2018.01.05 (Fri) news

中国PBoC、ビットコインのマイニング業者への優遇政策を廃止へ

中国人民銀行(PBoC)が、ビットコインを含む仮想通貨のマイニング業者に対して電力の使用に関わる税制優遇を廃止する方針であることを示唆した。Caixin、TencentTechなど複数の中国メディアにより報じられた。

3日には、「PBoC内で非公式の会合が開かれ、5日後(1月8日)にすべてのマイニング事業者が差し押さえにあう」とするリークがWechat上で流れた。いくつかのメディアはこれに続いてマイニングのシャットダウンを報じたが、PBoC関係者はこれを否定。仮想通貨取引所の閉鎖を2017年9月に指示し実行した一方で、マイニング事業に対しては慎重な姿勢を見せた。

報告によれば、PBoCはマイニング事業の操業停止を求めていない。しかし、マイニング事業の監督に向け、一部地域で集中的に行われているマイニングにより「歪められている」経済政策の是正を行う考えだ。PBoCは現在、各社の電力使用量を調査すると共に、税金や電気代、土地などの優遇政策を廃止に動いているとCaixinの金融レポーターWu Yu Zhang氏は報告した。中国のマイニングによって消費されている電力はおよそ5000万戸分にのぼるとも予想されており、電力や騒音、二酸化炭素など複数の資源・環境問題を引き起こす恐れがあるとの指摘もある。

仮想通貨のマイニングは殆どの場合、電気代や土地代が安価な内モンゴル自治区や四川省、雲南省などにマイニングファームと呼ばれる専用の工場が建造される。施設はマイニング機材を雨風から守るための建屋と、メガワット単位の電力を使用するための電力供給設備、機材から発せられる熱を逃がすための排熱設備で構成される。中国のマイニングシェアは70%を超えており、取引所が操業停止に追い込まれてからも、海外にビットコインを輸出し、外貨を輸入することでマイナー達はマイニングから得られる利益を享受していた。

四川省や雲南省は豊富な水資源に恵まれており、水力発電による電力消費は他の地域に比べ極めて安価に済む。ケンブリッジ大学のリサーチフェロー、ガリック・ヒルマン氏は、地元の電力会社と協定を結ぶことで、電力会社としてはアイドル電力などをマイニングに転用し収益化できるため、互いにメリットがあると語っている。

取引所の閉鎖は、中国当局にとっても資本流出を防ぐ目的があった。ブランダイス大学のStephen G. Cecchetti氏とニューヨーク大学のKermit L. Schoenholtz氏は2017年12月にMONEY&BANKINGの中で、2015年から2016年にかけ中国で大規模な資本規制があったにもかかわらず、かなりの量の資本流出があったと分析している

ビットコインが資本逃避用途で使われているとの見立ての一方で、今年のはじめから中国政府はビットコインの取引を禁じる方向に介入した。2017年1月、中国人民銀行(PBoC)は国内大手取引所3社に対してコンプライアンス体制の脆弱性を警告。取引手数料の導入に加え、ビットコインの引出し監視、および関連する一連の捜査を開始した。以後、中国国内の取引所の流動性は枯渇し、最近の取引所閉鎖に繋がっている。おそらく、偶然だろうが、1月は中国の外貨準備における直近の底も示している。PBoCはその後、9ヶ月毎の増加を報告した。

取引所は人民元が国境のない通貨であるビットコインに変わる手段を人びとに提供するため、当局によるコントロールが難しいという懸念があった。一方、マイニングはOTC(店頭取引)を経由しない限り、国内から資金を移動することが難しい。香港には大規模な仮想通貨のOTCディーラーが存在し、中国本土のマイナーからビットコインを仕入れて海外に販売する経路ができている。

マイニングへの優遇政策が廃止されるということは、マイニングにおける中国の競争優位が揺らぐということだ。そうなれば、中国国内でマイニングを行う者は他国に移るか、廃業に迫られる恐れもある。2016年7月の半減期直前には、ビットコインのマイニングによって得られる報酬が半分になるため、マイニング事業を続けられなくなり破産した事業者が後を絶たなかった。

既に産業化しているマイニングを禁止し多数の雇用を奪うか、ロシアやベネズエラ同様の登録制を導入し産業を育てるかは現状不明だ。しかし安価な土地と電気さえあれば、世界のどこでも同じパフォーマンスを出せるマイニングの特性を考えれば、禁止する方向に動くことは考えにくいだろう。


Caixin
Tencent Tech


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