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一番始めに結論を言ってしまうと、ある程度のリスクを許容できる方であれば、ビットコインは他のあらゆる金融商品と比較して最高の投資環境です。利便性、価格変動、取引時間どれをとっても唯一無二であり、若い市場が故の利点を大いに享受することができます。

本稿では、ビットコインのトレードが他の商品と比較してどのような利点を持っているのか、そしてどのようなリスクを抱えているのかについて解説していきたいと思います。

メジャーながらもボラティリティは高い

ビットコイントレードの魅力は、なんといってもそのボラティリティ(価格変動率)にあります。次のグラフは、現物や差益決済取引(CFD)の過去のデータから、年間の価格変動をヒストリカルボラティリティ(HV:単位:%)で表したものです。ヒストリカルボラティリティの値Nは過去の価格変動率を表しており、今後一年の価格変動率を大雑把に予測する目的で使われ、統計的に68.3%の確率で±N%、95.4%の確率で±N*2%の変動率の間に収まると言われています。(データソース:quandl.com

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ビットコインのボラティリティは、投機や投資対象としてみた場合、他の主要な金融商品と比較すると非常に高く、業界も加速度的に成長していることから非常に魅力的な環境だと言えるでしょう。一方で、本来の目的である通貨の安定性という観点から見ると、現状まったく適していないと言わざるをえませんが、トレーダーにとってはそれほど大きな問題ではありません。 It’s not a big deal !

取引可能時間を気にする必要がない

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そして、土日でも取引できるという点は、仮想通貨取引所の唯一無二の特徴であり、人によっては恐らくこれが最も大きな利点となるでしょう。当然、祝祭日も関係なく動いています。最近では、他の金融商品でも平日のほぼ24時間トレードできるようにもなってきてますが、土日や祝祭日まで取引できる金融商品は他にありません。

専業の方であれば平日に株やFXをやって、休日はビットコインをやる。兼業の方であれば平日は仕事に専念して、休日にがっつりビットコインをやる、といったような感じです。え?休日までトレードしたくないって?それも一理ありますね(笑)

表1:取引可能時間比較
ビットコイン CFD/FX 株式現物
取引可能時間 平日/土日/祝祭日
24時間365日
平日5営業日
24時間
平日
9:30-11:30
12:30-15:30

ただ、ビットコインはむしろ、平日よりも土日に大きく動く傾向にあり、祝祭日関係なくトレードできるという特性をトレーダーが活用していることが伺えます。「本番は土日」ということですね。一方、全く休場日がないことは、トレーダーにとって休む時間がないとも言えるため、より強い自己管理能力が試されることになるのかもしれません。

ひとつ注意したいのは、急に入金したいと思っても銀行のシステムは古く残念なままなので、金曜の午後3時から月曜の9時までの64時間の間、入金することができません。なので、入金用の予備資産はビットコインとして用意しておくことをお勧めします。

入出金がいつでもできる

取引可能時間のセクションでも触れましたが、ビットコインをトレードするならば、原資をビットコインで持っておくことをおすすめします。そうすることですべての面で時間を気にすることなく、非常に柔軟かつ自由度が高いトレード戦略を実行することができます。

入金に関しては、海外の一部の証券会社がクレジットカードによる入出金を受け付けていますが、これらの業者はすべて金融庁の警告「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(外部リンクpdf)」に挙げられている無登録業者です。また、クレジットカード出金に関しても返金機能を利用したものであるため、多くの制約があり、使いやすいとは決して言えません。

ビットコインはこれらの伝統的な金融インフラに依存する入出金問題を解決し、殆どの場合、1時間以内に資産の移動を行うことが出来ます。

表2:入出金に掛かる時間の比較
ビットコイン CFD/FX 株式現物
出金までの時間 10分から60分 翌営業日~3営業日 翌営業日~3営業日

レバレッジ

表3:レバレッジの比較
ビットコイン CFD/FX 株式現物
レバレッジ 現物 or最大20倍 国内25倍-33倍(先物) 現物のみ

ビットコイントレードに関しては、FXのように25倍のレバレッジを掛けた取引はできません。そもそもレバレッジをかけた取引が出来る取引所は非常に限られており、世界で見ても片手で収まる程度の数です。しかし、ビットコインのボラティリティを考えれば20倍でも充分に利益を出すことができるため、レバレッジの面で他の金融商品にトレード環境で劣っているということはありません。

レバレッジを掛けたトレードは「投機性が高い」と悪く言われることも多いですが、現物保有する資産に対するリスクヘッジ手段として利用することもでき、少ない元手でも多様な戦略で戦うことが出来るようになります。これはFXと同様に、今後ビットコイントレードを行う上の非常に重要なファクターとなるでしょう。

流動性リスク

一方、ビットコインの流動性はお世辞にも高いとは言えません。ビットコインの時価総額は5,000億円程度で、国内株式銘柄の時価総額ランキングに当てはめるとちょうど240位くらい。取引所における月間の出来高に関しても、世界中を合わせて2,500億円程度となっています。

