2018.04.09 (Mon) news

モネロがASIC回避のためにハードフォーク、新たなプロジェクトも誕生

Written by 真田雅幸

ASICによるマイナーの中央集権化を避けるためモネロは4月6日、マイニングアルゴリズムのアップデートを含んだハードフォークを行った。今回のハードフォークを受け、本流のモネロとは異なる複数のプロジェクトが立ち上がっている。ASICを使ったマイナー側の動きが仮想通貨に関わるコミュニティ全体へ波紋を呼んでいる。

仮想通貨のコミュニティ内では、ASICを使ったマイニングを受け入れるべきか否かの議論が活発に行われてきた経緯がある。ビットコインのマイニング用ASICが登場した2013年頃から様々な意見が交わされたが、マイナーと開発者の間の摩擦はさらに大きくなろうとしている。

きっかけは、マイニング用ASICを開発する中国のBitmainがモネロ用のASIC機器Antminer X3を発売したことから始まる。さらにBitmainは4月3日、イーサリアム用のASIC機器Antminer E3の販売を発表している。

ASICの開発には巨額の資金が必要となるため、供給源が少数の企業に限られるようになることが予想されている。そのためマイナーが中央集権化すると懸念されていた。マイナーの中央集権化は、誰にも検閲されないP2Pの仮想通貨のネットワークの崩壊に繋がると考える者も少なくない。

モネロのハードフォークで分岐が多数発生

モネロはASICによるマイナーの寡占化を防ぐためハードフォークを行った。しかしこのハードフォークに同意しないモネロ・クラシックやモネロ・オリジナルといった多数の分岐が発生した。

マイニングASICは効率良く演算を行うマイニング専用機器であることから、GPUを使うよりも多くのハッシュレートをネットワークに供給することができる。ハッシュレートの増加は、ネットワークのセキュリティ強化に繋がる。

ASICを使ったマイニングの拒否は、マイナーの中央集権化を防ぐ代わりにネットワークの強化というメリットを手放しているとも言える。また、そもそもASICによるマイナーの中央集権化は問題なのかという疑問が湧き上がる。

マイナーはブロックチェーンを攻撃できない

中央集権化したASICマイナーが、51%アタックなどのネットワーク攻撃行うということは、自分自身を攻撃することになる。その結果、仮想通貨の価値が大きく下がれば自身の収入を減らすことに繋がる。

ASICは一つの作業に特化したハードウェアであるため、GPUのようにマイニングする仮想通貨を変更することができない。ASICに投じられる資金の大きさとASICの用途が一つに限られていることを鑑みれば、中央集権化したマイナーがネットワークを攻撃するインセンティブは非常に少ないことがわかる。

現状ASICを使うマイナーが、ネットワークを直接攻撃することは考えづらいが、ビットコインキャッシュのように、独自にハードフォークをすることは十分にありえる。しかしハードフォークをしても新たにウォレットを用意したり、新たに開発者を用意したりして個別にネットワークを広げる必要がある。ネットワークが広がらなければ通貨として価値が付かないからだ。

現状、ビットコインとビットコインキャッシュの機能面はそこまで大きな違いはないが、両者の価格には大きな乖離が存在する。これはネットワーク効果によるものだと考えられる。ウォレットの数や開発者の数は圧倒的にビットコインの方が多く、そのネットワークも大きい。

今後もASICに対する議論は続いていくと思われる。ネットワークのセキュリティ強化というASICのプラスの面と、マイナーの中央集権化というマイナスの面をどう折り合いを付けるかが主題となっていくだろう。


Coindesk


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