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世界経済フォーラム(World Economic Forum)は、ビットコインとブロックチェーンを今後十数年における「6つのメガトレンド」のうちのひとつとして認識している。金融インフラとしての可能性、契約書、投票プロセスなどを第三者機関を介さずに分散的に行えるリープ・フロッグな技術として捉えているようだ。

その他のメガトレンドとして挙げられているのは製造産業や日常生活に大きなインパクトを与えんとする『Internet of Things(モノのインターネット)』、ストレージやコンピューティングリソースを共有する『クラウド』、人々のコミュニケーションの形態を変え不便を解消した『ウェアラブル・インプラントデバイス』、ビッグデータを駆使した『機械学習・ディープラーニング、AI』、またオンライン上でいわゆる種の”鋳型”を共有し必要な時に必要な材質で再現できる『3Dプリンタ』だ。

WEFの調査はICTセクターに身を置く800人の専門家に対して行われ、それぞれの技術が「転換点」を迎える時期と、転換点によって起こるポジティブまたはネガティブな影響について答える形式となっている。

政府とブロックチェーン

とりわけ興味深い結果は、多くの人々が2023年に「政府がブロックチェーンを通じて源泉徴収を行う」という、大きな転換点を迎えると考えていることが明らかになった点だ。既にいくつかの政府ではブロックチェーンを使ったプロジェクトを開始していることからも、政府による利用可能性も大いにあるということを多くの人々が認知していることがデータとして現れた結果となる。

例えば、コネチカット州は最近、ブロックチェーンによるデータの記録管理を行うスタートアップTierion社と協力し政府の公開調査の記録としてブロックチェーンを活用することを発表した。中南米のホンジュラス政府もまた、土地登記の記録管理としてブロックチェーンを使おうとしているようだ。さらにイングランド銀行(英中銀)などではブロックチェーン専門の研究チームを組成し、ブロックチェーン上にフィアットを発行する可能性について真剣に検討し始めていることも明らかになっている。

英中銀が法定通貨をブロックチェーンに載せたいと考えている理由は、マイナス金利を実行したいためだ。英中銀のチーフエコノミストであるアンドリュー・G・ホールデン氏は単にマイナス金利を実行すれば融資が減少してしまい負の連鎖を引き起こすとし、経済に刺激を与えるには紙幣制度そのものを変える必要があると語る。具体例としては、通貨そのものに減価する仕組みを組み込むことだ。かつてドイツの経済学者シルビオ・ゲゼルが考案したゲゼル通貨のような減価通貨を、ブロックチェーンを使って発行することで実現できる可能性がある。

世界GDPの10%がブロックチェーンの上に

”ブロックチェーン”と呼ばれる、分散化した相互信用構造の上に成り立つビットコインなどのデジタル通貨は、分散的にトランザクションを発行し記帳管理できる手法のひとつです。現在、ブロックチェーン上に現存するビットコインの時価総額は200億ドル相当であり、すなわち世界全体のGDP -80兆ドル- の0.025%を担っているということです。

興味深いのは、はじめに掲げられた「6つのメガトレンド」における、想定しうる21の転換点に関して他の技術はポジティブ/ネガティブ双方の視点から考察されていたのに対し、ビットコインおよびブロックチェーン技術に関する「転換点」では一切ネガティブな面について取り沙汰されなかった点だ。専門家の多くがブロックチェーンに可能性を見出している一方で、一切負の面が語られていないことに関しては真にメリットしかないのか、あるいは研究不足なのか、非常に示唆に富む内容だと言えよう。

調査によれば、「世界GDPの10%がブロックチェーン上に生産される」という転換点が起こる時期は2027年が最有力候補として挙がり、また有効回答者のうち57.9%の人々は2025年までに実現すると考えているようだ。

「経済や財政管理は、ブロックチェーンやデジタル貨幣を基盤とする新たなシステムによって置換されることになるでしょう。それも、従来的な価格決定メカニズムや為替レートの影響を受けない形として。

現在一般的に所有権が富の尺度となっていますが、最終的に、世界中の知恵や情報、ネットワークや人脈が取って代わります。GDPのような尺度もまた、彼ら自身の資源そのものよりも、将来的に活用できる可能性のある資源に基いて計算されるでしょう。いずれにしても、これが良い結果を導くかどうかは政府や企業、社会全体がこれらをどのように活用するかに掛かっています。」


WEF – Deep Shift -Technology Tipping Points and Societal Impact-

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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