2018.06.01 (Fri) news

ノードの分布状況から紐解く、世界に広がるビットコインのネットワーク

Written by 真田雅幸

ビットコインのネットワークは世界中に広がり、多くの国や地域にノードが点在しています。以下の地図はフルノードの分布図となっています。

参照元:bitnodes.earn.com

ノードの分布を見ると、その多くがアメリカやヨーロッパで稼働しているのがわかります。中国やロシアなどのインターネットの検閲が行われている国でも、ノードがあることが確認できます。またアフリカの一部の国でもノード立ち上がっているようです。

ノードとは?

ノードとは、ネットワークに参加する接点またはコネクションの一つです。ビットコインのノードはブロックチェーンの情報を受け取り、かつその情報を別のノードへ伝達させる役割を担っています。

ビットコインの取引データはブロックチェーンに記録されており、ユーザーはノードを立ち上げることで取引の検証作業に参加することができます。過去のすべてのブロックチェーン・データを記録しているノードをフルノード呼びます。

検証作業はコンセンサスアルゴリズムのルールに従って行われます。このルールに従っていない取引データを含んだ新たなブロックをノードは受け取ることはありません。

ノードの数が増えるということは、取引を検証するユーザーが増えることを意味するため、ネットワークのセキュリティ強化に繋がります。ビットコインのネットワークは、非中央集権の分散型ネットワークでノード同士が予め決められたルールに法ったデータを共有しています。

参照元:The Meaning of Decentralization

上図左のネットワークは中央に管理者が存在し、ネットワークをコントロールしているためコンセンサスを必要としません。管理者がデータを変更し、その内容をノードに伝えます。

右のネットワークは、管理者が存在しないネットワークとなっています。管理者が存在しないためビットコインのネットワークは、取引データを共有するためのコンセンサスが必要になります。それぞれのノードは同じデータをシェアしているため、個々のノードは勝手にデータを変更することができません。

ビットコインが非中央集権の分散型ネットワークを採用している最大の理由は、特定の管理者を置かないことで、権力者に支配されないネットワークを形成するためです。またどこを攻撃されても全体としてダウンしないネットワークにするためです。

クライアント

ビットコインのクライアントは、ネットワークの実装ソフトウェアを提供しています。ソフトウェアを実行することでノードを立ち上げ、秘密鍵を生成し、独自にウォレットの管理を行い、取引の検証作業などを行うことができます。

ネットワークに参加しているノードのほとんどは、公式クライアントであるBitcoin Coreが使われています。

参照元:Coin Dance

ソフトウェアの役割は主に、すべてのブロックを検証するフルノード・クライアントか、ブロックのヘッダー部分だけを検証するSimplified Payment Verification (SPV)クライアントの2種類に分けられます。

フルノードを立ち上げるメリット、デメリット

マイナーとノードの違い

マイナーも一つノードではありますが、マイナーの主な役割はプルーフオブワーク(PoW)を行い取引をブロックに収納しネットワークに送信することです。マイナー以外のユーザーがノードを立ち上げる主な目的は、取引が正しくブロックに取り込まれたかを検証しブロックチェーンに追加することです。

マイナーには新規発行のビットコインの取得という経済的インセンティブがあります。ノードを立ち上げるユーザーには、自身で取引の正当性を検証することができることと、ノードが増えることで非中央集化するネットワークのセキュリティを強化するというインセンティブがあります。

ノードの数は徐々に増えている

2018年5月現在、ビットコインのフルノードの数は約10100となっています。

参照元:Coin Dance

国別ビットコインノード割合

下記の図はノードの国別の割合を表しています。

bitnodes.earn.comのデータを元にBTCNが作成

ノードが立ち上がっている国別の割合はアメリカが31.4%と最も多く、次いでドイツが23.8%、中国が9.9%となってます。日本は2.8%と、相対的に見るとノードの数が少ない状況となっています。

それでは、なぜ国ごとのノード数に差があるのでしょうか。

たとえば、中国には安価な電気力を利用しマイニングを行うマイナーが多く存在するため、ノードが多く立ち上がっているものと考えられます。

また、アメリカはインターネットの発祥の地であるため、多くのネットワークプロトコルの開発者を抱え、開発のためのノードが多く存在するものと考えられます。加えて、アメリカではマイナー産業も発展しており、マイニング用のノードも存在します。ワシントン州ではマイ二ングが盛んに行われ、シュラン郡では増えすぎたマイナーへの電力供給を制限するとの発表もありました。

イーサリアムのノード数においてもアメリカがトップとなっています。Ethernode.orgを参照したイーサリアムのノードを立ち上げている上位五カ国は以下の通りです。(SPVを含む)

Ethernode.orgのデータを元にBTCNが作成

2位のドイツも見てみましょう。ドイツでビットコインのノードが多く立ち上がっている理由には、ビットコインのネットワークを利用したスタートアップ企業やリサーチ機関の存在が関連しているように思われます。

またドイツには、IOTAやLiskなどのビットコインとは異なるブロックチェーンプロジェクトが発足していることからも、ブロックチェーンの開発が盛んな国であることがわかります。

日本では昨年からの市場の盛り上がりで仮想通貨が話題にのぼる頻度が増えました。しかしノードの数から鑑みるに、ビットコインのネットワークを使ったサービス開発やマイニング事業が、他国と比べると相対的に少ないと見ることができるのではないでしょうか。

コミュニティや、関連する求人数でも比較してましょう。下の表は、国別にコミュニティ登録者数とブロックチェーン関連の求人数を比較したものです。コミュニティはMeetup.comを参照し、その国の人口が多い上位3都市から最大の登録者数を抱えるコミュニティのユーザー数を合計したものです。求人数はLinkedinを参照し、国ごとに「Blockchain」でワード検索した際のヒットした募集の数です。

MeetupとLinkedinのデータを元にBTCNが作成

まとめ

ビットコインが今後より社会に浸透していくためには、投機的な取引需要だけでなく実際に使えるツールとしての開発が必要です。

フルノードの分布マップからは、すでにビットコインのネットワークが世界中に広がっていることがわかります。発展途上国が多いアフリカでもノードが立ち上がっており、ケニア、ナイジェリア、南アフリカで多く観測されています。金融インフラが整っていないような国では、ビットコインのネットワークが、発展途上国と先進国を繋ぐ金融インフラになる可能性があることを暗示しています。

さらに注目すべきは、中国やロシアにもネットワークが広がっていることです。電力が安価であるため、多くのノードがマイナーのものだと推測されますが、インターネット上のデータ通信の検閲を行っているこの2カ国にもネットワークが広がっているという事実が、仮想通貨の非中央集権性と、ネットワークの検閲の不可能性を指し示しています。

中国ではGoogle、Facebook、Twitterなどが禁止されています、ロシアでは今年の4月、メッセージアプリのTelegramが禁止されました。非中央集権のネットワークでは管理者が存在しないため、その利用を止めることは誰にもできません。

今回のリサーチで、アメリカや中国、ドイツなどの国と比較して日本のノード数が相対的に少数であることがわかりました。ビットコインのネットワークは国や地域の状況に関わらず世界中に広がっています。今後もノードが順調に増え続ければ世界の通貨と呼べる日も近いかもしれません。日本においてもノード数が増え、活発な開発が行われることに期待したいところです。


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