2018.07.05 (Thu) news

IRSが他国と連携、仮想通貨の税金逃れ捜査を開始

Written by 真田雅幸

米国内国歳入庁(IRS)は、イギリス、カナダ、オーストラリア、オランダの当局と連携し、仮想通貨取引時に発生する税金逃れやマネロンなどの犯罪を捜査するための機関J5(Joint Chiefs of Global Tax Enforcement)を結成した。各国は捜査情報や技術を共有し、犯罪撲滅に努める。

J5は税金を逃れようとする犯罪の他に、サイバー犯罪などを通じたマネロンを捜査する国際機関だ。仮想通貨取引の一部が犯罪の温床となっているとみており、サイバー犯罪が増えることによる経済への悪影響なども考えられ、世間からの関心も高いことから今回の組成に至った。

仮想通貨の市場は日を追うごとに参加者が増え、市場全体で30兆円、日次取引量が1.5兆円にまで拡大しており、各国の政府も無視できない規模にまで急成長を遂げている。

J5は公式声明で以下のように述べている。

「我々は、税金逃れなどの犯罪を捜査するために互いに協力を惜しまない。仮想通貨を活用したマネロンなどの犯罪の広がりを防ぐために、各国は連携する必要がある」

IRSは仮想通貨を一種の資産としてみており、取引で発生するキャピタルゲインに税金を課している。一年以上保持して売却した場合は、最高税率が15%か20%と優遇されている。一年以内に売却した場合は、最高で39.6%だ。

アメリカでは2014年にビットコインに対する税制が施行されているが、税制に関する認識は一般に広まっておらず、申告を行わないトレーダーも多い。IRSは、多くの顧客を抱える大手取引所コインベースに顧客の取引データを提出するよう求め、同社は1.3万人の顧客取引データを提出している。

当局が仮想通貨取引時に発生する税金を徴収したい一方、税金逃れを目的とするユーザーは規制当局の権力が及ばない取引所を使うこともできる。世界の仮想通貨取引所の中にはKYC(顧客確認)を行わない取引所もあるため、個人の取引履歴を特定することが困難になる。

J5は国際的な機関だが、取引所は世界中に存在するためユーザーの理解を得ない税制や規制は、J5の各国国内の取引所から海外へ顧客を流出させ、地下取引の一層の拡大を招く可能性がある。

老舗取引所のPoloniexは米当局の規制強化を受け、今年からKYCを強化しユーザーに本人確認書類の提出を求めている。KYCが強化されることがユーザーに告げられると、取引量は減少し、世界の仮想通貨取引所ランキング上位の常連だったPoloniexは、現在38位と大きく順位を落とした。

各国の規制当局は市場へ介入姿勢を強めているが、規制方針を間違えば国内のビジネス環境を悪化させる可能性もあるため、市場参加者からは慎重な規制を求める声も聞かれる。


IRS


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