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日本ではGemsでおなじみの、仮想通貨を使った分散型アプリ、Dapps(Decentralized Apps)。2015年はさらにたくさんの分散型サービスが出てくることが予想されますが、良質なDappsに求められる条件とは何でしょうか?

 

Gemsがクラウドセールを行っているプラットフォームでもある、KoinifyのCEO、Tom Dingが、彼が考える良いDappsの条件、またKoinifyの審査基準について語っていますので、ご紹介します。また、Gemsがその基準を果たして満たしているのか、例として辛口に見ていきます。

 

Dappsの開発や、今後Koinifyなどのプラットフォームの利用を考えている起業家、プログラマーの人たち、もしくはDappsへの投資を考えている投資家の人たちは理解をしておいて損はないと思います。

 

1.簡易チェック表

 

まず、以下の条件を満たしているか確認してください。

・仮想通貨部分を抜き出しても、十分な機能を保ち、価値を提供できるか。
・中央的な権力がサービスの機能や存在に必須になっていないか。
・コインの分配が一つのグループに集中していないか、もしくはコインの集中がサービスの機能性に影響しないか。

例)Gemsの場合

Gemsは仮想通貨の部分を抜き出しても、暗号化メッセンジャーアプリとしての機能を果たします。一つ目チェック。

Gemsチームは、アクティブユーズの判断、サーバー上でのコインの集計、分配などを行います。また、広告オークションプラットフォームもまだ詳細は不明ですが、Gemsチームなしではアプリは上手く機能しません。その点では△でしょうか。

コインの大部分はクラウドセールで売られ、Gemsチームが保有するのは、全体の8%です。これを多いとするか、少ないとするかは微妙ですが、特定のグループへの集中とは呼べないので、3つ目はチェックです。

Gems distribution

 

 

 2.なぜ中央集権モデルより優れていると言えるのか

 

分散型のモデルが常に中央集権モデルより優れているとは限りません。中央集権型の競合と比較して、ユーザーにどのようなベネフィットを与えられるのかを整理する必要があります。また、分散型のデメリット(マイナーへの手数料、Confirmationにかかる時間、など)がユーザーの体験に大きく影響しないかも重要です。

例)Gemsの場合

Gemsの中央集権型のライバルは、What’s appやLineです。

Gemsが優れている点は、ネットワークの拡大や、広告受取の承認などを通して、ユーザーが収益をあげられる点です。これは中央集権型のモデルとは異なる、ユーザーへの大きなベネフィットでしょう。また、メッセージの暗号化もされており、プライバシーの点でも優位と言えます。

一方、分散型のデメリットである、マイナーへの手数料などは弱点として残ります。Gemsをユーザー間で送受信するのは完全に分散化されていますが、それをするのには少額のビットコインが必要になるはずです。ビットコインを知らなくても使えるはずが、ビットコインがないとやりとりが出来ないとなると本末転倒です。

 

3.コインが実態のある価値を提供できているか

 

Dappsを語るサービスには、後付けでコイン機能を付け足しただけのようなものが数多く存在しています。コインを発行し、アプリに単純に組み込んだだけでは良質なDappsとは言えません。ユーザーにコインを獲得する明確なインセンティブがあるか、コイン経済がサービスの使い勝手などの根幹部分とリンクしているかなどが大切です。実際の使い道が乏しく、投機対象としてだけのコインにならないように気をつけなくてはいけません。

例)Gemsの場合

Gemsは友達をネットワークに紹介した場合や、企業からの広告を受け取ることなどでコインを手に入れることができます。また、企業視点で見ると、gems(コイン)購入することで、ユーザーへの直接の広告が可能になるため、Gemsのネットワークが広がれば広がるほど、コインへの需要が増えていくと考えられます。その点でGemsのコイン経済は、価値の裏付けがきちんとあると言えます。

 

4.遵法しているか

 

暗号通貨の世界はまだまだ法的な整備が追い付いていない状態で、法律のグレーゾーンで運営している団体もたくさんあります。

Koinifyでは、現在や将来の売上、利益、もしくは配当などの価値に直接結びつき、証券とみなされるようなコインは基本的に受け付けていません。

例)Gemsの場合

Gemsが遵法しているのか、将来的に問題が出てこないか、などは現状では断定できません。もしくはAppleがGemsのようなサービスを承認するかも若干不透明です。(大丈夫だとは思われますが)

 

5.アイディアより実物を

 

アイディアだけで考えると素晴らしいDappsはたくさんありますが、実際開発をしてみると上手く成り立たないことが明らかになるサービスもあります。Koinifyでは、アイディアだけではなく、プロトタイプの持ち込みを推奨しています。

例)Gemsの場合

Gemsは12月22日現在で、まだ一般に公開されているコードやアプリはありません。開発側では最低限の機能を実装したプロトタイプは間違いなくあると思いますが、開発が完了するまでに半年以上かかること、重要な広告プラットフォームは現状アイディアベースでしかないことなど、Koinifyのこの条件を上手く満たしていないと言えます。

 

6.明確なマイルストーンと計画

 

Koinifyでは、マイルストーン達成をベースに資金の解放を行います。実現可能な3か月単位の開発計画、マイルストーン設定が必須です。同時に、マイルストーンが開発の柔軟性を損なうものであってはならないので、より慎重に、実現可能かつ、開発の邪魔にならないような計画が必要です。

例)Gemsの場合

Gemsの最初のマイルストーンは12月30日のiOSのベーシックメッセンジャーアプリのリリースです。残り1週間程しかないですが、実はこのマイルストーン達成が間に合わないという情報もあり、自分たちで設定したマイルストーンがさっそく達成できない可能性もあります。

 

上記6つのポイントがKoinifyのTom DingがDappsに求める条件です。Gemsの例で見てもわかる通り、全ての条件を満たすのは難しいです。ただし、いくつかの条件を満たさないからと言って、そのサービスが成功しないとも限りませんし、Tomもそのように述べています。

日本の開発者、企業家、投資家のみなさんも、上記のポイントを参考にしつつ、よりよいサービスの開発、発見ができるように願っています。

もちろん最終的には今まで通り自己責任となることもお忘れなく。

 

参照リンク

https://koinify.com/blog/