また、金融先物取引業協会の店頭FX月次速報によれば、国内におけるFXの出来高は529兆円であり、ビットコインは世界全体を合わせても国内FX市場の0.04%であるということは認識しておく必要があります。

表4:ビットコインとFX、主要株の出来高の比較
ビットコイン CFD/FX 現物株式
出来高(月間)
2015年7月21日時点
2,471億円 5,296,836億円
国内FX
16,008億円
(株)みずほFG

そのため、ビットコインをトレードする場合、買いたいところで買えない、売りたいところで売れないという状況が多発し、不便を感じることがあるかもしれません。また、急な値動きがあった場合には流動性が枯渇し、損が拡大することがあるのもビットコインのリスクのひとつです。

ただ、今後市場が成長し、参加者が増加することで流動性も増えてくることも予想されますので、これは今だけの問題であると言えます。ある程度の流動性がある取引所を選定すれば、100BTCくらいまではそれなりにトレードできますしね。

ビットコインの取引所リスク

もうひとつのリスクは、取引所に対するカウンターパーティリスクです。

ビットコインは歴史が浅く、インフラや規制が構築されていないために未熟な部分が多くあることも留意しなければなりません。最も重要な部分は、「資産の分別管理」です。伝統的な証券会社やFX会社は、会社が破綻したとしても顧客の資産をすべて返還できるよう、徹底して資産を区分して保護するよう金融商品取引法により規制されています。

一方、ビットコインの取引所の多くはビットコインを直接ユーザーから預かり、一時的にサーバー上に保管しているところが殆どであるため、資産がハッキングの対象になることも多くあります。取引所毎にコールドウォレットなど最大限のセキュリティ対策を施していることが殆どですが、それでも完璧ではなく、少なからずの不安が残ります。

また、取引所が破綻した場合も、規制が完備されていないため預けていたビットコインが返還される保証がないことも明らかなリスクだと言えます。もしかしたら、「ハッキングを受けて盗まれてしまった」と言いながらも、実は、秘密裏に保管していたビットコインを管理者が持ち逃げしてしまうこともあり得るかもしれません。

取引所が本当に信頼できるセキュリティレベルを保っているのか、健全な状態で運営されているかどうかを充分に吟味した上で、使うか使わないかを選択する必要があるでしょう。

※これを執筆している間に、マウントゴックス取引所の元CEOが逮捕されました。マウントゴックス以降に創設された取引所は、事件を教訓として自主的に資産を分別することを試みています(コールドウォレット)。それでも完璧ではありませんが、少なくとも、外部からのハッキングへの耐性は最低限完備されています。一方で元社長は資産を流用した可能性が高いと見られており、内部のガバナンス体制が激甘だったことを示唆しています。上でも述べていますが、ビットコイン自体はトラストレスな仕組みではあるものの、取引所は集中型のサービスであるため、運営者が信用できるのか、コーポレート・ガバナンスへの取り組みをどのように行っているのか充分に精査すべきです。

まとめ

さて、ここまでビットコインのトレード環境がなぜ他の金融商品やCFDと比較して有利か、そしてなぜリスクがあるのかを説明してきました。もう一度おさらいすると、次のとおりです。

表5:まとめ
ビットコイン FX 株式現物
ボラティリティ(HV) 55.86% 7.96%
取引可能時間 平日/土日/祝祭日
24時間365日
平日5営業日
24時間
平日
9:30-11:30
12:30-15:30
出金までの時間 10分から60分 翌営業日~3営業日 翌営業日~3営業日
レバレッジ 1倍~20倍 国内25倍
(海外1000倍)
1倍
出来高(月間)
2015年7月21日時点
2,471億円 5,296,836億円
国内FX
16,008億円
(株)みずほFG

しつこいようですが、ビットコインは歴史が浅く、まだまだたくさんの課題が残されています。法律で規制されておらず、技術が若いために生じる「カウンターパーティリスク」、ボラティリティの高さの裏返しでもある「流動性リスク」は、ビットコインをトレードするのであれば必ず頭の片隅に入れておくことにしましょう。

これらのリスクを許容出来ない方は、ビットコインをトレードすべきではありません。将来的な目線で見れば、今後数年の間に法整備が整い、より流動性が高まることも期待されているため、環境が整備されるのを待ってから足を踏み入れるのも選択肢のひとつなのではないでしょうか。

しかし、一番はじめに述べたように、より良いトレード環境を求めるトレーダーにとって、あらゆる時間の制約から開放されたビットコインの取引環境は、トレード史におけるひとつの到達点です。ブロックチェーン技術を利用した、NASDAQの未公開企業のための株式市場、Overstockが構築しようとしている社債市場などのプロジェクトが既に立ち上がっていることからも窺えるように、ビットコインの取引環境を模倣した次世代型の市場は恐らく、今後20年以内にマーケット全体を置換することになります。

このような動きをどう捉えるかはあなた次第ですが、ビットコインの取引所がどのように動いているのか、なぜ土日でもトレード出来るのかを是非、一度は体験してみることをお勧めしたいところです。

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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