にはロシアでビットコイン及び暗号通貨の普及・使用・開発を行った場合、罰金刑に処す法案が提出された。このため、クリミアにおいても暗号通貨の使用は自粛せざるを得ないものと思われる。事実、ロシアにおいては広大な土地があるにもかかわらず、ATMの設置はひとつも行われていない。

ビットコインATMの設置台数を計測することは、国と人々のビットコインへの認知度と普及率を知るための重要な指標である。北米やイギリス、オランダ、フィンランドなどはATMの設置数が飛び抜けて多く、政府も積極的にビットコイン規制の方法を模索し、対応を行っている国だ。ATMが設置されていない国は、ビットコインが認知されていないか、政府が活動を禁止している国である。

これはクリミアにおいても同じであり、普及活動が禁止されているため、一般に広く認知され使用されるようなこともない。したがって、クリミアでビットコインが活用される可能性は低いものと思われる。しかしながら、制裁によるビザ・マスターのサービス停止は、独占的な決済ネットワークが支配することへのリスクの可能性を大いに示唆した。日本でクレジットカードが使えなくなる事態が発生するという状況は考えにくいが、必要不可欠なシステムがなんらかの原因で使用不可になった場合の代替手段が無いという状態が続くことは避けなければならないだろう。

このような事態が発生する可能性を考えると、サービス主体がなく、分散的な取引・決済機能を持つビットコインはやはり優れていると感じる。何が起こってもインターネットに繋がっていれば使えるお金の存在は、人々の土着リスクを軽減させるだろう。かつての人々がゴールドのアクセサリーを身につけ、着の身着のまま住居を移動できるよう心がけていたように、脳に記憶し、あるいは小さなチップにお金を保存することが、将来における自衛手段となる可能性は高い。

この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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